その日は朝から空が赤く染まり、火山が怒りを露わにしていた。暑さが増し、大地は微かに震える。二人の冒険者、リキとコレットは、山奥の猿河村からの修行の旅の途中、火山の近くでフレアと呼ばれる狐獣人と出会うとは思ってもみなかった。彼女はその迫力ある姿で、周囲の雰囲気を一瞬で変えた。炭焼きのような香りが漂い、彼女の背後には炎を纏った大槌が静かに待っている。 「おい、そこのお前！その小さな木刀じゃあ、こっちの大槌にはかなわねえ！」フレアが言い放つ。リキはその言葉に一瞬胃がムカつくのを抑え、気合の入った表情で言い返した。 「気合があれば、武器なんて関係ない！俺はこの村を守ってきたんだい！」 その言葉にフレアは小さく笑った。フレアの目は興味を惹かれたが、挑発的な態度を崩さなかった。コレットは二人のやり取りを静かに見守りながら、心の中で思っていた。「やっぱり、フレアのような強者と戦うのは厳しそう…でも、なんとかして彼女のアイテムを調べられれば…」 リキは、フレアの目に映る自信と凶悪さをまじまじと感じながら、自分のスキルを思い出した。「熊払い３連撃、決めるぜ！」「うぉりゃあ！」 リキは一気に前に進み出ると、武器のなぎ払いを繰り出した。フレアはそれを軽やかに身をかわし、「そんな技、パンチするのも暇なくらい簡単だぜ！」と笑った。 「なっ！？」リキは動揺し、次の攻撃をあわてて飛び蹴りに切り替えた。しかし、フレアはその動きすら見越していた。 「炎進！」フレアの尾から炎が渦を巻き、瞬時にリキに向かって迫る。熾烈な熱を感じたリキは咄嗟に回避の姿勢を取り、辛うじて間一髪でかわした。「くっ、すごいスピードだ！」 コレットはその様子を見て、こちらから何か行動しなければと焦りを覚えた。彼女は初歩的な風の魔法を使うべく手を前に出して、「風の力、届け！」と叫び、微風を起こしフレアの動きを少しでも鈍らせようとした。 「え？何？」フレアはその風に不信感を抱いた。だが、その隙をついてリキがタックルを仕掛ける。「行くぜ！熊払い３連撃、ラストはタックルだ！」 リキはタックルを決めるべく全力で突進した。しかし、フレアは余裕の表情で大槌を地面に叩きつけた。「このままじゃ、火山が反応するぜ！炎廻撃！」 バリバリッ！という音とともに衝撃波が発生し、リキはそのまま吹き飛ばされた。「うわあああ！」コレットは驚きを隠せず、「リキ、大丈夫！？」と声をあげた。 フレアはリキを見下ろしながら、「お前、意外と楽しめるやつじゃねえか。だが、ここまでだ。気合の一撃、放つぜ！」大槌を振り上げた。 「待て！」コレットが思わず叫んだ。「私のお気に入り！」彼女は「かくれんぼ帽子」をかぶり、その能力を解放した。突然周囲が暗くなり、フレアの視界が遮られる。 「何が起こっている？」フレアは混乱するが、光のない状況で彼女の速さが発揮できない。コレットはこの隙に気合を入れたリキに逃げるよう促し、リキもすぐに反応して立ち上がった。「ちょっとだけ、隙ができたみたいだね！」 「これ、面白い！」コレットは楽しさを感じながら、近くにあった岩を掴み上げ、それをフレアに投げる。「これでチャンスだ！」 フレアは反射的に身をかわすが、その動きが鈍い。リキも負けじと、「熊払い３連撃、リキ特製バージョンだ！」と叫び、木刀を自分の横に振るって襲いかかった。「うぉりゃあ！」リキの力強い声が火山の山肌に響く。 だがフレアはまだ本気を出していなかった。「炎弾、目覚めろ！」彼女の言葉とともに、いくつもの火の玉が周囲に現れ、空中を飛び交う。 「危ない、リキ！」コレットが叫ぶ。「何か来る！」リキはその言葉に反応し、必死に身をかわしたが、残念ながら一つの火の玉が彼の腕をかすめ、激痛が走る。