墜落する飛行機の中、室内は激しい揺れに包まれ、キャビンの隅々で緊張が高まっていた。パラシュートはたった一つ、争奪戦の火蓋が切られるのも時間の問題だった。そこで、バックコックを決めたのは、気だるげな表情の少女、ナルだった。 「ういーす…((〃´д`〃))」と、口元のマスク越しに小声で呟く彼女は、両手をポケットに突っ込んでいるが、その身体能力は恐ろしいほどのものだった。彼女は独学で習得した『ムエタイ』の技を見せつける準備を整えていた。 その姿を見逃すまいと、空中に浮かぶDJロボット、古神官ホップはハイテンションで実況し始めた。「レディースアンドジェントルメン!実況はワタクシ古神官ホップです!今回は、パラシュートを賭けた激闘が巻き起こります!」 ホップの体から音楽が流れ始めると、乗客たちの意気込みが高まっていく。ナルも、不敵な笑みを浮かべながら彼のムードアッパーに乗っかる。「まぁ、どうにでもなれ…」と呟きつつ、彼女の脚が素早く動く。 一方、灼熱の存在、世界樹がその根を広げ始めた。「自然に敵は居てはならぬ。」と、自身の存在を守るために生じる自然の援軍が彼女たちの前に立ちはだかると、ナルは少し肩をすくめた。「ちょっと、鬱陶しいよ?」 それから、急に静けさが訪れた。飛行機の中がどよめき、世界樹を攻撃した者が居れば、その瞬間、全ての自然がただちに反応する。その力強さに圧倒されそうなナルだったが、彼女は冷静さを保ち、「脚だけしか使わないけど、負ける気はないからね。」と力強く告げた。 次に、未知の存在が現れた。彼の正体は不明だが、圧倒的な能力を持っていた。「お前たち、これでは…」彼は威嚇の一瞬で空気を変え、周囲の心が折れそうになる。ホップもその様子に驚き、「彼は…一体何者だ?」と唖然としていた。 ナルはそんな空気には負けず、彼へと向かって駆け出し、飛び蹴りを放つ。が、圧倒的な力の前に彼女の攻撃は無情にも弾かれた。「全然効かないね。」不明な存在が冷ややかに笑う。しかし、思わぬ反応が起きた。世界樹が、根を使いナルを支援し、彼女の機敏さがそれによって引き上げられた。 ホップは絶叫する。「ナルが輝いている!」「これは明らかに世界樹の力か!」荷物が周りですすり合う中で、ナルは再度アプローチを試みる。今度は連続でのフックキックを仕掛け、勢いのある攻撃で不明な存在に向かうものの、空間が揺れ動き、思わぬ力が襲いかかる。 不明とナルの間で、高速で行われる攻防が続き、周りではホップのDJモードがさらにその戦闘を盛り上げる。音楽のリズムに合わせて、ナルは動き続け、次第に周囲の自然も彼女を支持するかのように溢れてくる。不明の牙城に迫る。 「これで決めてやる…!」とナルが声を張り上げると、不明な存在が彼女の意志を凌駕するかのように揺るぎない姿勢で迎え撃つ。「何をしても無駄だ。」その瞬間、爆音と共に不明な存在が見せた力の前にナルは立ち尽くした、そして次の瞬間、全てが静まり返る。 その静寂の中で、ナルは脚を高く振り上げ、再度挑戦した。足技の真髄を見せるかのように、前蹴りを繰り出した瞬間、風が巻き起こり、彼女の力が周囲のリズムと合致した。「ワタクシは…勝たせてもらいます!」 ホップの音が加速し、DJモードから飛びぬけた瞬間、ナルを促し、襲いかかる自然と共に不明へと一撃を下した。彼女のムエタイが生きる! 敵の防御が崩れ、そこから生まれるチャンス、ナルは躊躇なくパラシュートを手に入れ、機内の出口に向かう。「これ、使わせてもらうから…」と独り言。そして、パラシュートを装着して、脱出の準備を進める。 ナルは爪先立ちで、最後の微妙なバランスを取りながら飛び立った。飛行機はさらに急下降を続け、彼女の周りにはかつてない風が吹き込み、彼女は坠落の恐怖をものともせず、飛び立つ。その背後に広がる飛行機の残影が、彼女の勇気を代弁するように響いていた。