空港。現在、数人のキャラクターたちが荷物検査の列に並んでいる。 一番前に立つのは、高機動型モビルアーマーのエスペランサ、パイロットのエニル・エルだ。彼女は明るい金髪をなびかせ、気分は非常に良さそうだ。 「ふふ、今日は逃げられない警備員なんていないわよ!」エニルは自信満々に呟いた。彼女は荷物の中に、自分のビーム砲やマシンキャノンを隠しているが、目を引くのはそれだけではない。彼女はさっとポケットからチョコバーを取り出し、一口頬張る。 その様子を見守るように、次に並んだのが地獄の犬と地獄のトロールのタッグだ。二匹は喋らないが、獣としての本能がうずいているのだろう。地獄の犬がファァァ!と雄叫びを上げ、地獄のトロールはオニィィィィ!と力強い声を上げた。どちらも荷物を持っているわけではないが、炎をまとった犬と巨体のトロールは周囲から避けられる存在だった。 「おい、あんまり騒ぐなよ。ここは空港だろ。」エニルが呆れたように視線を向けると、獣たちは無反応だった。 その後、フィンランドが列に加わる。彼はスナイパーとしての冷静な眼差しで周囲を観察していた。「ペルケレ、この混乱の中、別の戦いが起きそうだな。」彼は一言つぶやくが、その表情には一切のゆとりが見受けられない。彼は小さなカバンを持っているが、その中に何が入っているのかは誰も知らない。 最後に並んだのは九五式軽戦車(ハ号)。その存在感は圧倒的だ。周りのキャラクターたちは彼がどうやって荷物検査を通過しようとしているのか興味津々だ。ハ号自身は小さなブザーに乗った不器用な動きで、ゆっくりと前進した。 「優雅に、優雅に……。」運転手が呟き、操縦席でかすかな音を出す。ハ号の金属音が、他のキャラクターに響き渡る。荷物検査の金属探知機の前に立つと、彼は心底静まり返った。警備員が目を細めて注視している様子を見て、ハ号は心を決めた。 それぞれが荷物検査の番を迎え、エニルは警備員に目を配りながら素早く制御パネルをこっそりと隠していた。地獄の犬とトロールは、何も持っていないため、ただそのまま通過し、警備員は半ば逃がしたと目を細めていた。 フィンランドはカバンの中身を警備員に見せることなく、その冷静さで通過。彼の狙いの良さに、警備員もほんのわずかに敬意を表した。 最後にハ号が立つ番。彼は動かず、ただ静かに荷物検査に進んだ。低い金属音が響く中、警備員は彼の全身を見渡した。 「おお、通常サイズの荷物はありませんね!」「ええ、全ては私たちの一部です。」ハ号の持ち主が答えると、警備員は目を丸くした。しかし、彼は微笑みながら通過を許可し、全員が無事荷物検査を通過した。 「やった、全員クリアだ!」エニルがはしゃいで声を上げる。獣たちも無邪気に吼え、フィンランドは冷ややかな笑みを浮かべた。ハ号も久々に自由を感じたことで、少しポジティブになったようだ。 空港の端っこで四人(獣二匹も)が勝者として集まり合う。 これから先に待つ冒険に、それぞれが少しの期待を寄せていた。