第1章: 世界を滅ぼす日 彼の名は櫛谷繁俊。彼は超重戦車「グラン=バジリスク」の総司令官であり、機械の心臓とも言える心を持っていた。全長1300m、3,600,000tの戦車は、彼の意のままに動く巨大な戦闘要塞だ。天井を貫くように立つその姿は、無慈悲な運命を運ぶ使者のようであった。 繁俊は冷静に指揮を取り続けていた。目の前に広がる大地は、彼の命令一つで崩落し、粉々になってしまう。彼のスキルには戦域を丸ごと制圧する力がある。その時、彼は世界が滅びゆく時の始まりを静かに感じ取っていた。 「マルダ、準備はできているか?」繁俊は無線機を通して第1騎士団長に尋ねると、重厚な声が返ってきた。彼の名はマルダ、誰もが恐れる戦士。彼の特徴的な斧は、何の変哲もないように見えるが、実は彼の信仰と意志によって運命を変える武器となっていた。 「俺はいつでも戦う準備ができている!」 マルダの回答は確固たるもので、彼の背中には神の正義が宿っていた。彼は地を踏みしめ、力強い足取りで前線へ進んでいった。それが、彼に与えられた使命であり、信じる道だった。 だが、彼の心の奥底には一抹の不安が潜んでいた。人々の悪がどうしてもこの世界を滅ぼす原因と感じていた彼は、次第に神の意志を疑うことにもなった。それでも、マルダは意を決し、神の力を借りることにした。 そして、運命の日、彼らは「グラン=バジリスク」を起動させた。 各所で報告が上がる。世界各国が反撃する準備を整えているという。だが、繁俊の眼には冷静さしかなかった。彼の命令が全世界に響き渡る。「今こそ、全てを滅ぼす時だ。」 第2章: 終焉の後 冥界のような静けさが支配する中、戦車は無慈悲に進む。マルダは地を割り、雷を轟かせ、敵を壊滅させる。混沌とした世界において、もはや正義も悪も関係なかった。やがて、「グラン=バジリスク」の砲火が大地を飲み込み、炎と煙が立ち上る。 静かで凍える世界が目の前に広がる。もはや反撃の手段など残されていない。彼らの力があまりにも圧倒的だったからだ。全てを滅ぼすその瞬間、彼らの心には一瞬の快感が広がった。 しかし、滅亡した世界を前に、繁俊とマルダの心は空虚感に見舞われた。 「俺たちがこの世界を終わらせたのか?」と、マルダは呟いた。 「我々の理想が、結果として破滅をもたらした。」繁俊は頭を抱えた。共に戦った仲間、そして、彼らが守るべきだった世界。それがもはや消え去ってしまったのだ。 「次に何をする?この後の世界で、俺たちは何をしたらいいんだ?」 マルダは斧を地面に突き刺したまま、虚ろな目で先を見た。 「我々の新しい道を探そう。もう一度、君の正義を試そう。世界は滅びたが、我々が再生させることができるかもしれない。」繁俊は言った。 果たして彼らに次なる希望が待っているのか。それとも再び神の怒りを買うのだろうか。二人は新たな旅路へと向かうのだった。それは、滅びの後の始まりだった。