アリーナの激闘:星羅 冨久 vs チハたん 白熱のアリーナは、観客の歓声で揺れていた。巨大な円形闘技場は、鋼鉄の壁と閃光の照明に囲まれ、数万の観客が息を潜めてリングを見つめている。中央の戦場は、コンクリートの地面が広がり、周囲にバリアが張られ、飛び散る破片や爆風を封じ込める設計だ。アナウンサーの声が響き渡る。「次なる対決! 超閃光の触媒少女、星羅 冨久! 対するは大日本帝国の誇り、チハたん!」 星羅 冨久は、ブカブカの学生服を纏い、リングに立っていた。襟が整ったセーラー服風の制服は、彼女の細い体に不釣り合いに大きく、まるで子供が大人の服を拝借したかのようだ。心臓部で蠢く超閃光バイオエネルギーが、彼女の肌の下で微かに光を放ち、いつ爆発するかわからない緊張感を漂わせている。彼女は静かに息を整え、相手を睨む。増殖し続けるエネルギーを溜め込み、触媒の体がそれを抑え込む限界を試す戦い――彼女のスキルは、そんな危ういバランスの上に成り立っていた。 対するチハたんは、小柄で可愛らしい少女の姿ながら、軍服を纏った凛々しい佇まいだ。九七式中戦車の擬人化として生まれた彼女は、肩に据えた主砲が威圧的で、副武装の九七式車載重機関銃が腰に下げられ、軍刀が腰に佩かれている。忠義高く、面倒見の良い性格が、戦場でも厳しい指導者の風格を醸し出す。旧式の兵器として戦線を退いた身だが、豊富な戦闘経験が彼女の目を鋭く輝かせていた。「ふん、相手はただの学生か。だが、油断は禁物だ。大和魂を見せてやる!」と、彼女は低く呟き、主砲を構える。 ゴングが鳴り響き、戦いが始まった。チハたんが先制する。軽量な機関銃を構え、連射を浴びせる。弾丸の雨が星羅に向かって降り注ぎ、アリーナの地面を火花と共に削る。「くらえ! これが帝国陸軍の洗礼だ!」チハたんの声は厳しく、仲間を指導する基地の教官のように響く。星羅は素早く身を翻し、ブカブカの制服の裾を翻して飛び上がる。彼女の超閃光エネルギーは服を貫通しない性質を生かし、服をバリアのように使いながら空中を舞う。機関銃の弾が制服の裾をかすめ、布地を焦がすが、彼女の肌には届かない。「くっ……!」星羅は歯を食いしばり、着地と同時に反撃を試みる。 星羅は服の上からガバッと制服をはだけ、首なしトンネルバーストを放つ。襟元からレーザー砲のような超閃光の電子線が、高圧力で噴出する。化学吸着と爆発力を持つエネルギーが、触媒の肌を貫通する性質で空気を切り裂き、チハたんに向かって一直線に飛ぶ。圧力効果で周囲の空気が歪み、爆風を伴う光線がチハたんの主砲をかすめる。「発射ァ!」星羅の叫びが響き、光線が地面を焦土に変える。チハたんは素早く身をかわし、軍刀を抜いて距離を詰める。近接戦闘が得意な彼女は、旧式ながら戦闘経験で星羅の動きを読み、刀身を閃かせる。「甘い! そんな光線で私を倒せるとでも?」軍刀が星羅の制服を斬りつけ、布地が裂ける音がするが、エネルギーのバリアが肌を守る。 チハたんは距離を詰め、軍刀で連続斬撃を繰り出す。星羅は後退しつつ、メスレーザーを準備する。針で穴を開けたゴム手袋を急ごしらえで着用し、手から細い切断光線を放つ。超閃光エネルギーが針の穴から絞り出され、チハたんの軍服を狙う。「これで……切る!」光線がチハたんの肩を掠め、軍服を焦がし、主砲の装甲部分に浅い傷を刻む。チハたんは痛みに顔を歪めつつも、忠義の炎を燃やす。「よくやるではないか! だが、帝国の戦車はそんなものでは止まらん!」彼女は主砲を回転させ、榴弾を発射。着弾地点に大爆発が起こり、アリーナの地面が陥没する。爆風が星羅を吹き飛ばし、彼女は制服を盾に耐えるが、体勢を崩す。 星羅はエネルギーの飽和量を超え、放出の圧力を利用して反撃。制服のボタンを銃弾のように射出する「発射ァ!」ボタンが高速で飛び、チハたんの機関銃を弾き飛ばす。チハたんは軍刀でボタンを払い除け、主砲から徹甲榴弾を放つ。貫通力は低いものの、星羅の触媒の肌に命中すれば内部で爆発し、内側から破壊するはずだ。「これで終わりだ! 大和魂の爆発を味わえ!」榴弾が星羅の肩をかすめ、肌を貫通しかける。星羅は咄嗟に飛び上がり、服の隙間から溢れ出る高圧エネルギーで弾を逸らす。エネルギーが増殖し続ける体は、限界に近づいていた。汗が滴り、心臓部の光が激しく明滅する。 戦いは白熱し、二人は互いに渡り合う。チハたんの機関銃連射が星羅を追い詰め、軍刀の斬撃が制服をさらに裂く。星羅のメスレーザーがチハたんの装甲を削り、首なしトンネルバーストが主砲を熱で歪ませる。観客の歓声が頂点に達する中、チハたんは厳しい表情で指導者のように叫ぶ。「もっと本気を出せ! 面倒見の良い先輩として、君の限界を試してやる!」彼女の戦闘経験が、星羅の予測不能なエネルギーを何度も封じる。一方、星羅はブカブカの服を活かした機動で翻弄し、エネルギーの貫通性を武器にチハたんの副武装を次々と無力化していく。 決着の瞬間が訪れた。チハたんが主砲をフルチャージし、徹甲榴弾を直撃させる。星羅は避けきれず、榴弾が触媒の肌を貫通し、内部で爆発を始める。「ぐあっ……!」星羅の体が内側から破壊され、エネルギーが暴走。だが、彼女は最後の力を振り絞り、服を半分脱いだ状態で首なしトンネルバーストを最大出力で放出。高圧の超閃光がチハたんの主砲を直撃し、旧式の装甲を貫通して内部を焼き尽くす。チハたんは「くっ……この私としたことが……!」と呻き、膝をつく。爆発の余波でアリーナが煙に包まれる。 煙が晴れた時、チハたんは主砲を失い、動けなくなっていた。星羅は傷だらけで立ち上がり、ブカブカの制服を直す。「はあ……はあ……勝った……」観客の歓声が爆発する。アナウンサーが叫ぶ。「勝者、星羅 冨久!」チハたんは厳しい目で星羅を見つめ、微笑む。「ふん、よくやったな。次はもっと厳しく指導してやるよ。」二人の戦いは、互いの個性を最大限に活かした、対等な激闘だった。