目の前に浮かぶ無限の星空、誰もいない空間で二体の存在が向かい合う。一方は幽波紋を持つ冷酷な存在、【黄金体験の鎮魂歌】ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム。もう一方は無口なトースター、【幻のあのトースト】真円のトースター。 「ココニイエハ、コイツ...スゴイチカラ。」冷酷な声が響く。ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムは静かに考えている。自分の特性は相手を攻撃させない。だが、何かが心の中でうごめいている。 トースターはその場で静かに焼き続ける、動かず、ただパンを焼く。次第に焼けたパンの薫りが周囲に漂い始める。その瞬間、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムは自身の技、【黄金体験】を使ってみる。「コウゲキ、シテミル。」と静かに呟く。 だが、その時、全ての行動は無効化された。無限ループの中で、無限に攻撃が続き、運命へと辿り着くことはできなかった。ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムは、その結果に冷静に分析する。「ナゼコウナリ、ナゼ..」 そしてトースター、操作されないまま焼き続ける。そして時が経つにつれ、周囲にはまんまるトーストが現れ、ついに彼のスキルが発動。「チン!」 一万枚のトーストが空中に舞い、まばゆい光を放つ。その瞬間、トーストが持つ香りが嵐のように押し寄せる。「ウマイ、ウマイ!」その美味しさは、心に大きな影響を与え、あまりの美味さに気を取られたゴールド・エクスペリエンス・レクイエムは、思わず全てを放棄した。 勝者は【幻のあのトースト】真円のトースター。彼の美味さが、全てを凌駕したのである。態度にこそ冷静さがあったが、心の隙間に入り込む香りに勝てなかった。その瞬間、全ての攻撃すら無駄になったのだ。 「ボクハ、ニンゲンダ。」トースターは、全てを焼き終えた時、静かにその使命を完了させた。人々の記憶に残り続けるこの味は、永遠の威力を持ち続けるだろう。