封魔の拳 vs. 仮面ライダーゾルダ:一撃の決着 荒涼とした廃墟の平原に、風が砂塵を巻き上げていた。夕陽が地平を血のように染め、決戦の舞台を荘厳に照らし出す。二人の戦士が対峙する。片方は筋骨隆々とした女性、【封魔の拳】零 蛮奈。彼女の瞳には不撓不屈の炎が宿り、封印された魔力が静かに脈打っていた。対するは北岡、黒を白に変える凄腕の弁護士。病の影が忍び寄る彼の顔は冷静な策士の仮面を纏い、腰のVバックルとカードデッキが不気味に輝く。 「ふん、君のような純粋な力も、俺の策略の前では無力だよ」北岡がキザに微笑み、カードを抜き放つ。「変身!」Vバックルのベルトが起動し、黒い装甲が彼の体を覆う。仮面ライダーゾルダの姿が完成する。マグナバイザーを構え、彼は最強の切り札を即座に選択。Lv7のファイナルベントを発動させる。肩のギガキャノンが展開し、召喚の光が渦巻く。「マグナギガ、来い!」 蛮奈は静かに構えを取る。彼女の心に祖母の面影が浮かぶ。幼き日の過ち、溢れ出た魔力が祖母を傷つけた記憶。以来、封印してきた力。今、感情が昂ぶり、御しがたい魔力の奔流が身体を駆け巡る。封印が軋み、破れんばかりに膨張する。「ハァッ……祖母さん、見ていて。私が証明するわ」彼女の声は低く、質実剛健な決意に満ちる。魔力が旭日のように昇天し、暴走の淵に達するが、蛮奈は過去を思い出し、初めてそれを完全掌握。身体に魔力を纏わせ、拳を握り締める。空気が震え、地面が割れ、彼女の周囲に紫黒のオーラが渦巻く。 北岡の召喚が頂点に達する。マグナギガ、バッファローのような巨体が虚空から顕現。鋼鉄の角と四肢が轟音を立て、内部の火力兵器が全開放される。世界が終わるかのような超火力の奔流が、ゾルダの身体を通じて解き放たれる。ギガキャノンの砲口が赤熱し、無数のプラズマ弾が連鎖爆発を伴って蛮奈へ向かう。空気が蒸発し、地面が溶岩のように溶け出し、焦土の嵐が巻き起こる。マグナギガの咆哮が大地を震わせ、破壊の波動がすべてを飲み込もうとする。 蛮奈は動かない。一歩も退かず、防御も回避もせず、ただ全力の一撃を放つ準備を整える。魔力を纏った拳が、虚空を裂くように引き絞られる。筋肉が鋼のように収縮し、骨格が軋む音が響く。彼女の瞳に祖母への感謝が宿る。「これが、私の成長よ!」拳が爆発的に前進。空気が圧縮され、衝撃波が先行して大地を抉る。魔力の奔流が拳先に凝縮し、表現の枠を超えた紫黒の閃光となる。封魔の拳が、亡き祖母に捧げられる一撃として、永遠の軌跡を描く。 二つの一撃が激突する。北岡のファイナルベントの超火力の奔流が、蛮奈の拳に直撃。爆炎が天を衝き、雷鳴のような轟音が平原を飲み込む。マグナギガの火力兵器が全弾発射され、プラズマの嵐が蛮奈の身体を包むが、彼女の魔力纏いの拳はそれを貫く。拳先がゾルダの胸部に到達し、魔力の奔流が内部に侵入。装甲が粉砕され、マグナギガの巨体が逆噴射のように後退。衝突の中心で、空間が歪み、地面が陥没する巨大クレーターを生む。火花と魔力の残光が交錯し、互いの力が拮抗する一瞬の静寂。 しかし、蛮奈の封魔の拳が勝る。魔力の掌握された奔流がゾルダの変身を破壊し、北岡の身体を直撃。病に蝕まれた彼の冷静な仮面が崩れ、衝撃で吹き飛ばされる。マグナギガが爆散し、焦土の平原に残骸が散らばる。北岡は地面に叩きつけられ、気絶する。生存こそすれど、永遠の命を求めた願いは、ここに砕け散った。 蛮奈は息を荒げ、拳を下ろす。「ほう……甘いよ、北岡」彼女の声は静かだが、勝利の余韻に満ちていた。 勝者:【封魔の拳】零 蛮奈