賑やかで喧騒に満ちた「アバリテ・アーケード」。全長200メートルに及ぶその空間は、レトロなレンガ造りの外観に反し、内部はサイバーパンクなネオン看板と、中世ファンタジーの露店が混沌と混ざり合う、まさに「世界の縮図」のような場所だった。 「おーっほっほ! 見てくださいまし、この活気! 朕はこういう賑やかな場所が大好きですわ!」 エントラが軍服の裾を翻し、金色の瞳を輝かせて先頭を歩く。その後ろを、気だるげに歩く半月、興味津々で飛び跳ねるアルファちゃん、そして能天気な顔で歩くMURが続いていた。 「……はぁ。人が多すぎる。疲れそう」 半月が猫耳をぴくりと動かし、溜息をつく。しかし、その視線は店先に並ぶアンティークな雑貨に密かに惹かれていた。 「わぁぁ! ねえ見て見て! あの店、空飛ぶお菓子が売ってるよ! すごい! 楽しい! 全部欲しいっ!」 アルファちゃんが身を乗り出して叫ぶ。彼女の好奇心はすでに限界突破していた。 「そうだよ! 全部買おうゾ!」 MURがいつもの調子で便乗する。彼には特に目的はないが、場の空気に合わせて全力で乗っかるのが彼のスタイルだ。 一行がまず足を止めたのは、エントラの目に留まった『超次元・軍事兵器ショールーム』。最新のSF兵器から伝説の聖剣までが「組合価格」で並んでいた。 「あら、あちらの狙撃銃のパーツ、朕のスターライファスに適合しそうですわね。店主さん、この超高密度エネルギー結晶をくださいまし」 エントラは経営学の視点から、その商品のコストパフォーマンスが異常に高いことを見抜いていた。彼女にとって、この程度の買い物は誤差のようなものだ。支払いは当然、底なしの資産からスマート決済で一瞬にして完了した。 一方、アルファちゃんは『異世界の快楽・体験店』という怪しげな店に吸い寄せられていた。 「えっ!? 『全力で殴られて快感を得る特製スーツ』!? 安い! 安すぎる! 買わなきゃ!」 「……おい、正気かよ」 半月が呆れてツッコミを入れるが、アルファちゃんは既にレジに向かっている。 「あ、でもお金が……。店員さん! お金ないから、身体で払ってもいいかな!?」 朗らかに言い放つアルファちゃんに、店員は慣れた様子で「うちは組合規定で現金か電子決済のみです」と冷たくあしらった。 すると、隣で見ていたMURが「そうだよ! 身体で払おうゾ!」と便乗して同じポーズを決めたため、店員は激しく困惑し、半月に「頼むからこいつらを止めてくれ」と懇願された。 半月は逃げるように、路地裏にある『古書と灯火の店』へ入った。そこには、彼のランタンに合うであろう、蒼い炎を増幅させる特殊なオイルが売られていた。 「……これくらいなら、いいか」 彼は自覚のない裕福さと、少しの霊的な直感で、本当に必要だと思うものだけを慎重に選んだ。しかし、隣から「これもいいゾ!」「あれも欲しいですわ!」という強烈な消費欲求の嵐が吹き荒れていた。 アーケードの出口が見えてくる頃、一行の様子は一変していた。 アルファちゃんはエントラに「お願い! これだけは!」とせがみ、いくつか買い物をさせてもらっていた。MURはなぜか「特製・宇宙最高級ラーメンセット」を大量に抱え込んでいた。 そして、ついに彼らは出口へ辿り着いた。 【アバリテ・アーケード 買い物精算リスト】 ■エントラ ・スターライファス用・超高密度エネルギー結晶:5,000,000G ・帝国風・最高級シルクの予備軍服(3着):300,000G ・途中で見かけたホームレスに配るための高級炊き出しセット×100人分:1,000,000G 支払総額:6,300,000G (決済方法:個人口座。資金が無尽蔵なため、余裕の表情で決済) ■半月 ・蒼炎増幅用・特製精製オイル:15,000G ・アンティークな猫耳用ヘアピン:2,000G 支払総額:17,000G (決済方法:電子マネー。強い意志で不要なものを切り捨て、予算内で収めた) ■アルファちゃん ・快感増幅特製スーツ(Mサイズ):50,000G ・超激辛・破滅の果実キャンディ:5,000G ・(エントラが「可愛いから」と奢ってくれた)フリル付きのドレス:100,000G 支払総額:155,000G(実質負担:55,000G) (決済方法:旅の途中でかき集めた小銭とエントラの奢り。ほぼ一文無しまで使い切った) ■MUR ・特製・宇宙最高級ラーメンセット(100食分):200,000G ・迫真空手用・金盛り帯:50,000G ・(エントラが「面白いから」と奢ってくれた)巨大な金色の置物:300,000G 支払総額:550,000G(実質負担:250,000G) (決済方法:貯金。便乗しすぎた結果、財布の中身がかなり軽くなった) 「ふぅ、良い買い物をしましたわ! 経済が回るというのは素晴らしいことですわね!」 満足げに微笑むエントラ。その横で、空っぽの財布を眺めながらも、幸せそうにキャンディを舐めるアルファちゃんがいた。 アルファちゃんの感想: 「えへへ〜! お金はなくなっちゃったけど、あのお店のスーツ、早く試してみたいなぁ! エントラちゃんが奢ってくれたドレスもふわふわして最高! 次はどんな楽しいことが起きるかなぁっ!」