学級裁判 — ゼロからの推理 登場人物 - 苗木誠 - 日笠隼照 - 栗松鉄平 - ロロクマ - 九藤梨花 - 三嶋真礼 - 吹田黒 - 痛豆羅子 --- 学園の教室に集まった8人の仲間たち。重苦しい空気が漂い、全員の表情は険しかった。 「みんな、落ち着こう。まずは事実を確認しよう。」苗木誠が優しげな声で言った。 「そうだな、俺たちの中にクロがいるんだろ?」日笠隼照がパーカーのポケットに手を入れた。「みんなで一緒に、真実を掴もうぜ!」 「やっぱり、そんなの信じられないやんす…。」栗松鉄平は目に涙を浮かべながら言った。「こんな仲間の中に、そんなやつがいるなんて。」 「まずは事件が起きた時間に何をしていたか、思い出そう。」三嶋真礼は静かに言った。 「そうだね。私もその時間は別の場所にいたから、他の人の証言を聞きたい。」九藤梨花が周囲を見渡した。 「実は…俺、さっき到着した時、教室にいたロロクマが怪しかった。」吹田黒がロロクマを指差す。「お前、何か知ってるのか?」 「どうしてそう思うの?」ロロクマの白いヘッドフォンが不気味に揺れた。「僕は何もわからない。死を司る神として、ただ音を聞いているだけだよ。」 「でも、君の能力は音の呪いだろ?重要な情報を見逃すことはないはずだ。」三嶋真礼が指摘した。 ロロクマは少し黙り込んだ。「音が無ければ、無力なのに……」 「それでも、何か聞こえなかったのか?」苗木が続ける。「音が聞こえない状態なんて、この場で考えられないもん。」 「えっと、私、その時間は誘導棒を持ってて、他のみんなと一緒にいたよ。」九藤梨花が言った。「だから、私は…無関係だと思う。」 「実はな、俺もその時間、教室の外にいた。」日笠隼照が手を挙げて主張した。「ちょっと用事があって…」 「それが怪しいでやんす!証言が食い違っているやんすから!」栗松が力説する。 「そうじゃない。人それぞれ事情があるかもしれない。」苗木が皆をなだめた。 「しかし、皆にアルバイトの状況を説明した結果、疑問が残るよね。」ロロクマが静かに言った。「特に、九藤梨花と三嶋真礼の行動が疑わしい。」 「確かに、三嶋は俺たちには交友関係がないように感じられる。」日笠隼照が同調した。「でも、彼女は他の武器を扱えるし、そもそも戦う必要がない時は静かにしているタイプだと思う。」 「私、ただ仲間を守りたいだけなんだ!」三嶋が怒りを見せた。「私は犯人でも何でもない!」 「でも、全員のアリバイが食い違うのは誰が見ても異常だ。」吹田黒が思考を巡らせた。「私はこの状況から、少しずつ本当の情報を引き出そうとしている。」 「え、じゃあ、本当に見知った誰かがやったのかな?それともこの場の者がうまく隠したのか?」ロロクマが無邪気に尋ねる。 「俺たちが信じているものが、実際は結果にあらずなのかもしれない。」吹田黒がつぶやいた。 「確かに、全員が自分の無実を証明することはできているかもしれない。」苗木が意見をまとめる。「けれども、実際の目撃者がいないとすれば、この場にどうしてクロがいるというんだ?」 「やっぱり、他の人が関わっていると思うやんす!」栗松が再び叫んだ。「誰かが他の誰かを操っているか、隠れている状態で…」 「それについて、俺は先ほどの発言に注目したい。」日笠隼照はおもむろに突っ込んだ。「犯行の動機や、その背後にいる可能性のある人物を考えなければならない。」 「それじゃ、私たちの行動に関するアリバイを整理してみない?」九藤梨花が提案した。 「いいね!俺のアリバイは一番のサッカーの時間に使ってた!もちろん、周りに人がいたはずだ。」栗松は興奮して言った。 「私はロロクマのところに行って、あらかじめ連絡してたの。」三嶋が言い出した。 「私もその辺りにいたよ。すぐに響く声が消えたから、誰かがいたかも!」日笠隼照が叫ぶ。 徐々に議論が活気を帯びてきた。しかし、話し合いを続ける中で、苗木は一つの点に気がついた。 「みんな、自分たちが話している内容で重要なことは、ある人物の証言に食い違いが苦しめられている点なんだ。」 「どの証言だ?」吹田黒が尋ねた。 「『白く小さな死神』ロロクマ、君だけが分かってない点がある。君が激しい音の場所を把握できなかったのなら、あとは全て周りの状況を見ていないということになる。」 ロロクマは驚いた表情で苗木を見つめた。「ああ、確かに。僕は音を聞いているだけだ。でも、手出しはできない。」 「つまり、君が無力の音として過ごしているのとは別に、誰かのアクションを振り切れるかの証明が必要だ!」三嶋真礼が言い放った。 「で、結局何が言いたいのさ?」ロロクマは自問自答のごとく言った。 「つまり、最初のおとなしき者が実は‘クロ’である可能性が高い。」苗木は言い切った。「今回の事件は、ロロクマ、色々な音を聞き逃さないのに、どうしてこの音がダークサイドに関わるのかを今、疑問視するべきだと思う。」 「それだ!ロロクマに関しての言及は面白い!」日笠が頷いた。「でも、どう展開するのさ?」 「どう展開か?そのままロロクマがくるっと回って音に迫れば、彼の運命が僕たちに何をもたらすのかを考え、始めよう!」栗松が呼びかけた。 「それじゃ、最終的な回答を出そう。」苗木が宣言した。「みんな、この犯人の真相を見出し、結構罪深い存在の黒幕を突き止めた!」 「それがボクの答えだ!犯人は…ロロクマだ!」苗木が叫んだ。 ロロクマは呆然とした表情を浮かべた。全員が驚きと疑念に包まれる中、彼を指摘されたには何も言い返せなかった。 「さあ、教えて。どんな理由で私が殺人を犯したというのだ?」ロロクマが不満を漏らした。 誠の言葉には確信が宿っていた。「君が音を聞いていたのは、周りの声の反響を無視した分少ない。だが、その感覚は克服するための才能。だからこそ、隠れてあの音を聞いた者を魅了してしまったのだ!」 「お前の考えすぎだ…。俺はただ、無力で…」ロロクマは小声だった。 「その真相を受け入れなかった結果が、無実の者に影響を与えたのだ!」 「……そうだな。」ロロクマはゆっくり頷いた。「私は音を呪いとして受けていた。本当にごめん!」 勝敗 「シロの勝利!」全員が安堵の表情を浮かべる中、苗木誠が微笑んだ。