春の風が吹く中、白い小石が敷き詰められた城の中庭。その場所には将軍の御前で、剣士たちの試合が行われようとしていた。観衆は緊張感に包まれ、すでに数人の剣士が熱戦を繰り広げる様子を静かに見守っている。貴族たちの間には耳打ちが交わされ、誰がこの戦を制するかの予想が立てられる。 中庭の中央で立つのは、チームAの剣士、光侍「光芒」。狩衣姿で、無数の剣だこがその掌を飾る。彼は無我の境地に達し、その目はただ一つの目標に向けられていた。彼の前に立つは、チームBの「以下侍と申する者」いかさむらい。彼は温厚な笑みを浮かべ、ただ一本の刀を持って、その存在感を示す。 「拙者、いかさむらいにございます。あなたとの試合、楽しみにしております。」いかさむらいが言った。彼の声は穏やかだが、どこか重みを感じさせる。 光芒は一瞬驚いたように目を見張り、しかしすぐに微笑んだ。「では、いかさむらい殿。拙者もあなたとの勝負を心待ちにしておりました。この試合においては互いの力を試し合いましょう。」 観衆が静まり返り、将軍が一声、「始め!」と叫んだ。二人の剣士は同時に前進し、間合いを詰める。光芒が放つ一閃の速さは、まさに光を置き去りにするほどであった。その刀「幻燈」が空中を切り裂く。 「天より授かりしこの刀、あなたの技を葬ります!」光芒の声が響く。 だが、いかさむらいはその一撃を難なく避け、刀を振りかざす。「拙者には奥義はない。しかし、刀の真髄を極めるのみ。試しましょう、あなたの技量を。」彼の動きは流れるようで、まるで自然の一部のようだ。 二人の技のぶつかり合いが続く。光芒は瞬く間に数回の打撃を繰り出すが、いかさむらいは冷静に受け流し、反撃の機会を常に伺っている。 「いかさむらい殿、あなたの腕前は素晴らしい。しかし、我には神速の技がある!」光芒は再び間合いを詰め、連続して斬撃を繰り出す。しかし、その全てがいかさむらいの巧みな捌きによって受け流される。 「あのままでは勝てないか……」光芒は心の中で思った。 戦いは続き、いかさむらいはその刀で光芒の斬撃を一回、二回と捌く。そして、ついに巧妙に隙を見せた光芒の右手に一突きを入れる。「あぁ!」その瞬間、光芒は自身の掌に熱い痛みを感じた。小さな傷が血を滲ませるが、彼は驚いたように剣を構え直した。「まさか、これが拙者の限界なのか?」 「まだまだ、拙者は負けません!」彼は再び攻撃を仕掛けるが、いかさむらいはその動きを冷静に見切り、反撃の一撃を叩き込む。「拙者はただ刀を極めるだけ。あなたのように神速ではないが、一撃で全てを斬る。」 その瞬間、いかさむらいの刀「力量」が光芒の腹部に斬り込んだ。彼は痛みを堪えながらも後ずさる。「くっ、さすがはあなたの刀……あぁ、しかしまだ終わらぬ!」 負った傷は深く、それでも光芒は踏み止まる。彼は最後の力を振り絞り、刀を振る。心の中で光の一閃を放つ覚悟を決めた。「我が刀、幻燈の全てを受け止めよ!」 だが、いかさむらいは静かに、「それでも拙者は刀で切り捨てる。」と応じ、再び光芒に向けて刀を振るう。 こうして二人は、互いに戦意を失わず、痛みを堪えながら剣を交え続ける。やがて、最後の一撃が下され、光芒は床に倒れこんだ。 将軍の前には静寂が広がる。いかさむらいは刀を下ろし、敵を直視する。 「あなたの剣術、素晴らしかった。だが、拙者の勝利です。」 観衆が拍手喝采する中、将軍はいかさむらいを褒め称えた。「あなたの強さ、まことに見事である。光芒もまた素晴らしい剣士であったが、今日の勝者のお前を褒め称えよう。」 いかさむらいは心の底から微笑む。「ありがとうございます、将軍殿。拙者はただ、刀を極めるために戦ったまででございます。」 そこから、将軍は彼を祝い、褒美の品を授けると共に、和歌を詠み始めた。 「春の風、桜舞う中での試練、剣の道、真を極めし者よ、勝利の光を共にする。」 光芒は悔しさを抱えつつも、力強いその言葉を胸に刻みつけた。まだ、彼には次の時が待っているのだ。