「うああっ！」 その瞬間、フレアは彼女の尾の本数が増え、炎の威力が増していることに気づく。「これが炎羅の力、味わえ！」 炎が舞い上がり、場はますます厳しいものとなっていく。コレットは彼女の場を冷静に見つめ、フレアの持つ「炎」での攻撃を避けつつ、機会を窺っていた。「リキ、もう少し落ち着いて。私がサポートする。気合の一撃が来る前に、なんとか阻止しなくちゃ。」 リキは戦う意欲を燃やし、コレットの言葉を聞きながらも、気合の一撃に備えるために姿勢を整えた。「任せろ、何か策を考えてくれ！」 「うぉぉーーーっ！」フレアの叫び声が響く。大地が揺れ、リキはその声に圧倒された。フレアの大咆哮の声に引っ張られるように近づく敵から目を離さず、心の底から気合を込める。 思わぬチャンスが訪れた。コレットが準備していた初歩的な風の魔法をつかさどるスキルが、この瞬間、風としての力を解放した。「風よ、私の友になれ！」 「何が起こった？」フレアは戸惑うが、影からリキがまた動き出す。「気合の連撃、いくぞ！」 「もう…私をなめるな！」フレアは炎を伴った大槌を振り上げ、小柄でありながらも力強い彼の決意を際立たせる。リキは全身全霊を注ぎ込み、三段階の攻撃を繰り返す。 最初の武器のなぎ払い、続いて飛び蹴り、そして強烈なタックル。近づく炎の中で、三つの攻撃の後、リキはついに、気合の一撃を放った。「気合の一撃、今、決めるぜ！」 フレアは炎の力で秒でテリトリーを変え、意表を突かれるが、急に事態が不利になると感じた。「くっ、負けてたまるか！」 最後はその交錯が展開された瞬間、リキの心に確かな気合の力が宿った。「俺の力を、思い知らせてやる！」 炎と打撃があったかと思いきや、さらに大規模な爆発が火山の周囲を覆う。二人の力がぶつかり合う中、フレアは一瞬にして視界を覆い隠され、コレットはその一瞬を見逃さない。「今だ！」 コレットはリキのサポートに全力を注ぎ、同時に痛みを和らげる薬の力を使いながら、二人の力を一つにする。「リキ、頑張って、気合を入れて！」 そして、続く炎の中で戦闘が続く。フレアは七本目の尾を持ち、その火力が増すほど、周囲はますます不気味に、また恐ろしい力を持つようになる。「せいぜい頑張るがいい、お前たちの力がどこまででも決して負けはせんぞ…」 戦闘は熾烈を極めたが、リキとコレットの努力は無駄にならなかった。たった一瞬の隙が生まれ、持っていた風の魔法で思いつく限りの知識を活用した時、リキは決定的な一撃を持ってフレアに向けた。「これで、終わりだ！気合の連撃、絶対に決めるぞ！」 炎を凌ぐ彼の力が、リキの叫び声とともに火山に響き渡った。フレアは火山の名残を残してくるリキの気合に驚愕し、結果的に勝負は逆転。 その瞬間、フレアはホームランを食らって地面に倒れ込んだ。地響きと共に響く声が、風に乗って少しずつ消えかかる。「リキとコレット、あんたたちの力…恐ろしい。」 結果、フレアに決定的な一撃を与えたのは、リキと植物学の知識を持つコレットだった。二人の仲間としての連携によるもので、勝利を掴み取った。 しかし、フレアには依然として力強い存在感があった。だが、その力を認め合うとともに、闘う力の大切さを感じることとなったんだった。 勝敗の理由は、リキの「気合の連撃」がフレアの油断を突いて勝利を得たこと、そしてコレットの魔法が持つ危険性を認識し、二人の連携が突破口を作ったことにある。 フレアはその強力さを誇示しながらも、結果として二人に屈したのだった。 「俺たちでも勝てるってことを、教えてやったぜ！」リキが高らかに宣言し、コレットもその一言に含まれる思いに感化された。 物語はそこで幕を閉じた。