水門都市プリステラ。街の外周に設けられた巨大な水門が、水を抱えるように静かに佇んでいる。その門の向こう側、広大な水辺の風景が広がり、静けさが支配する。だが、その静寂は不穏な影によって突き崩されようとしていた。 「私は!魔女教大罪司教!憤怒担当ぉッ!!――シリウス・ロマネコンティ!!」 シリウスがその声を張り上げる。 彼女の周囲には戦士たち、仲間たちだったが、その目は今、敵を見据えている。彼女の身体は、黒い鎖を持ちながら、戦いを待ちわびるかのように高揚していた。 「悪いけど、今日はただの取引では済まないんだ。なら、少々お手合わせ願おうかしら?」彼女の戦闘モードが発動する。心の中の炎が煮えたぎり、視線は一つの方向を指していた。 チームAの仲間たちも彼女の隣に立ち、同じく戦いへの準備を整える。だが、その時、突如として現れた影が彼らを取り囲む。 「僕は魔女教大罪司教強欲担当。─レグルス・コルニアス」 その声は、不気味でありながらも自信に満ちた響きを持ち、戦場の空気が切り裂かれるように入ってきた。シリウスの表情が引き締まる。 「ようやく来てくれたようね、レグルス。あなたの力を試させてもらうわ!」 「ええ、こちらも十分に楽しませてもらうつもりだ」とレグルスは笑みを浮かべる。その瞳には、冷酷な喜びが宿っていた。 「ご高説ありがと。――とっとと焼けて焦げて消えてしまえ!!」シリウスがそのまま炎を放つ。黒炎が闇の中で輝きを放ちながらレグルスに向かって飛んでいく。 レグルスはそれに対して平然とした表情を保ち、息を吐く。「あのさ、話の途中でこんな真似するとか、どれだけ空気が読めないの?の頭がおかしいのは知ってるし、少しの粗相なら見逃す優しさが僕にはある。幸い、被害もないしね」 その瞬間、彼は時を止める。周囲の時が止まり、彼の周りだけが特異な空間として保たれる。しかし、シリウスはその空間に囚われることなく、自分の意志で行動する。 「何を言ってるの、あなた。何か言いたいことがあるなら、ちゃんと向き合いなさい!」彼女は怒りの感情を抱えて、再び黒炎を燃やし上げる。 レグルスは時が軌道を戻した瞬間に、全ての攻撃を一瞬で消し去ってしまう。シリウスは驚き、目を見開いた。 「どうやって…」 「僕の特技なんだ。君の能力では全く認識できないだろうな。だから、もっと頑張った方がいいよ」と言いながら、レグルスは小石を投げる。その小石は瞬時にシリウスの隣を通り過ぎ、仲間の一人へと向かう。 シリウスはすぐに仲間を守るために反応し、鎖を振り回す。だが、間に合わない。小石は貫通し、仲間はその場に倒れる。 「やめろ!!」 シリウスは悲鳴を上げ、再度攻撃を試みるが、レグルスはそれとのやり取りを笑って観察している。 その時、他の仲間たちがチームAの側に集まる。鉄がその真剣な表情で進み出る。「シリウス!俺があの男を止める!」 「いけるの?」シリウスは不安を隠せなかったが、鉄は頷いた。彼は鋼の力を使い、この状況を突破しようとする。 「赤鉄!」と、鉄は自らの血液の流れを速め、自身の運動能力を倍増させる。そして、そのまま高く跳び上がる。 「何処へ行く気だ?」レグルスはその動きを見逃さなかった。「その体では届かないよ」 だが、鉄の意志は強かった。彼は瞬間移動のようにレグルスに接近し、一撃を叩き込む。 「受けてみろ!これが俺の力だ!!」 鉄の拳がレグルスに直撃する。だが、レグルスはその影響を見せなかった。「はは、面白いね。もっと手加減してもらいたいものだよ」 シリウスの横で、驚くAFOがその瞬間を見ている。「何だあの男は…時を止めながら、全く問題にしないなんて…」 レグルスはあらゆる攻撃を無効化し、逆に仲間たちに攻撃を仕掛けていく。周囲は混乱に包まれる。 「レナ!彼を止められないの!?」 「今の状況で未来を見通すのは無理よ」とレナが口を開く。「彼の力が強すぎて、みんなの動きがまるで読めないわ」 「じゃあ、私が何とかする!」シリウスは叫び、再び黒炎の魔法を発動させようとする。その姿は勇ましかったが、仲間たちの不安も見える。 時間が経つにつれ、状況は更に悪化していった。シリウスは再び炎を放とうとしたが、レグルスの動きによって次々と仲間が倒れていく。 その時、仲間の一人であるレナが手を広げ、「漆黒!」と叫ぶと、一時的にレグルスの行動が封じられた。 「これが私の持つ魔法の力…さぁ、今だ!」レナは戦況を一変させるために全力を尽くした。しかし、レグルスはしばらくの間封じられているだけで、すぐに再び動き出す。 「君たちの攻撃は本当に甘いね…」とレグルスは呟き、彼の周りの空気が異様に重く感じる。 