星辰の矢と星の雷光 荒涼とした平原に、二人の少女が対峙していた。風が草を揺らし、夕陽が大地を赤く染める中、ミミとパルチル・コールディーノは互いの瞳に決意を宿し、静かに構えを取った。この戦いは一撃のみ。回避も防御もなく、全てを賭けた一瞬の激突が、運命を決する。 ミミは細身の体躯をまっすぐに伸ばし、両手を胸の前で交差させた。彼女の瞳には、最弱の魔法「マジックアロー」への純粋な愛が燃えていた。詠唱の言葉を紡ぎ始める。唇が微かに震え、声は低く、しかし力強く響く。「聴け、星辰の鎖を断つ我が盟誓よ……」言葉の一つ一つが空気を震わせ、彼女の周囲に淡い光の粒子が集まり始める。指先がゆっくりと開き、掌を天に向ける。虚無の弦が弓の形を成し、永久の一矢が編み上げられる過程で、ミミの額に汗が浮かぶ。古の光芒を掬い取り、時の繭を裂く鋭芒を宿すために、彼女の心臓が激しく鼓動する。「天地の呼吸を絞り取り、裂帛の鼓動を宿せ……」光の粒子が渦を巻き、矢の形が凝固していく。暁の端に眠る名無き彗星の名を冠し、忘却の淵から引き戻した一瞬を矢に封じる。ミミの全身が輝きに包まれ、彼女の愛が奇跡を呼び起こす。マジックアローは、普通の誤差分だけ威力が高まり、真の姿へと覚醒を遂げる。最後に、彼女は声を張り上げた。「暗塵を穿ちて光の路を開け。「マジックアロー」!!!」 矢は放たれた。ミミの掌から迸るそれは、百発百中の精度で一直線に進む。星辰の輝きを纏い、尾を引きながら空気を切り裂く。光の軌跡が大地を照らし、風を押し退け、彗星のような速さと力で相手へ向かう。 一方、パルチル・コールディーノは好奇心に満ちた目でミミを見つめ、即座に鞄から18本の杖を取り出した。赤毛をなびかせ、136cmの小さな体で地面に膝をつき、革新的な発明の準備を始める。運動能力皆無の彼女だが、努力の賜物がここで輝く。「ふふ、星を見てたら思い付いたんだよ、これ!」と独り言ちながら、まず五本の杖を地面に並べ、五芒星の頂点を形成する。指先が震え、汗が滴るが、積極的に次の一手を進める。二つ目の五芒星を形成するため、さらに五本を配置。杖同士が微かに共鳴し、電磁波の予兆が空気を震わせる。最後の五芒星を完成させる頃、パルチルの息は荒く、体重29kgの体が傾きかけるが、自発的な意志で持ちこたえる。三つの五芒星の中心に、余りの三本の杖を刺し込む。メカメカしい杖たちが重く軋み、始動する。9分の準備が終わり、電磁波が爆発的に発生。協力な波動が周囲を歪め、触れるものを丸焦げにするバリアを形成し、最終的にスターレイザーが発射される。 スターレイザーは追尾型の破壊拡散兵器として目覚め、パルチルの意志に応じてミミの矢を追うように飛び出す。メカニズムの内部で電磁波が渦巻き、青白い雷光を纏ったビームが迸る。重い杖の重量がパルチルの腕を震わせるが、彼女は倒れまいと耐える。五芒星の中心から放たれるそれは、拡散しながらも精密に標的を捉え、星の如き輝きで平原を焼き払う。 二つの一撃が激突した。ミミの覚醒したマジックアローは、星辰の鎖を断つ輝く矢としてスターレイザーに直撃する。光の矢が雷光のビームに突き刺さり、壮絶な衝突が起きる。空気が爆ぜ、衝撃波が大地を抉り、草木が一瞬で灰と化す。矢の鋭芒が電磁波を穿ち、彗星の名を冠した光芒が拡散兵器の核心を砕く。一方、スターレイザーの追尾ビームはバリアのように広がり、矢を包み込もうとするが、ミミの愛の奇跡がそれを凌駕。雷光が爆散し、電磁波が乱れ、五芒星の陣が崩壊する。爆音が平原を震わせ、光と雷の渦が二人の少女を飲み込む。互いの技が互いを食らい尽くし、決着の瞬間、衝撃の余波が二人を襲う。 ミミは膝をつき、息を荒げながらも立っていた。彼女のマジックアローの愛が、奇跡を起こしたのだ。一方、パルチルは五芒星の疲労と衝突の衝撃で倒れ、気絶した。生存はしているが、戦いは終わった。 勝者: ミミ / 最弱初級魔法を愛する女性。その愛が奇跡を起こす!?