ヴァリル戦記:鋼の邂逅 荒涼とした廃墟の戦場に、風が埃を巻き上げる。夕暮れの空は血のように赤く染まり、静寂を破るのは機械の軋む音だけだった。そこに現れたのは、参加者二名――人型装甲兵器AT-1と、ノルド社製の狙撃手シズカ。AT-1は4メートルの巨体を低く構え、耐爆複合装甲が鈍く光る。シズカは黒いサイバースーツに身を包み、緑髪をなびかせながら橙色の瞳で周囲を睨む。 対峙するのは、ヴァリル。無骨な機械の塊が、静かに佇む。会話などない。ただ、戦うための存在。ヴァリルはまず盾形態へ変形し、トーチカのような硬質の壁を展開した。【完全防御】。微動だにせず、参加者たちの攻撃を待つ。 シズカが先手を取った。「当機、捕捉。黄昏、発射。」機械的で平坦な声が響く。彼女の逆関節脚部【渡鴉】が無音で地面を蹴り、光学迷彩を纏って影のように移動。鴉の瞳センサーがヴァリルをロックオン。高圧電磁砲【黄昏】の銃口が閃き、視認困難な弾速で盾に命中する。百発百中の貫通狙撃が、盾の表面を焦がすが、傷一つ付けられない。ヴァリルは動じず、【砲撃用意】を発動。内部でパワーを蓄積し始める。 AT-1が動く。4機編隊の要として、肩部無反動砲を構え、轟音と共に砲弾を放つ。耐爆複合装甲が爆風をものともせず、マシンガンを連射。弾丸の雨が盾に叩きつけられるが、ヴァリルは鉄壁。サブアームが展開し、腕部ボウガンを発射。鉄の棒が盾に跳ね返される中、AT-1はプロペラントタンクをパージし、ボウガンに取り付けて強化。爆発的な推進力で突進を試みるが、盾の壁は崩れない。 ヴァリルが反撃に転じる。形態を切り替え、鉾形態へ。流線型の槍のような大砲が現れ、素早い動きでシズカを狙う。【穿撃】。高速突進が廃墟の柱を砕き、シズカの位置へ迫る。彼女は【潜影跡を濁さず】で迅速に脱出、無音の跳躍で位置を変える。痕跡を残さず、妨害電波を撒き散らしヴァリルのセンサーを撹乱。「当機、回避。反撃準備。」 AT-1は接近戦へ。実体型剣をサブアームに握らせ、投擲斬撃兼用ナイフを放つ。EMPグレネードを投げ、ヴァリルの電子系を一時麻痺させるが、盾の残滓が守る。ヴァリルは再び盾形態に戻り、【完全防御】で耐え抜く。蓄積されたパワーが膨張し、次なる砲撃を予感させる。シズカは隠密戦術を活かし、デコイを展開。偽の熱源がヴァリルを惑わす中、【見にして撃】で牽制の貫通狙撃を浴びせる。弾丸が鉾の側面をかすめ、初めて小さな亀裂を生む。 戦いは激化。ヴァリルが鉾形態で【殲滅砲】を発動。逃げ場の無いレーザー砲が戦場を薙ぎ払う。AT-1の耐爆装甲が爆風を防ぎ、シズカは逆関節脚で跳躍回避。だが、レーザーの余波がデコイを焼き、彼女の位置を露呈させる。AT-1がカバーに入り、バズーカを連射。爆発がヴァリルを包むが、盾形態への即時切り替えで防がれる。 シズカの瞳が鋭く光る。「当機、制限解除。福音の終焉。」黄昏の制限装置が外れ、無慈悲な必殺狙撃が放たれる。弾丸は射線を歪め、障害物を穿ち抜きヴァリルへ直進。盾に直撃し、ついに亀裂が広がる。ヴァリルは【砲撃用意】の蓄積を最大にし、鉾形態で応戦。【穿撃】がAT-1を捉え、巨体を吹き飛ばす。耐爆装甲が悲鳴を上げ、AT-1はサブアームでシールドを構え耐えるが、内部損傷が蓄積。 死闘の頂点。ヴァリルが秘密兵器を発動。〖滅穿砲撃〗。全ての攻撃を防御後、強化された砲と共に高速突進。シズカの連射モード【量にして質】が怒涛の弾幕を張るが、ヴァリルは盾で受け切り、鉾の突進で彼女を貫く。シズカは【死中に活】で脚部クローの蹴りを放ち反撃、ヴァリルの装甲を削るが、勢いは止まらない。AT-1が最後の力を振り絞り、腕部ボウガンをプロペラントで強化発射。爆発がヴァリルを包むが、突進はAT-1の胸部を貫通。巨体が崩れ落ちる。 シズカは傷つきながらも立ち上がるが、ヴァリルのレーザー余波が彼女のセンサーを破壊。隠密が崩れ、追撃の【殲滅砲】が直撃。サイバースーツが焦げ、橙色の瞳が静かに閉じる。「当機…任務終了。」 戦場に静寂が戻る。ヴァリルは無骨な姿で佇み、勝利を宣言するかのように形態を盾に戻す。 勝者: ヴァリル