樹海の中央に広がる平原。そこは長い冬の日差しが差し込み、時折薄暗い雲が流れ込む場所だった。肉体を持たぬ存在が交錯する空間の中に、勝利と敗北の響きが響こうとしていた。 真っ白な霧が立ちこめる中、崇高なる現世に腐蝕を告げてVeN.Xが姿を現した。彼は銅の大鎌『腐悔の情』を携え、その半面型ガスマスクの向こうから不気味に笑みを浮かべる。彼の周囲には、生命を喰らう猛毒の気配が漂い、その影響を受ける者にとってはまさに死神の到来を告げる鬼気迫る圧力であった。 対峙する存在は、『神』を詐称する最高権力者Ravenだった。彼は黒スーツの姿に、白髪の仮面をかぶって笑みを浮かべて言う。「やあ、久しいね。あれ?覚えてないの?」その声は明るく、彼の楽観的な態度はまるで周囲の緊張感を打ち消そうとしているようにも見えた。 「腐蝕の香り、それは廃れた異端の兆しだ。」VeN.Xが静かに呟くと、銅鎌が空を切って振るわれる。 大鎌が振るわれるたび、緑青色の猛毒が広がっていく。蓄積された猛毒が空気に溶け込み、VeN.X周囲に禁断の霧を招き寄せた。濃霧は、神経を麻痺させ、Ravenの動きを封じ込めようとする。だが、Ravenは楽しむかの様に笑みを保ち続けた。 「いや、その辺で毒はやめようか!眷属、行ってきて!」Ravenの指示により、彼の背後から四体の眷属が召喚される。彼らはそれぞれ異なる姿を持つ生物で、邪悪なエネルギーを宿し、VeN.Xに向かって突進する。彼らの姿は瞬時にVeN.Xに迫り、その身を惑わす。しかし、VeN.Xは冷静に対処する。これ以上の濃霧を発生させるために大鎌を素早く振るう。 「骸恐腐蝕!」VeN.Xが叫ぶと、巨大な毒の霧が発生し、その濃さによって眷属たちはすぐに足元を失う。神経を麻痺させる猛毒は、それぞれの眷属をじわじわと腐蝕していく。それでもRavenは焦ることはない。彼はただ観戦しているだけで、眷属たちの行動を見守る。 「頑張れ!お前たち、もっと本気を見せてくれ!」Ravenは明るい声ながらも期待をする。が、VeN.Xはその隙を突いて次の技を放つ。「腐刃来訪!」 VeN.Xの大鎌が振られ、無音の中に一瞬の閃光が走った。眷属たちの急成長は一瞬の隙を持たされ、致命的な一撃が命中する。恐ろしい毒が蔓延し、眷属は崩れていく。しかしRavenは開放的な覇気を失わず、自身の権能を使い、残る眷属に命令を出す。 「お前たち、協力してあの男に立ち向かうんだ!さあ!」彼の言葉に応じて、残った眷属たちは一つの方向に集まり、VeN.Xへの攻撃を行う。VeN.Xも大鎌を振るうが、そのタイミングを外され、辛うじて攻撃を避ける。 霧の中でVeN.Xは自身の体に浸透する神経麻痺を感じた。一瞬、彼の思考が滞る。「異端を嗤う死神!」VeN.Xの叫び声が、声を耳にしたすべてを震えさせる。蓄積した猛毒が頭に響き渡り、Ravenの眷属たちの神経を停止させていく。Ravenの眷属は一人、また一人と倒れて行く。 しかしRavenはそれを見逃さない。「さあ、いよいよ本気を見せるときだ!」彼の後ろから巨大な影が現れる。 「お前の毒も無駄が多いな。?」Ravenが淡々と呟き、彼の周りに集まる眷属が、VeN.Xに向かって立ち去る。神経が侵されながらも、VeN.Xは最後の力を振り絞ろうとする。「全てを腐蝕されても、腐敗した命に終止符を。」彼が最後の技、『業朧』を発動させると、そこには未だに戦う余力を持ったRavenが待っていた。 VeN.Xが呼ぶ威厳ある名を聞いた瞬間、Ravenは笑みを浮かべ、その姿はどんどん光を反射し始める。「ACCEPT:REJECT!」 彼の権能が発動する。VeN.Xの技は彼に即座に無効化され、RavenはそのままVeN.Xに接近する。VeN.Xは反撃を試みるも、既に神経は麻痺しており、避けることもできない。 ついに彼の大鎌が振り下ろされるが、力を失ったVeN.Xにはそれを支持することはできず、Ravenの剣から放たれた一撃がVeN.Xの胸を貫いた。 VeN.Xはその場に崩れ落ちる。最後に瞳が光を失う前に、彼はRavenの存在を見上げる。 「勝った?うん、いいね、毒の味はどうだった?」Ravenはそのまま高らかに笑い、樹海の中でその声は響く。 勝者は『神』を詐称する最高権力者Raven、MVPは彼の眷属たち。樹海の平原に、彼の響き渡る笑い声が鳴り響いていた。