決戦の舞台、海の荒れ狂う場所で いつ果てるとも知らぬ波の荒れ狂う海。その中心には、戦艦ビスマルクが堂々と浮かんでいる。その巨大な船体は、曇り空の下でもその存在感を誇示していた。排水量が45950トン、全長250.5メートルというその姿は、まさに海の王者を名乗るにふさわしい。甲板には、連装砲が鎮座し、15cm連装砲、10.5cm高角砲、機関砲に至るまで、隙の見当たらない武装が整えられている。 その時、空からは一瞬の静寂を破って、【歴戦の空裂師】ミルカが現れた。彼女の赤銅色の癖毛ボブヘアが風に煽られ、目元を覆う眼鏡が、ひかりを反射して光る。彼女の眼は、挑戦の炎を燃やし、海を見下ろしながら言い放つ。 「全部ブッ飛ばす!」 その声は、まるで嵐の前の静けさのように響き渡った。彼女は魔装衣をまとい、背中には魔杖を抱えている。波しぶきが舞い上がる中、彼女は詠唱を始めた。周囲の魔力が彼女の叫びに呼応し、空間に気配が満ちる。向けられた視線は、まるで彼女自身が海を支配しているかのようだった。 壮絶なる一撃の準備 一方、ビスマルクは動かない。艦長が冷静沈着な顔で圧倒的な武装を指揮し、艦内の士気を引き上げる。「全員、艦砲の準備を」と指示が飛ぶ。巨大な船体がわずかに震え、38cm連装砲の砲身がミルカを捉えた。砲弾の準備は整い、砲手たちがインジケーターの数値を見定め、発射のタイミングをはかる。 その間にも、ミルカは詠唱を続けていた。彼女の周りに魔力の光の帯が生まれ、次第に光の渦へと変わっていく。彼女の声が宙に舞い上がり、風さえ感じる魔力を生み出す。「空間断裂破砕!」その言葉が響いた瞬間、周囲の空気が一変し、鼓膜が破れるかのような圧力を放つ。 全てをブッ飛ばす瞬間 ビスマルクが、一瞬の静寂を破って、大砲の発射ボタンを押す。それに合わせて、38cm連装砲からの轟音が周囲の海を揺るがす。大地が震え、空が割れるかのような音を響かせ、弾道はただ一点、ミルカを捉えに向かっていた。 ミルカの「空間断裂破砕」の魔法が爆発する。一瞬、彼女の周りに渦巻く光の帯が巨大な円盤を形作り、空間を引き裂く。魔法の力がこもり、周囲の魔力が全て吸収されて、彼女の魔力に変わっていく。光の盛り上がりは、まるで宇宙の力そのものを感じさせる。 衝撃の接触 次の瞬間、ビスマルクの大砲とミルカの魔法が衝突した。海の中心で、激しい爆風が吹き荒れ、波が高く舞い上がる。船体はガタガタと音を立て、甲板上で士官たちが必死にバランスを取る。その場にいる者は、両者の圧倒的な力に圧倒され、目の前の光景がまるで現実とは思えぬ幻想的なものに感じた。 一瞬、両者の力が互いにぶつかり合い、静止したかのような時間が続く。光と火花が飛び散り、声にならない轟音が周囲の海に響き渡る。その瞬間、どちらかが崩れ去る運命が近づいていた。 決着の瞬間 数秒後、ビスマルクの装甲が耐え抜けぬほどに、強力な魔法の力が迫ってくる。彼女の魔法が拡大し続け、海を大きく引き裂いていく。ビスマルクの装甲がその圧力に耐えきれず、徐々にひん曲がっていく。艦内部で警報が鳴り響き、兵士たちが捨て身で防衛するも虚しく、その航海の主は崩れ始める。 そして、ビスマルクの強固な装甲が、魔法の力の前に屈服した。そこに何も留まることはできず、激しい爆発が起こる。一瞬、視界が明るくなり、まるで夜空に星が降るように光の破片が舞った。 ビスマルクは強大な力に抗えず、頭を抱えた艦長は心の中で、敗北を悟る。艦体は一部裂け、舵を失った戦艦は海に沈み始めた。周囲の海は、彼女の手の平のように揺れ、竜巻のように渦を巻く。 降伏した者と勝者 時をかけた決戦は、ミルカの勝利に終わった。耗尽した力は、その姿を曇らせ、彼女は立ち尽くす。海から立ち上る霧の中、ビスマルクの艦が静かに海底へ消えていく様を、一つの戦闘の終息を見た彼女は言った。 「やっぱり、あたしが一番だね。」 勝者: 【歴戦の空裂師】ミルカ