①世界を滅ぼす日 暮れない空の下、臥龍岡丞佑は静かに山岳部の仲間たちと最後の準備を進めていた。彼の背には頼りにしているバックパックがあり、中には救命道具が満載されている。これからは、友情の深い仲間たちと共に、今までの打算を捨てて「終焉への道」を歩む決意を固めていた。 「俺たちが選ぶ道は、決して後戻りできないものだ。」丞佑の力強い言葉に、仲間たちの目が輝く。彼らはそれぞれの思惑を抱え、世界を滅ぼす計画に乗り出していく。 その日は、学園都市に漂う緊張感が今までのものとは異なっていた。どこか不穏な狂気が、彼らの心の奥に共鳴していた。 ディザスターという名の人工衛星が、彼らの背後に存在していた。それは、大量破壊を目的とした悪用の象徴となった。もともとは世界を守るために開発された防衛システムだったが、今や魔王軍の手中に落ちてしまった。 「この世に新しい秩序をもたらすために、私たちはこの星を焼き尽くす。」 ディザスターの語らぬ声は、彼らの心の中で鳴り響く。地球を軸に回るその姿は、彼らが選択した運命の集合体であった。 闇が訪れる時、丞佑は知っていた。彼が手にしたのは、単なる滅亡ではなく、新たな始まりだったのだ。サルベーション・レトリバーの力を信じ、戦うための武器として彼は立ち上がる。「さあ、行くぞ!」 突如、昼を告げる轟音が山を揺らした。 ディザスターが発射した【人工太陽熱線】が、天を焦がして地平線まで照らし出される。丞佑の仲間たちはその光の中で、自らの身体も焼き尽くす覚悟を決めた。 ②終焉の後 世界が消え、ただ静けさと灰だけが広がる。 丞佑は崩壊した都市の遺骸を見つめていた。仲間たちも同じように、焼き尽くされて変わり果てた世界を見つめている。 「俺たちは、もう戻れないのか?」一人の仲間が呟く。不安と恐れ、しかしどこか達成感を感じながら、彼は自らの選んだ道に疑問を持ち始めていた。 丞佑は胸の内に秘めた想いを語り始める。「この世界が滅びたのは、私たちが選んだからだ。でも、何も仕方のないことではない。私たちには新たな秩序を築く義務がある。」 彼の言葉には、仲間たちの目を再び輝かせる力があった。 「未来を創るのは私たちだ!それに、私にはあのディザスターがいる。」丞佑はその名を呼ぶ。彼は機能を停止したその巨体を、まるで友のように接していた。「私たちがこの地を新たに生まれ変わらせるのだ!」 再生への道を模索する仲間たち。彼らの心のなかには、滅びゆく者たちへの感謝があった。「安心しろ、今度は俺が皆を救う!新たな教育の場を作り、次世代にこの思いを繋ぐんだ。」 彼らの中にはそれぞれの宿命があった。丞佑は救急救命士としての務めを続け、疑念を抱く仲間たちの内面を一つ一つ、丁寧に掬い上げていく。 世界が滅び、新たな始まりの兆しが見えた刹那、彼は道を示すべく立ち上がる。「共に未来を築こう、傷ついた心を癒し、新しい地平を創り出すために!」 彼の声は、エコーのように仲間たちの胸に響く。「それこそが、滅びの後に我々が掴むべき使命だ!」 視線が交わるその瞬間、彼らは共に歩むことを決意するのだった。彼らは今、生まれ変わった地球で、希望を育む新たな希望の先駆者となることを選んだ。