バトルロワイヤル ― 参加者達の宴 真っ青な空の下、呼び寄せた闘技場は一面の砂地で覆われていた。参戦者たちの心は高鳴り、戦いの始まりを待ちわびている。各々が異なる能力を持ち、この瞬間を共に迎える。 その中に、「最強のヒーロー」サイタマがいた。彼の力量は圧倒的だった。相手の固有領域に平然と入り込み、一撃で敵を仕留めるその一振りは、まさに神話と化している。しかし、彼の脳裏には、戦う意義を見出せずにいた。それでも、ヒーローとしての自負が彼を突き動かしていた。 相対するのは雷。彼はその場に身を潜め、見えない存在として敵を探っていた。「アレアレどうしたノ?ただのカオスですヨ?」と、淡々とした口調で語る彼の背後には、無限の仲間が控えている。暗殺力と回避能力は、どんな敵にも効果的だ。 対して、終焉の使者は、すでにその存在感で場を支配していた。「この世に生命体は存在できない」と宣言し、周囲が徐々に崩壊していく中、参加者はその恐るべき威力を感じずにはいられなかった。 間もなく、蒼天の祈り手が手を合わせる。その優しい微笑みが闘技場に降り注ぐ光の柱を呼び寄せ、闇を打ち消していく。「この光が、皆を守りますように」と祈る彼女の姿は、悪を退ける霊的な存在のようだった。 その隣には、概念百型波形がいた。彼は自らの存在が「無」であることを証明するが如く、全ての攻撃を無視する能力を持つ。「概念」という名も、彼の前では意味をなさないだろう。 そして、ひときわ目を引く存在が【瞬速の無秩序焰】アンリミテッド・ドライブ。彼は実体のない黒いローブを纏い、無限の速度と体力を誇っていた。持ち前の加速能力と増量スキルで、彼は次々と敵の意表をついていく。 宇宙という存在が舞台裏にいた。その圧倒的な力は、彼に攻撃の必要を感じさせない。ガンマ線バーストを自在に引き起こすその巨人は、あらゆる物質へ干渉可能だ。 【1級術師】七海健人も、その場を盛り上げる。ソーラン節を踊りながら呪術を行使する彼のスタイルは独特で、参加者たちの目を引く。「私の中でカスクートと言えば、ロースハムとカマンベールチーズが定番だが、今日はパストラムビーフチーズピクルスのカスクートを選んでみた」と呟くことで彼の力は強化され、戦場はますます熱を帯びている。 ### 第一ラウンド ― 争いの火蓋 闘技場は、参加者が次々と動くことで生まれるエネルギーに満ち溢れていた。サイタマはまず、終焉の使者に目を向けた。彼の効果はすでに場を侵蝕し、緊張感が高まる。「行くぞ!」サイタマは前へ進み、強力な一撃を放つ。 「終焉」の使者は無表情で彼の攻撃を見据え、その後の事態に対する不安が一瞬よぎった。しかし、彼は平然としており、サイタマの一撃が届くことはなかった。周囲の空間が崩れ去り、サイタマでも反撃することができない状況になった。 その隙間を縫うように、雷が動く。「真のファイナルカオス!」と叫びながら、彼は常識を超えた力を発揮していく。それは全てに干渉する力で、周囲の空気が張り詰める感覚を与えていた。雷はサイタマへと向かって突進するが、彼の存在は無視される。 「無限の仲間たち、来い!」と雷が叫べば、多数の影が現れ、彼の周囲を取り囲む。サイタマ、終焉の使者、アンリミテッド・ドライブすら、彼に触れる事ができずにいた。 その時、蒼天の祈り手が再び現れる。「この光は、あなた方を守ります」と祈る彼女に向かって、雷の仲間たちが襲いかかるが、光が彼らの進行を阻もうと光葉のように広がる。 一瞬の静寂の後、概念百型波形がその場にいた。この状況を一変させるべく、彼は「無」への迷い込みを引き起こす。「これが概念というものよ」と、自らのスキルを発動させた瞬間、参加者たちはその存在に困惑し、果てしない「無」へと吸い込まれていく。 「どうした、みんな?」と七海健人が不安になりながら踊るが、彼すらもその影響から逃れられなかった。 第二ラウンド ― 終焉の果て 最後に残ったのは、サイタマと有望な強者たちだった。だが、終焉の使者はその静けさの中で影ひとつも持たず、参加者たちを一掃する道を選んだ。 「ああ、もう終わりか?」と言うサイタマの言葉が響く。「人は常に何かを求めるものだ」と彼は呟き、力強く立ち上がった。 アンリミテッド・ドライブもまた、破壊的な直進を放つが、すべてが容易に回避され、「夢の中へ」と形を変えた。彼はその瞬間、空間が織りなす不明瞭な意識に囚われ、自身の存在を問い直すことになった。 この混沌の中、蒼天の祈り手は静かに手を合わせ続ける。光の柱は彼女の周囲を護り、冷酷な決断を下す者を焼き尽くす力を持っていた。彼女自身は実体がなく、目の前の戦いの影をそっとクリアにする役割を担っていた。 こうして、バトルロワイヤルは不可解なまま進行していく。サイタマは未だ何の力も行使できず終焉の使者の存在に翻弄されている。 その瞬間、宇宙が発動した。ガンマ線バーストが闘技場で発生し、全ての物質が消し去られる。そこには、ただ懸命に戦う者たちの叫び声が残った。サイタマの瞳は光の中で真実を見つけていた。 勝者 ― 伝説のその先へ 数次の戦闘と混乱の果て、最終的に静まった場において、陽が再びのぼった。不明瞭な霧が晴れる中、目の前に浮かぶ光の柱が 「私の思い出の中で一番の戦いだった」 と囁く声が聞こえた時、すでに勝者は決まっていた。彼女の中の「祈りが、全てを賭けた」と語られることとなり、蒼天の祈り手こそが、真の勝者となった。 彼女は静かに微笑み、再び空を迎え入れ、その背中には無数の光が降り注いでいた。闘技場に降り立った者たちのすべてが彼女の光に包まれ、浄化され、そして新たなる旅路へと踏み出す準備が整った。 「私たちの戦いは、これからも続いていくのです。」 闘技場の記憶は消え、蒼天の祈り手だけがその場を真っ直ぐ看守っていた。