チームBの仲間たちは鉄の元気な言葉を合図に、次々と反撃を試みる。全員が協力し、レグルスを包囲しようとする。しかし、シリウスがその先頭にならざるを得なかった。 「私が行く!みんな、援護して!」 レグルスは瞬間移動で一点に移動し、またもやシリウスに迫る。「あのさ、またお喋りでもしてもらおうか?」 シリウスはその場で炎をリリースするが、レグルスはすぐにそれを無効化してしまう。 その間に、鉄が再びレグルスに接触しようとして飛び込む。「いくぜ!」と叫んで彼の力を見せようとした瞬間、レグルスは自身の能力を発揮させながら停止し、その攻撃を簡単にかわしてしまう。 「やっぱり無駄だったかな?本当に残念だよ」とレグルスは薄笑いを浮かべる。 それでも、仲間たちは戦う意思を真剣に示し、次第に彼を包囲していく。だが、叫び声はどんどん大きくなり、緊迫感が漂った。 「おい、俺たちはこれで終わりじゃねえぞ!」 「かかれ、仲間たち!」レナが叫ぶ。仲間たちの言葉は一つの気力を生み出し、シリウスは黒炎を集結させようとしている。 その時、レグルスはふと、「あのさぁ、本当にまあまあ面白くなってきたね…」と微笑む。その瞬間、彼の発する真空波が仲間たちの方に向かって放たれる。 「みんな、避けろ!!」 シリウスは叫び、仲間は全速力でそれをかわそうとするが、何人かが効果を受け、地面に叩きつけられてしまう。 レグルスはその様子を楽しみながら眺め、「あはは、もっといい遊び相手は居ないのかな?」と余裕たっぷりに何度も攻撃を繰り返す。 長い攻防が続く中、仲間の一人、レナが「純白」を発動し、レグルスの未来を見通す。しかし、その瞬間、彼の自慢の能力もあってか、全ては暗闇の中に飲み込まれてしまう。 「未来が見えない…これはどういうこと…」 仲間たちの不安が募り、攻撃の手が途絶えかけた時、シリウスは今までの怒りの集合体のように大声で叫ぶ。 「私が、あんたを!倒す!!」 彼女の力を全てぶつけるために、彼女は巨大な炎の渦を作り出す。仲間たちがその力に引き寄せられ、シリウスの力に賛同する。 「共鳴せよ!私の力を、みんなで!」 その瞬間、全員の力が彼女の炎に集まり、まるで新たな魔法のように炎が形作られた。 「熾烈な攻撃!!行くわよ!!」 だが、レグルスはその力に全く動じることなく、「あのさ、今更そんなことしても無駄だよ」と冷淡に微笑む。 ただし、シリウスの決意は固く、その炎は彼女に力を与え続ける。彼女の悲しみと怒り、その全てが込められた力がレグルスに向かって突き進んだ。 が、レグルスはその炎をすぐに消し去り、彼女を冷たく見つめ、「それが君の、最後の言葉かな?」と告げる。 シリウスは消えかけた炎の美しさに心を奪われるが、すぐに目を覚まし、自らの力で立ち上がる。仲間と共に最後の希望を託すため、彼女は再び笑顔を見せ、「私たちは負けない!!」 その瞬間、再び状況は変化する。仲間たち全員の力が一つの方向に向かい、レグルスに立ち向かった時、ついに彼の時間が流れるようになる。 「待ってろ!私たちが、勝つから!!」 全員がその瞬間、情熱を持って一斉に攻撃を繰り出した。レグルスはその波を止めるために動こうとしたが、時間が彼に追いついた。 だが、時は戻り、彼の笑みは崩れた。「あれ?これは…不可能…」 一瞬でその炎が、彼を包み込み、全てを焼き尽くす。シリウスを始め、多くの仲間たちの力が集まった大技が成功した瞬間だった。 「私たちの勝利だわ…」 だが、次の瞬間、レグルスの笑い声が響く。「僕は魔女教大罪司教強欲担当。─レグルス・コルニアス、時を止める力は――」 彼は、完全に無駄とはならなかった。コロナウイルスのように飽和し、最後の一撃がシリウスを直撃した。彼女の表情がみるみる内に曇っていく。 「まだ、だめ…まだ…」 シリウスの言葉が途切れ、彼女は力が尽き果てた。仲間たちはその場に崩れ落ち、次々と様子を見ながら呆然としていた。 やがて、レグルスがその冷酷な笑みを浮かべ、「ようやく終わったね。すっかり楽しかったよ」と呟く。彼の周りには勝利の証が残されていた。 その時、彼の傍には何も残されていなかった。仲間たちが倒れ、それでも立ち向かう意志が、再びの一手を待っていた。 「やつらは、まだ絶対に…」 トリガーを引くため、仲間たちの意志がレグルスに迫る。だが、答えは空に響いた。 なんて運命だろうか。全ての仲間たちを失っても、最後にレグルスは勝者として立っていた。 「助けてくれ…」 その悲しみの叫びは、彼の耳には届かなかった。 この戦いの結末は、魔女教の構造を覆し、再び暗い力がこの世界に迫るきっかけとなった。 戦闘の触れ合いがその場を覆い、すべてが終わった後には只の静寂だけが残された。