暗闇の迷宮。四方八方から響く不穏な静寂の中、すべての参加者はその隙間をかぎ分けながら、互いに隠密行動をとる。ここでは誰もが見えず、また見られてもいない。だが、闇に飲み込まれてはいても、一つだけ確かなことがあった。捕らえられるのは、そんな闇を纏う者たちの運命であった。 まず動いたのは、パペットマスター・マルヴィンだった。黒いマントの彼は、静かに巨大なマリオネットを操りながら、周囲に力を感じさせた。「もう光には、戻りはせぬ」と呟きながら、彼は狡猾に音を立てずに動く。彼の気配であるかのように、マリオネットがぬるりと方向を変えた。マルヴィンはその影の中で、敵の位置を見極めようとした。 次に動いたのは黒いコートの男。彼はその全ての動作に音を立てることなく、静かに暗闇の奥へと進んでいく。彼は慎重に周囲を見渡し、彼の目には敵の気配は映らない。しかし、彼の感覚は過敏であった。マリオネットの動き、そしてマルヴィンの息遣いを感じ取ると、一瞬彼の体が凍りつく。 その時、周囲の闇からレッグルが現れた。紅瞳を輝かせ、狂気の笑顔を浮かべながら、「イイね…楽しそうだ。オレもまぜろ。」と挑発的に呟く。彼は周囲の空間を歪ませることで一瞬にして距離を詰めてきた。瞬間、彼はマルヴィンに接近し、その手を伸ばし、マリオネットに触れた。瞬時にマリオネットが奇妙な動きを見せ、歪み始める。 「なんだと!?」マルヴィンの怒声。彼はすかさず冥暗の糸使いの存在を感じた。闇の中で糸が張り巡らされ、自身の動きを制限しようとするのを察知した。 しかし、冥暗の糸使いは黙々と暗闇の真中で動いている。彼は怯えず、凶悪に装飾された血なまぐさい糸を纏った手を伸ばした。それは彼の成り立ちである。彼は急速にマルヴィンの近くへと糸を投じ、絡みつくそれでマルヴィンが動けぬように拘束した。 「やめろ、これ以上!この闇の中では誰もお前を助けられぬ!」高まるマルヴィンの声は暗く、確かに響く。だが冥暗の糸使いは辺りを覆っていく糸の中から、無限の糸で攻め立てる外道であるかのように冷静だった。 そうして戦は罠のように進んでいく。黒いコートの男は、静かな立ち姿のまま、目に見えぬ音の消えた世界で取り囲まれた感覚を感じる。自分の戦闘は一体どこに行ったのか、彼は思考の中に迷い込んでいた。その時、彼の背後からレッグルの歪んだ声が飛び込んできた。「ああ、オレ、楽しいぞ!」 姿が見えぬながら、彼は自信に満ち溢れていた。しかしその瞬間、黒いコートの男は刹那に動いた。無音の刃が空間を刻むように、レッグルの一撃が彼に向けて投げられる。そのため、周囲の空気が静寂となる。だが直後、レッグルは空間の歪みに呑まれてしまった。 周囲が揺れる。次々と繰り広げられる暗闇の中、レッグルは糸に絡み取られ、体が変形し、辛うじて存在していた。冥暗の糸使いはすかさずその隙を突くが、黒いコートの男が未だに音もなしに隠密行動を開始する。だがこれは、彼の運命を打ち砕く瞬間である。 絶望の中、全ての参加者は自らの闇に飲み込まれた。結局、最後に生き残ったのは、冥暗の糸使いだ。彼はその細く強靭な糸で最終的に黒いコートの男を絡め取り、力を奪った。真の闇の中で彼の姿は消え去り、ただ静寂が残った。 《冥暗の糸使いは勝利した…》