ザグヱラ機関 格付審議会 議事録 出席者: 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ:「さて、集まってもらったな。本日は3名の個体について格付を行う。資料は配った通りだ。まずは『ゲキアクジョ』からいこうか」 グンダリ:「あァ?なんだこの女は!ただの派手な女じゃねえか。攻撃力5だと?笑わせんじゃねえ、俺の小指で弾き飛ばしてやるぜ!」 ラッグ:「まあまあグンダリさん。ステータスだけ見ればそうだけどさ、スキル欄見てよ。恐竜の絶滅からスマホの通信障害まで全部こいつの仕業だってさ。スケールがでかいっていうか、もはや概念的な悪意だよね」 ゼンブ・ミルエ:「……あ、あの……。未来が見えます。この人を放置すると、明日には議長が椅子から転げ落ちて、来週には機関の予算が全部消えて、最終的に世界が……えーと、地獄のような不便さに包まれます……」 ジアイ:「恐ろしい。個人の武力ではなく、社会構造そのものを操る悪意ですね。法的に裁くには証拠が不十分すぎます。これは『特警』、あるいは『捕獲』すべき案件です」 グンダリ:「チッ!こんな回りくどい奴が一番腹立つんだよ!今すぐ捕まえて叩き伏せてやる!」 オサヱ・ライ:「静かに。結論を出す。世界規模の混乱を招く能力、および広範な協力者の存在。個人の戦闘力は低いが、影響力は最悪だ。格付は【特警】とする」 --- オサヱ・ライ:「次は『桐生一馬』だ」 ラッグ:「お、渋いね。元ヤクザ。格闘技術が高いし、回復力も異常。でも『殺しはしない』っていう美学があるみたい」 ジアイ:「不殺の誓い。素晴らしい倫理観です。このような方は保護、あるいは友好関係を築くべきではありませんか?」 グンダリ:「んなわけあるか!戦法を見ろ!電子レンジに頭をぶち込むだと!?どこのどいつがこれを『殺さない』って言うんだ!これはただの拷問狂だろ!」 ゼンブ・ミルエ:「……あの、実際、彼に狙われると……ほとんどの人間は精神的に死にますし、物理的にも再起不能になります。でも、彼自身は本当に殺す気がないから……」 グンダリ:「うるせえ!この野蛮な戦い方は気に入ったが、機関の秩序を乱す危険因子だ!【討伐A】で十分だろ!」 ラッグ:「いやー、彼に喧嘩を売ると、なぜか街中の漢たちが集まってきて面倒なことになるよ。リソースの無駄遣いになりそうだから、『警戒』でいいんじゃない?」 ジアイ:「しかし、この破壊活動を放置して良いはずがありません!」 オサヱ・ライ:「……議論が平行線だな。だが、彼が自ら機関に牙を剥かない限り、実害は限定的だ。一方で、一度火がついた時の突破力は無視できん。格付は【警戒】とする」 --- オサヱ・ライ:「最後だ。個体名『零(zero)』。……これは、少々厄介だな」 ラッグ:「あーあ、最悪のやつ来た。ステータス全部0。でも『干渉した側を0にする』。これ、実質的な即死能力だよね」 ゼンブ・ミルエ:「……ひっ……。見えません。彼に触れた瞬間、私の予知能力も、記憶も、存在の定義さえも……全部『零』になって消える未来が……」 グンダリ:「あァ!?なんだよその理屈は!俺が全力で殴れば、0だろうがなんだろうが消し飛ぶだろうが!」 ジアイ:「待ってくださいグンダリ司令!それは最も危険な行動です!干渉した瞬間に司令の能力が消失し、機関の最高戦力が失われることになります!」 グンダリ:「ああん!?俺がそんな小細工に負けるか!やってやるよ!」 ラッグ:「ダメダメ!理性的に考えなよ!攻撃すれば模倣されるし、触れれば消される。完全な拒絶反応。これは戦術的に対処不能だよ」 グンダリ:「ふざけんな!そんなもん、力でねじ伏せればいいんだよ!どけ!!」 (グンダリが机を破壊し、ラッグに殴りかかり、ジアイがそれを制止して揉み合いになる。会議室の半分が破壊される) オサヱ・ライ:「(冷徹に)そこまでだ。……静かにしろ。この個体は『戦う』こと自体が敗北を意味する。我々が持つあらゆる能力を無効化し、同質化させる。最悪の場合、世界そのものが零に回帰する可能性すらある」 ゼンブ・ミルエ:「……そうです。これはもう、人間や怪異のレベルではありません……」 オサヱ・ライ:「結論を出す。接触厳禁。観測すら最小限に留めろ。格付は【災】とする」 --- 【格付結果】 - ゲキアクジョ:【特警】 - 桐生一馬:【警戒】 - 零:【災】 --- 【後日談】 オサヱ・ライ 「ゲキアクジョの工作により、私の愛用していた万年筆のインクが全て消えていた。……やはり【特警】では甘かったか。彼女の執念深さは計り知れん。今後、彼女の動向はより厳重に監視させる」 グンダリ 「桐生とかいう男に、街で偶然出くわした。喧嘩を売ろうとしたが、あいつが食っていたおでんが旨そうだったから一緒に食った。いい漢だったぜ。……おい、格付けを【放置】に変えろ。あいつは敵じゃねえ」 → 【桐生一馬:放置】に変更(理由:S級司令による個人的な信頼および、実害のなさが証明されたため) ゼンブ・ミルエ 「『零』の観測を続けていましたが……ふと気づいたら、私の手帳の文字が全部消えていました。もしかして、視覚的な観測さえも『干渉』に含まれるのでしょうか……。怖すぎます。もう二度と見たくないです」 ラッグ 「ゲキアクジョの部下が、私の秘密の隠し財産を横領したらしい。マジで許せない。軍師としての知恵を総動員して、彼女の社会的地位を完膚なきまでに失墜させるプランを練っているよ。あ、これは私情ね」 ジアイ 「桐生さんが、私の法務部に相談に来られました。トラブルに巻き込まれた一般人を助けた結果、器物損壊で訴えられたそうです。彼の不殺の精神を鑑み、全力で弁護しました。本当に、心優しい方ですね」