①世界を滅ぼす日 眩い光が大地を包み込み、空には暗雲が立ち込めていた。その日、空虚な電子ヴォートはどこか冷静に、その様子を眺めていた。彼はウィンドウのように目を隠した青年であり、静かに笑みを浮かべていた。だが、彼の心の中には多くの思惑が渦巻いていた。 「こんな世界に、目的なんて必要かい?」 彼は常に達観した視点を持っていた。この世界の人々は、もはや意味を失い、ただ生きることに精一杯だった。彼のスキル【Imitation】を活かし、敵に幸せな幻灯を見せることで、彼らの戦闘意欲を削いできたが、それでも終わりが見えない現実は、彼の心を消耗させていた。 一方、キング・ドッグキラーはその存在自体が恐怖の象徴だった。30メートルの巨大な体で、敵を脅かし続ける彼には、知能と攻撃力、防御力が圧倒的だった。かつての彼は異形の生物に寄生し、他者を吸収して生きる存在となった。彼は言葉を話さなかったが、なによりも理解していたのは、支配と破壊の狭間で高らかに笑うことだった。 その日、ヴォートは彼にコンタクトを取った。 「キング・ドッグキラー、私たちの目標は同じだ。世界を滅ぼすこと。」 ジャラジャラという音が響く中、キング・ドッグキラーは小さくうなずく。 「倒さなければならない者が多すぎる。だが、もう手を貸す準備はできている。」 彼の意思は揺るがなかった。 2人の目的は明確だった。この世界を消し去り、次のものを生み出すこと。それは彼らにとっての義務のようでもあり、欲求のようでもあった。 ②終焉の後 世界が崩れ、彼らの手で全てが消え去ると、静寂が訪れた。残されたのは灰色の大地と、不気味な静けさ。 ヴォートは冷たい風に吹かれながら、歩みを進めた。 「終わったのか。」彼は呟く。 傍らには、キング・ドッグキラーがその巨体を横たえ、彼の存在を強く主張していた。 「全てはでかい幻。この世界が憎いから、消し去った。」 ドッグキラーの低いうなり声が響いた。彼の存在蒐集の本能は満たされたが、虚しさもまた抱えていたかのように見えた。 「だが、私たちの心には何が残ったのだろう。」 ヴォートは呟いた。自らの選択に悔いはなかったが、心のどこかで喪失感が広がる。 「新たな世界を作ることもできる。」 言葉を発した途端、彼内に渦巻いていた希望の光が一瞬、滲んだ。 「ならば、再構築しなければならない。それが我々の使命だ。」 キング・ドッグキラーはおおきな頭を揺らし、意志を伝えた。それは、これからどう生きていくのかを問いかける瞬間でもあった。 「私たちは破壊者だ。そして、創造者にもなり得る。しかし、まだ一つ、真の目的を見失わないように。」 ヴォートは微笑を浮かべ、未来を見つめた。彼らには、これからどんな選択肢が待っているのだろうか。 そこから二人は新しい旅を始めようと決意した。時には黒として、時には白として、この空虚な世界を、新たな意義で染め直すために。 世界を滅ぼした者たちの背中には、今、新たな光が差し込んでいた。