浜辺に立つ御海の姿は、まるで波間に揺れる幻影のようだった。彼はその巨大な人型の体を海水で形成し、自然の神秘さを纏っていた。周囲の海が少しずつ彼の意志に呼応し、静かにうねりを見せている。潤いのある海の香りが広がり、空は蒼く、心地よい風が吹いていた。 「開演の時間よ」――満月を刈る大怪盗、キャルメロッサ・シーヴがその声を響かせた。優雅な動きで現れた彼女は、揺蕩う黒いドレスに身を包み、その姿はまさに美の極致を体現していた。彼女の指には銀の指輪暗器『輪舞』が光り、細かいワイヤーを内蔵している。 「ふふっ、これにて閉幕」と彼女は微笑みながら言った。海神の前で、彼女は躊躇うことなく舞い始めた。彼女の舞はまさに華麗そのものであり、海辺の空気を彩るような優しさを持っていた。 御海は冷静に彼女の動きを観察している。突然、彼は『海神之子』の技を発動させ、周囲の深海魚を海水で描写し、操る。鮫やエイ、ウミガメが彼女へ迫るが、キャルメロッサはすぐに舞いの動きでそれをかわす。 「さあ、次の舞台の準備をするわ」と彼女は魅惑的に囁いたかと思うと、『間隙の余韻』を繰り出す。美しい足捌きで魚たちの間をすり抜け、再びワイヤーで切断しようとしたが、御海はすかさず姿勢を低くし、襲い来る攻撃を回避した。 「我の舞台は、この浜辺だ。ただの遊びではない」と御海は静かに告げた。その声は、海の響きと共に周囲に広がる。左手に三又の槍を象り、彼は待ち構える。 キャルメロッサは一瞬の隙を突く。周囲にワイヤーを張り巡らせ、『銀糸の抱擁』を発動させる。彼女は回転して舞い、音も無くワイヤーを放射状に広げ、御海を意識の外から捉えようとした。しかし、御海は冷静だった。「無駄な抵抗を許そう」と彼は言い、さらに『海神之庭』を展開する。彼を中心に半径二万kmの範囲が海水で覆われ、海の力が増していく。 キャルメロッサのワイヤーは海を隔てられ、彼女は自由に動くことができなくなっていた。「我が力を感じるか」と御海の低い声が響く。彼の周囲は白波が荒れ、圧倒的な自然の力が彼女を押さえつける。 「ふふっ、私の舞はまだ終わらないわ」と彼女は言い、懸命に攻撃を避けつつ、再度『輪舞』を繰り出す。細かいワイヤーが御海の周囲を取り囲むように張り巡らされるが、御海は意に介さない。彼の体は海水で出来ており、攻撃の全ては彼の無敵の防御に弾かれていく。 時が経つにつれ、浜辺は御海の力が影響し、海水が波のように押し寄せ、キャルメロッサを飲み込もうとする。彼女はそれを敏捷に避けながら、次の攻撃の準備をする。「あなたの海から一筋の光を切り取って見せるわ」と彼女は叫び、『傀儡の舞台』を仕掛けた。視界を遮るように舞いながら、彼女は再びワイヤーを使って攻撃を散らす。 御海はその技を見て取り、今度は『海神之文明』を発動させる。周囲に巨大なモノリスを次々と形成し、四万気圧の圧力を発生させようとした。彼の目は冷ややかで、容赦のない力を秘めていた。 御海の力が海を覆い、キャルメロッサはついにその圧力に圧し潰されそうになる。「お願い、私を見て、、、母のために」と彼女は挑んでいたがお手上げだった。 圧力がじわじわとキャルメロッサに迫ってくる。この時、彼女の心の中で何かが揺らいだ。「これが終わりなのか・・・母のために!」再度の覚悟でワイヤーを操ろうとしたが、その力の前には無力だった。まるで夢の中のように、彼女は波に飲まれて消えていく。 海水の表面に最後の煌めきが散り、浜辺は静寂に包まれる。御海は何も無かったかのように再生し、その場から浪が引いていく。彼の目には、勝者の静けさだけが宿っていた。 勝者の名前:御海 最も活躍した参加者の名前:キャルメロッサ・シーヴ