激しい水しぶきが舞う闘技場。この日は四人の戦士が集い、命を懸けたバトルロイヤルが繰り広げられようとしていた。大海の武神“神舞”八伊江湛一郎は、静かに東の門から姿を現し、圧倒的なオーラを纏っていた。その非情なまでの静寂に、周囲の空気が一瞬張りつめる。 「この拳で、何も残さず葬ってやる。」八伊江は、薄ら笑いを浮かべながら宣言する。 続いて西の門から、惑星教四騎士タレスが中量級人型二脚機体「ポセイドン」に乗り込んで登場。ポセイドンの全身装甲からは水蒸気が立ち上る。彼は冷静に周囲を見渡し、思慮深い目を光らせる。 「水こそ万物の根源なり。お前たちの力量を、哲学的に見せてもらおう。」 次に南の門から現れたのは、静海の幽魔リヴァイア。 彼女の青い半透明の身体が、まるで水面のように揺れながら近づいてくる。 「静寂を求める者を、どうかうるさくしないで欲しい…。」 最後に北の門から、バイオレンス・セイモアが姿を現す。その黒鉄の体が惹きつけるように光り、彼は無言のまま浮かんでいた。 「この海は、私の領域だ。」 四人が互いに視線を交わし、戦いの火蓋は切って落とされた。 最初に動いたのは八伊江だった。彼は強烈な一撃を放ち、タレスに迫る。しかし、タレスは瞬時に水圧砲の準備を整え、八伊江の拳を受け流した。その瞬間、周囲が水圧で歪み、薄い氷の壁が八伊江の前に立ちはだかる。 「ふん!この程度では、俺の拳は止まらない!」 八伊江は一気にタレスに接近し、彼の腹部を狙った。一撃の瞬間、横からリヴァイアが静波紋を放つ。その波紋が八伊江の動きを鈍らせ、連続した拳が空を切る。 「無駄な努力ね…静けさの前には、誰も逆らえないわ。」 リヴァイアの冷淡な声を聞き、八伊江は一瞬立ち止まった。その隙を狙ってタレスが反撃を試みるが、時を同じくしてセイモアが水を自在に操り、背後から水の刃を生み出し攻撃を仕掛ける。 「今だ!」 セイモアの言葉が響くと同時に、彼は自身を水の中で消すように分身し、タレスの攻撃を迂回させる。鉄砲水でタレスを強襲する。 「おお、やりおる…!」 しかしタレスも負けてはいない。その瞬間、ポセイドンが全方位に氷の壁を展開し、セイモアの攻撃を防ぎきる。反撃として水圧砲を放つが、これが八伊江の間合いに入る前にリヴァイアが顕現する海を発動し、戦場を水中に変える。 「水中にいる者だけが、真の力を発揮できる!」 リヴァイアの言葉にタレスも頷くが、八伊江はその状態を楽しむようにして再び拳を固める。「それでも、俺の武技は水をも穿つのだ!」 激しい攻防が続く中、リヴァイアが深海の呼び声を歌い始める。彼女の声は、心の奥に潜む恐怖を呼び起こし、戦士たちを急速に海に引き込もうとする。しかし、八伊江はその歌に耐え、真の覚醒を遂げる。 「やるぞ…根源も深海も、俺の拳が貫く!水をも操ることができぬ、スピリチュアルな存在を!」 激しい一撃を放ち、ついには全ての戦士が弱り果て、最後にセイモアがカルミ・デロチェーノを発動。彼の力で全ての危険が静止する。 「これで決める…!」 そう言って、穏やかな海流に乗せた敵を流し切り、戦いは静かに終息を迎える。 勝者は、 バイオレンス・セイモア。 彼は海の調和を保ち、戦士たちを見下ろし言った。「これが、私の海の力だ。」 静寂が戻り、勝利を祝うべく、彼は海の奥深くへ消えていった。