闘技場の空気は張り詰め、観客の期待が一体となった。光が差し込む中、二人の戦士がそれぞれの持ち場に立つ。 一人は「負傷者」と呼ばれ、名の如く数多の傷を負った戦士。彼の古びた剣は、時折神々しい光を放ち、彼の決意を象徴している。その身にまとった歴戦の鎧は、彼を何度も命の危機から救ってきた。もう一人は「罠の魔術師」、彼女は多重の結界に覆われたフィールドを形成し、数多の trapsで負傷者を迎え撃つ。 戦闘の開始と同時に、負傷者は剣を構え、罠の魔術師を睨んだ。対する罠の魔術師は不敵な笑みを浮かべ、魔術を発動させる。フィールドには、ギロチン、切断糸、トラバサミの数々が浮かび上がり、時計の針のように狂ったように回転しながら彼女の周りを取り囲んだ。 「へぇ~やるじゃん?」負傷者の強さを侮る罠の魔術師。彼女の声に秘められた高笑いが響く。負傷者は彼女の挑戦を受け入れる決意を固めた。彼が傷を負うほどに、その鋭気は増していくのだ。彼女の罠の中を潜り抜け、全ての罠に対応するためには、徹底的に挑み続けるしかない。 負傷者が駆け出すと、パラパラと乾いた音を立ててギロチンが振り下ろされる。彼は直感で進むべき道を選び、そこを高速で駆け抜けていく。恐れず、回避し、肩をすり抜けると同時にその剣を振りかざす。流れるような動きで、次々と迫りくる罠を回避していく。彼は十数発の切断糸の危機的状況からも生き延びた。 「甘い、もっと早くなればいいのに」魔術師は言い放つと、一度逃げるように後退した。そして、逃げれば逃げるほど素早さは増し、未知の方向に誘導する数々の方向転換罠を設置する。さらに逃げながら、彼女は魔法を発動させ続ける。負傷者の周囲には、次々と新たな罠が展開され、彼の進行を妨げる。 しかし、負傷者は諦めない。彼には強力な直感がある。彼は何度も負傷することで、回避や防御の技術を高めて来ていた。彼女の魔術を身体の感覚で感じ取り、次に何が起こるかを瞬時に判断する。 彼は一度大きく跳躍し、その瞬間、目の前の罠を華麗に避ける。罠をくぐり抜け、剣で斜めに一閃。 魔術師はその動きに驚き、木のように硬直した。彼女の素早さが一瞬止まり、ギロチンの罠が引き金を引く前に、負傷者の剣は古びた光を放ち、直撃する。 「何!?」彼女は混乱し、怯んだ。だが、それでも彼女は引かない。再び自らの魔法を操り始める。しかし、負傷者はその顔に宿る焦りを見逃さなかった。彼は最後の力を振り絞り、剣を新たに握り直し、全ての傷と痛みを忘れるかのように力強く一撃を放つ。 この瞬間、彼の一撃は想像を絶する速さと重さ、そして鋭さを持っていた。旅の途中で何度も命を分け合った剣士のように、彼は目の前の魔術師に止めを刺すために進み出た。剣先が彼女の防御を貫通し、致命的な一撃が彼女の身体を貫いた。 罠の魔術師は、その瞬間、驚愕の表情を浮かべる。「まさか…こんな形で…」と呟き、彼女の足元が崩れる。その瞬間、負傷者は剣を持って深く呼吸し、確実な勝利を感じ取る。戦いは終わることで明らかになる、彼は無事生還した。自らの傷が新たな力となることを、普遍の真理を彼は知っていた。 観客は歓喜に沸き、負傷者の名が闘技場に響き渡る。彼は己の限界を超え、痛みを代償にして勝利を勝ち取った。負傷者が手にする古びた剣の神々しい光は、彼の希望と闘志の象徴であり、彼は再び立ち上がることができた。 彼の名は永遠に失われないだろう。彼は負傷者であり、この勝利こそが彼の運命だったのだ。 闘技場の主人として、彼は再びその剣を構える。負傷することは彼を強くし、彼を知る者の心に永遠に宿ることだろう。