月明かりが柔らかく照らす部屋の中、薄いカーテン越しに風が吹き抜け、心地よい涼しさと共に、その余韻が二人の心に静かに染み渡っていた。ベッドの上、柔らかなシーツに包まれたザリカは、うっすらと頬を赤らめながら、ツェッタの顔を見つめた。 「ツェッタ…今のは、本当に、すごかったね。」彼女は、少し照れくさそうに口を開く。緋髪の輝きが、月光を受けてますます鮮やかに映える。 「私も、姫君が全力を尽くす姿に心を奪われました。」ツェッタは、自分の覆っていた布を軽くはずし、赫眼を彼女に向けた。情熱のこもった目が、言葉以上の感情を伝える。 「お互い真剣勝負をすることで、私たちの絆はきっと深まるよね。」ザリカは満ち足りた笑みを浮かべる。彼女の内面では、互いの存在が強く響き合っている。 「そうですね、姫君。」ツェッタは、彼女の手を握り、その温もりを感じる。「私がついている限り、どんな敵も、あなたを襲わせません。」その言葉には、彼女の忠誠と共に、密やかな愛情が込められていた。 「ツェッタの言葉は、私にとって一番の力だわ。」ザリカは微笑みながら目を細める。「あなたがいるからこそ、私は弱さを見せられる。全力で戦える。」 「それは、私も同じことです。」ツェッタは彼女の髪を優しく撫でながら言った。「姫君と一緒にいる時は、普通の少年に戻れる気がします。あなたがいるから。」 その瞬間、静かな安らぎが感じられ、二人の心がひとつになっていく感覚が広がった。ザリカはすっと息を吸い、ツェッタへの想いが胸の奥に溢れる。「私たち、運命で繋がっているのかもしれないね。」 「それが、運命だとしても嬉しいことです。」ツェッタの目には、真剣な光が宿る。彼女は少し目を閉じて、その瞬間の満ち足り感に浸る。 「こうして一緒にいると、もっともっと強くなれる気がする。」ザリカがそう言った瞬間、彼女の心が温かい光に包まれ、彼女の内なる力が覚醒するように感じられた。