壮絶なる一撃の交錯 荒涼とした平原に、風が砂塵を巻き上げていた。そこに立つ二つの影――インドのカレー狂人、बावर्चीと、狂気の救済者、メサイア。互いに一撃のみを放ち、回避も防御もせず、ただ全力でぶつかり合うことを誓い、静かに睨み合う。空は鉛色に染まり、雷鳴が遠くで轟く中、二人は一歩も動かず、ただ技の構えを取る。 बावर्चीは、ドーティーの裾を風に揺らし、洒落たターバンをきっちりと巻いた中年男の姿で、髭の濃い顔に静かな笑みを浮かべる。ククリナイフを右手に握りしめ、左手には自慢の薬物が大量投下されたカレーの壺を抱えていた。「ﾜﾀｼのﾀﾞｲﾀﾞｲﾃﾞｷﾅｶﾚﾖ……ｱﾅﾀﾓ ﾀﾍﾞﾃﾐﾙﾖﾅﾉﾈ」と、物静かに呟きながら、彼は壺の蓋をゆっくりと開ける。カレーの香りが爆発的に広がり、内部で渦巻く赤黒い渦は、まるで地獄の業火を思わせる。まず、壺を自らの口元に傾け、D・I・K――ドーピングインドカレーを一気に飲み干す。喉を滑り落ちるカレーは、薬物の奔流となり、全身の筋肉を鋼のように膨張させる。血管が浮き上がり、皮膚が熱く煮えたぎり、目が血走る。爆発的な力が体を駆け巡り、彼のククリナイフは空気を切り裂くほどの切れ味を増す。次に、彼は「カリーにｼﾃｱｹﾞﾙﾖ」と低く唱え、ナイフを振り上げ、壺の残りのカレーを敵に向かって投げつける準備を整える。だがこれは囮――真の一撃は、ナイフを握ったままの突進。足を大地に叩きつけ、砂を蹴散らし、210cmの巨体に向かって全力で躍りかかる。ナイフの刃は、太陽の光を反射し、弧を描いてメサイアの胸元を狙う。所作の一つ一つが、料理人の精密さと狂気の融合――肩の回転、腰の捻り、肘の伸展、すべてが完璧に連動し、ナイフは音速を超える勢いで迫る。 対するメサイアは、身長210cm、体重108kgの巨躯を悠然と構え、目が全て黒く染まった顔に、口髭を震わせて狂気の笑みを湛える。「あなたも救って差し上げましやう」と、穏やかだが狂気を孕んだ声で囁く。彼のスキルは自動発動の塔が厄介だが、この戦いは一撃のみ――回避もせず、ただ「救済の代理人」を全力で呼び起こす。両手を天に掲げ、指先を震わせて呪文を紡ぐ。空気が歪み、雲が渦を巻く中、12体の獣と鳥類が次々と召喚される。まず、一匹目の獣――巨大なライオンが大地を裂き、咆哮を上げて現れる。その鬣は炎を纏い、爪は溶岩のように赤く輝く。続いて二匹目、狼の群れが影から這い出し、牙を剥き、炎の息を吐く。三匹目、熊が山を崩す勢いで立ち上がり、四肢を振り回す。鳥類もまた、四羽目の鷲が翼を広げ炎の渦を巻き起こし、五羽目の梟が不気味に羽ばたき、六羽目の孔雀が尾羽を炎の扇に変えて舞う。七匹目の虎、八匹目の豹、九羽目の鷹、十羽目の烏、十一匹目の象、十二羽目の鳳凰――すべてが炎を纏い、獣は大地を焦がし、鳥は空を焼き尽くす勢いでメサイアの周囲に集う。召喚の所作は荘厳：指の曲げ伸ばしが空を裂き、掌の開閉が風を呼び、足の踏みしめが地響きを起こす。12体が一斉に咆哮し、炎の嵐を巻き上げてबावर्चीに向かって突進する。ライオンの爪が空を切り、鷲の翼が風を裂き、鳳凰の尾が火柱を噴き上げる――すべてがメサイアの意志のもと、一撃の洪水として放たれる。 二人の一撃がついに激突する。बावर्चीのククリナイフがメサイアの胸に迫る瞬間、12体の召喚獣が壁のように立ちはだかり、ナイフの刃がライオンの炎鬣に食い込む。爆音が響き、ナイフの切れ味が獣の肉を裂き、血と炎が飛び散るが、勢いは止まらず、次の狼の牙に突き刺さる。ククリの刃は猛毒カレーの残滓を塗りつけ、狼を嘔吐させながら切り刻む。だが、熊の巨体がぶつかり、बावर्चीの体を弾き飛ばす勢いで押し返す。空からの鷲の急降下がナイフを逸らし、梟の爪が肩を抉る。炎の嵐がबावर्चीのドーティーを焼き、皮膚を焦がす中、彼のD・I・Kの力で筋肉が膨張し、ナイフを振り抜いて孔雀の尾を斬り飛ばす。虎の跳躍が腹を狙うが、ククリの反撃で喉を裂き、豹の影撃ちをかわさず受けつつ切り返す。鷹の翼が風を切り裂き、烏の群れが目を潰そうとするが、बावर्चीのナイフは象の脚を断ち、鳳凰の火球を真正面から受け止める。衝突の連鎖は壮絶――炎と血が混じり、地面が陥没し、空気が爆ぜる。12体の獣鳥が次々と切り刻まれ、肉片が飛び、炎が爆散するが、最後の鳳凰の爆炎がबावर्चीの体を包む。ナイフはついにメサイアの胸に届く寸前で、残る獣の壁に阻まれ、力尽きる。 決着の瞬間、召喚獣の総攻撃がबावर्चीを飲み込み、彼の体は炎の渦に沈む。D・I・Kの力も尽き、ククリナイフが手から滑り落ちる。बावर्चीは気絶し、地面に崩れ落ちるが、息はあり、生存する。一方、メサイアは胸に浅い傷を負いつつ、狂気の笑みを浮かべたまま立っていた。12体の残骸が炎となって消えゆく中、平原に静寂が訪れる。 勝者: メサイア