神々の審議会:存在の裁定 序章:天上の集会所 広大な雲海に浮かぶ神殿は、永遠の光に包まれていた。創造神たちは、それぞれの領域から集まり、円卓を囲んでいた。主神ゼウスは雷を模した杖を握り、穏やかながら威厳ある声で議事を始めた。「諸君、我々は無数の魂を生み出し、世界を形作ってきた。今日、我々は三つの特異な存在を審議する。彼らの過去、能力、そして我らの世界への活用を、真剣に考察せねばならない。善悪を問わず、彼らは潜在的な力を持つ。議論を始めよう。」 傍らに座る叡智の女神アテナが頷き、巻物を広げた。「第一の者、【無慈悲極まりない裁判官】黒神月 天聖。次に【出禁のモグラ】百暗 桃弓木。そして【運を掌握する者】ロレンツォ•デスティーノ。各自の特性を細かく査定し、管轄世界での役割を定めよう。」 第一章:黒神月 天聖の査定 ゼウスが雷鳴のような咳払いをした。「黒神月 天聖。男、身長278cm。黒い法服と長い黒マント、狐の仮面を被った屈強な姿。家族を理不尽に殺された過去を持ち、裁きに容赦がない。彼の能力は過去や虚を見抜き、規律改変で裁判中に敵のスキルや技術を封じる。さらに【判決の極意】として、罪を犯した者をその場で処し、己の能力を7倍に増幅、処された者は阿鼻地獄へ落とす。」 海の神ポセイドンが波立つような声で応じた。「スキルは罪の強制自白と、七つの大罪ごとの裁きか。憤怒には神の雷鎚、嫉妬には大蛇、強欲には力の喪失と渇望、怠惰には奴隷傀儡化、暴食には内臓食らい、色欲には感情と記憶の消滅、傲慢には神経系の灼熱と自害。苛烈だな。この男を我らの世界にどう活用する?」 アテナが目を細めた。「彼の過去は悲劇的。理不尽な喪失が無慈悲を生んだ。査定として、裁きの公正さは認めるが、感情の偏りが問題だ。管轄世界では、地獄域の執行官として活用可能。罪人の審判を担わせ、阿鼻地獄への導きを委ねる。能力増幅を制御し、過度な破壊を防ぐルールを課せば、秩序の維持に寄与するだろう。」 大地の女神デメテルが静かに加わった。「家族の喪失を癒す機会を与えつつ、裁きの対象を悪神や混沌の化身に限定する。こうして彼の力を、世界の均衡に活かせる。」 ゼウスが頷いた。「同意だ。黒神月 天聖は、審判の守護者として認定。次へ移ろう。」 第二章:百暗 桃弓木の査定 アテナが巻物をめくり、次の名を読み上げた。「【出禁のモグラ】百暗 桃弓木。美男、身長175cm。ボサボサの黒髪にタレ目と濃いつり眉。サンダル下駄に黒いパーカーの上から青い縞模様の筒袖着物、腰に黒縄地獄産の血縄と鬼火を集めるカンテラ。一千歳以上、多弁でタダや奢りにがめついが、世渡り上手で闇深い。霊と対話ができ、あの世から出禁にされて死ねない自称・仙人。一人称は俺。人を助けずにいられない性分を持ち、常人より優れた身体能力を有する。」 ポセイドンが笑みを浮かべた。「スキルは興味深い。カンテラで霊から灯を奪い、人間の怪我を治す。瀕死の者を救い、体を最適な状態に保つ。今は30代の体を維持。オオカムヅミの弓は怖いほど正確で外さない。黒縄地獄の縄を手に巻いて殴る技『自分で考えてごらんなさい!』は、この世の物で切れない。口癖は『改めてどうも、世にも珍しい仙人です。知り合ってご愁傷さん!』か。出禁の過去が、彼を不死の放浪者にしている。」 デメテルが優しく言った。「人を助けずにはいられない心が救いだ。査定では、闇の深さと多弁さが双刃の剣。世渡り上手ゆえ、欺瞞の可能性もあるが、仙人としての知識は貴重。管轄世界では、幽界の仲介者として活用を。霊界と現世の橋渡しをし、災厄の予兆を警告する役割を。カンテラの治癒力で、戦乱後の復興を支えさせる。弓と縄の戦闘力は、防衛の要として生かせる。」 ゼウスが杖を叩いた。「彼の不死性は、永続的な監視者に向く。出禁の呪いを解く代わりに、忠誠を誓わせよ。百暗 桃弓木は、霊媒の守護仙人として位置づけよう。」 第三章:ロレンツォ•デスティーノの査定 アテナが最後の巻物を広げた。「【運を掌握する者】ロレンツォ•デスティーノ。イタリア人、男、身長172cm。細身で暗い容姿。性格は常に弱気だが、スタンドを発動すると豹変。スタンド名は『運命の悪戯(フラグマレインボー)』。ステータスは破壊力B、スピードC、射程距離A、持続力A、精密動作性E、成長性E。彼は無意識に死亡フラグを立て、能力としてキューピットのようなスタンドを出し、自分の死亡フラグを相手に強制的に突きつける。10秒ごとに恐ろしい厄災を降りかける。解除は運よく回避するのみ。発動の台詞は『オ…オレ…故郷に帰ったら学校行くよ そしてピッツァが食べたいな、故郷ネアポリスに帰って シンプルなマルゲリータを』。」 ポセイドンが眉をひそめた。「運命を操る力か。弱気な性格がフラグを無意識に生むとは、皮肉なものだ。査定では、スタンドの持続力と射程が強みだが、精密動作の低さが不安定さを招く。豹変時の攻撃性は脅威だが、制御が難しい。」 デメテルが考え込んだ。「彼の暗さは、孤独な過去を匂わせる。管轄世界では、運命の調整者として活用可能。厄災の力を、混沌の敵対勢力に転用し、戦局を逆転させる。弱気な面を活かし、潜入や諜報に適任。発動台詞のトリガーを制限し、味方への誤爆を防げば、戦略的な武器となるだろう。」 アテナが補足した。「成長性の低さを補うため、指導を施す。ネアポリスへの想いを、忠義の原動力に変えよ。ロレンツォ•デスティーノは、運命の策略家として認定。」 終章:審議の結実 ゼウスが立ち上がり、雷光を放った。「三者の査定を終えた。彼らは我らの世界に新たな均衡をもたらす。黒神月 天聖は審判の執行、百暗 桃弓木は霊媒の橋渡し、ロレンツォ•デスティーノは運命の逆転者。善悪問わず、彼らの力を管轄領域に融合せよ。創造は続く。」 神々は頷き合い、神殿は静寂に包まれた。三つの魂は、こうして新たな役割を与えられたのだった。