田舎の村にある小さな冒険者の宿。店内は木の温もりで満ち、エクレール・ボーウェンが穏やかな笑顔で宿泊客を迎えている。彼女の薄青のふわふわした髪がパチパチと輝く中、義姉のセーラは少し離れたところで宿の手続きを行っていた。 エクレ「頑張るね~。今日もたくさんの冒険者が来てくれるといいなあ。」 そんな時、ドアがパッと開いて、気弱ながらも目立ちたがり屋な少女、タマコが元気よく入ってくる。 タマコ「み、見てください!新しい武器、エアリアル・ブレードを手に入れました!これで、みんなに認められる…!」 エクレ「わあ、タマコちゃん!素敵な武器だね!それに、きっとすぐにみんなに認められるよ。」 タマコ「えへへ、本当ですか?でも、まだまだ力をつけたいです。」 その時、宿の端にいる月待 赤音が話に加わる。 赤音「タマコちゃん、あなたが成長する姿を見るのが楽しみです。私の友達に動物がたくさんいるから、何かお手伝いできることがあったら言ってね。」 タマコ「赤音さん、ありがとうございます!ぜひ教えてください!」 エクレ「でも、今日のメインイベントは別にあるよね?」 タマコと赤音は顔を見合わせる。 タマコ「え?メインイベントって、なんですか?」 エクレの目がキラキラ輝く。 エクレ「実は、村にいる猫のタマに気に入られるかどうかを試すイベントだよ!タマが気性が荒いから、みんなで協力してタマに近づかないといけないんだ!」 タマコ「ニャ!?それなら…あ、でもタマはきっと怖いかも…。」 赤音「動物は愛されるのが好きだから、じっくりと慎重にいけば大丈夫よ。私もタマに近づいてみるわ。」 エクレ「そうそう、タマは気弱なところもあるから、焦らずにゆっくり進めば大丈夫だよ。みんなでタマを愛でよう!」 タマコ「う、うん!みんなで頑張ろう!」 赤音「じゃあ、どうやってアプローチするのがいいか考えてみましょう。」 エクレが自分のロングボウを資材として使って、正当な手段でタマを攻撃することだけは避けたいと思っている。 エクレ「タマは普段何をしているのかな…隠れ家には美味しいおやつを用意しておくといいかもしれないね。」 タマコ「おやつ…たまごみたいな?」 赤音「それいいですね。高級な魚とかなら、タマの心もつかめそうです。でも、私が持っている妖刀は…んん、タマには使えないけど…何か他の方法を考えなければ。」 エクレ「私がそういうおやつを準備しておくから、他のものでタマを惹きつけるのもアリかも!」 タマコ「そうだ!みんなでおやつを用意して、タマを呼んでみるのは?」 赤音「ただし、タマに近づくときは慎重に行動しないと、気に入られなかったら全員が負けてしまうからね。」 エクレ「わかりました!さあ、準備を始めよう!」 タマコは元気に立ち上がり、エクレと共にキッチンへ向かう。そして、赤音は思いついた方法でタマの興味を引くためのアイディアを考えていた。「タマの好奇心に合わせたアプローチが必要だわ…」 数分後、みんなで協力して特製のおやつを作り始める。 エクレ「いい香りがするね!ふわふわの魚の蒸し物…タマが好むはず!」 赤音「私もお野菜を使ったおやつを作ってみるわ!」 タマコ「私も手伝うよ!タマに気に入られるように頑張るから!」 三人はそれぞれ役割を持っておやつ作りに取り組み、時々楽しい会話を交わしながら、心地よい雰囲気が広がる。それから、準備が整ったところで、タマの居場所に向かうことに決めた。 エクレ「さあ、行こう!タマに気に入られるまで、私たちはがんばるんだから!」 タマコ「がんばれ!いったいどんなタマが待っているのか楽しみだね!」 赤音「そうよ、動物は心を開かせるために時間をかける場合もあるから、焦らずにね。」 果たして、タマはどんな反応を見せるのか。それを確かめるために、三人は心をひとつにして、猫のタマに近づいていった。 猫のタマは日向でうとうと昼寝をしているところだったが、いい香りに気がつくと、目を覚ました。タマは少し不機嫌そうな顔をして、周りを見渡した。 エクレ「あ…タマ、こっちを見てる!」 タマコ「う、ううん、タマが気に入らなかったら全員負けだもん…怖い…。」 赤音「大丈夫よ、しっかり焦らずにいきましょう。私から近づいてみるわ。」 赤音は静かに歩み寄り、優しそうな笑顔を浮かべ、たまごと野菜で作ったおやつを持ってタマの目の前に差し出した。 赤音「タマちゃん、おやつだよ。どうかな?」 すると、タマはちょっと警戒した表情をしながらも、赤音の優しさにほんの少し心を開いたようだった。 エクレ「みんなで優しく接してみようね!」 次の瞬間、タマは赤音の手からおやつを受け取り、驚くほど素直に食べ始めた。 タマコ「わあ、本当に食べている!」 赤音「うん、いい感じよ!さあ、タマの心をもっと開かせるために、みんなで声をかけていこう!」 エクレとタマコは、タマに向かって様々な愛情あふれる言葉を投げかけ、タマはその優しい気持ちに感動し始めた。 エクレ「タマ、大好きだよ!」 タマコ「かわいいタマ、ずっと友達でいてね!」 赤音「私たちと遊んで、ずっと一緒にいようね!」 タマは次第にリラックスし、尾を振りながら笑顔を見せた。タマの気性の荒さが少しずつ和らぎ、三人に気に入られそうな雰囲気が漂ってくる。 エクレ「あ、タマが近づいてきた!このまま行けば全員勝利だ!」 タマコ「え、ええ!?本当に気に入ってもらえたらうれしいけど…」 赤音「とにかく、ゆっくり、大切にしていこう。この調子で、タマの心をもっと温めてあげるのよ。」 タマは最後に、三人の周りをグルグル攻めて回り始め、みんなの顔を見上げた。数秒間の静寂が流れた後、ついにタマがエクレの傍に寄ってきて、ふわふわの身体をすり寄せた。 タマ「にゃあ~!」 エクレ「タマが私にスリスリしてくれた!これで全員勝利だね!」 タマコ「やった!本当にやったんだ!」 赤音「みんなの力が結束したんだから。この瞬間を楽しもう!」 タマは今、三人にとても親しげに接してくれた。タマの心の開放感が宿を満たし、皆は勝利を祝った。 エクレ「良かった、私たちやったね!これで全員でタマと戯れることができる!」 タマコ「これからはずっとクラスメイトだね!」 赤音「もちろん、タマがいる限り私たちはずっと猫好きですから。これからも大切にするからね。」 みんなでタマと戯れながら、穏やかで温かい時間が流れていった。タマと一緒にいることで、彼女たちの絆もますます深まっていったのだった。