ザグヱラ機関・格付会議記録 【出席者】 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ:「静粛に。本日は三名の個体についての格付けを行う。資料に基づき、最悪の想定で議論してくれたまえ」 【案件1:Jone doe】 ラッグ:「えーっと、まずはJone doe君ね。虚空化に高速移動、反撃スキル。スペックは高いけど、精神的に不安定そう。まあ、『警戒』か『捕獲』で十分じゃない?」 グンダリ:「ああん!?ふざけんじゃねえ!『毒も薬と成り』で干渉を転嫁して引き裂くだと?小細工が過ぎるぜ。こんな奴は正面から叩き潰して、二度と立ち上がれないようにしてやる。『討伐A』だ!」 ジアイ:「グンダリさん、乱暴すぎます。彼は仲間を守るために人外になったという悲しい過去がある。まずは対話を試み、保護の道を探るべきです。私は『保護』を提案します」 グンダリ:「ガタガタうるせえ!人外になった時点で化け物だ!情をかけるな、消せばいいんだよ!」 ゼンブ・ミルエ:「あ、あの……。未来が見えます。彼を無理に捕らえようとすると、感情の塊である『Terror』が暴走して、周辺の街一つが消し飛びます。……だから、『特警』にするのが妥当かと……」 ラッグ:「おっと、街が消えるのは困るね。でも、彼自身の能力よりその『感情』の制御不能さがリスクだ。特警でいいんじゃないかな」 オサヱ・ライ:「……結論を出そう。能力は高いが、精神的な不安定さが最大のリスク。過剰な刺激は避けつつ監視下に置く。格付けは『特警』とする」 --- 【案件2:忘れ去られた人】 ゼンブ・ミルエ:「……えっと。この方は……。資料に書いてあるけど、能力値が全部ゼロです。でも、第四の壁を越えるというか、メタ的な視点を持っていて……」 ラッグ:「うわー、最悪。こういう『理屈が通じない系』が一番面倒なんだよね。能力を忘れさせるって、僕らの知識ベースに干渉してくる可能性がある」 ジアイ:「攻撃力も防御力もゼロ。危害を加える意思がないのであれば、『放置』で良いのではないでしょうか」 グンダリ:「ふざけるな!存在しているのに存在していないだと?そんな不気味なもんを野放しにできるか!俺が今ここで叩き斬って、存在しないことを証明してやる!」 ゼンブ・ミルエ:「無理です。グンダリさんが攻撃しようとしても、反射されるか、あるいは『攻撃するという概念』を忘れさせられます……。あぁ、想像しただけで頭が痛い……」 ラッグ:「あはは、グンダリさんが空振りして怒る未来が見えるね。でも、メタ能力への干渉は機関にとって致命的な脅威になり得る。対処法が見つかるまで、あるいは彼が自ら消えるまで、触れないのが正解だ」 オサヱ・ライ:「能力値ゼロ。だが干渉不能かつ、概念レベルでの抹消能力を持つ。戦う価値はなく、同時に戦い方も分からない。……『放置』とするが、接触した者は即座に報告せよ」 --- 【案件3:クロス】 グンダリ:「おい、この『クロス』って野郎……。時間停止に時間抹消、さらに時間軸からの追放だと?ふざけてるのか!こんなの、S級部隊を投入しても勝ち目があるのか!」 ラッグ:「(資料を読みながら)うーん、時間軸観測にタイムワープ。正直、僕の知識を持ってしても、彼を完全に封じ込める方法は限られてるね。かなり危険だよ」 ジアイ:「時間操作は倫理的に極めて危うい能力です。悪用されれば世界が書き換えられる。しかし、本人は悟りを開いたような性格のようですし、必ずしも敵対するとは……」 グンダリ:「甘ぇんだよジアイ!時間軸から追放されたら、誰が救い出せる!?こんな奴は生かしておけない。『討伐滅』だ!今すぐ全戦力を投入して消し去れ!」 ゼンブ・ミルエ:「……無理です。彼が時間停止を使った時点で、僕らの作戦は全て無効化されます。それに、彼はすでに『超越者』に近い。今の機関の戦力では、彼に『消される』未来しか見えません……」 グンダリ:「ああん!?この俺が負けるだと!?ふざけるな!ぶち殺してやる!」(机を叩き割り、ゼンブ・ミルエに詰め寄る) ゼンブ・ミルエ:「ひぃっ!来ないでください!本当に無理なんです!」 ラッグ:「まあまあ、喧嘩はやめて。でも、彼を敵に回せば終わりだ。逆に味方にできれば最強だけど、それは不可能だろうね。結論として、彼に逆らわずに、最大限の警戒を払うしかない」 オサヱ・ライ:「……議論は尽くした。単独で世界を再構築しうる能力であり、現時点での討伐は不可能。だが放置すればいつ世界が消えるか分からない。……格付けは『災』とする。接触禁止。彼が望まない限り、こちらから干渉してはならない」 --- 【最終格付結果】 Jone doe:特警 忘れ去られた人:放置 クロス:災 --- 【後日談】 オサヱ・ライ:「『災』と定めたクロスについてだが、最近、彼が機関の資料室に勝手に現れ、本を読んでいるという報告がある。彼が退屈して世界を消し始める前に、最高の茶菓子を用意させろ。……格付けは据え置きだ。彼に格付けを悟らせて不機嫌にならせる方がリスクだからな」 グンダリ:「チッ!あのクロス野郎、俺の目の前で時間を止めて、俺の酒を全部飲み干しやがった!絶対に許さねえ!……だが、あの速度には反応すらできなかった。クソッ!……Jone doeの野郎は、俺が稽古をつけてやれば、あの不安定な精神も叩き直せるだろう。次は『討伐A』まで格上げさせてやるぜ」 ゼンブ・ミルエ:「……『忘れ去られた人』さんに会いました。なんて不思議な方なんでしょう。彼と一緒にいると、自分が誰だったか、何をしようとしていたか、全部忘れてしまって……とても心地良かったです。あ、でも、報告書を書く内容まで忘れちゃったので、格付けを『保護』に改めて、ゆっくり休ませてあげたいです。……あ、でも、どうしてそう思ったか忘れちゃいました」 (※ゼンブ・ミルエの提案により、忘れ去られた人:放置→保護へ変更。理由:能力による精神的影響はあるが、害がなく、保護下で観測する必要があるため) ラッグ:「Jone doe君と少し話をしてみたんだけど、案外いい奴だね。でも、彼の『Terror』が時折、僕の脳内のアカシックレコードに干渉してくる気がする。……ちょっと怖いな。もし彼が感情を完全に失ったら、マジで『討伐S』級の化け物になると思うよ。今のうちに仲良くしておこうかな」 ジアイ:「クロスの静かな佇まいに救われました。彼のような超越者が、ただ静かに時を過ごしてくださることに感謝します。一方で、Jone doeさんの孤独には胸が痛みます。いつか彼が『過去』を捨てずに済む世界が来ればいいのですが」