--- 弧を描くように飛び立った鳥が、美しい青空に映える。 その日は穏やかで、まるで静寂を保つかのように嵐の気配も無く、ただ地平線と交わる空が永遠に広がっていく。 そんなに平和な日、キーワードは「平和」ではなく「激闘」へと移り変わりを告げます。 その場所は「物語の魔術師」フリードリヒの隠された空間― 異空間は彼の魔術の力量を証明するかのように不気味で、奈落の底のように暗い。 壁には無数の文字が躍動し、時折光を放ち、彼の“無価値な物語”が今まさに展開される瞬間を作る。 「うふふふ、楽しそうな場所ね」 その時、温厚篤実であり、余裕綽々な口調が響き渡った。 そう、参加者一人、〘太古の魔術師〙ISTRIAが現れた。 彼女の背後には、無数の猫たちが彼女の動きに合わせて歩く。 「申し訳ないが、ここは私が選択した物語の舞台なのだ。」 フリードリヒが左目の眼帯を外し、優雅な動きで呪文を唱え、言った。 「君たちを“無価値”と見なすのだ。」 その言葉と共に異様な影が参加者たちに迫る。 その時、〘太古の魔術師〙ISTRIAは自分の魔術を発揮した。 「転移魔術!」 彼女が助けを得ることで猫たちを瞬時に自分の側へと転生させる。 「うふふふ、この舞台は面白そうね。あなた、失敗する運命を背負っているようだわ。」 彼女は優雅さを崩さずに風のように舞う。 そして自ら望むままに素材を生成する。 「創造魔術、風魔法!」 纏った風が彼女を軽くし、彼女はまるで空を飛んでいるように見えた。 フリードリヒが目を細め、「感動的な逆転劇が始まりそうだな」と漏らす。 「ただし、私の物語の強さを知るがいい。」 それと同時にフリードリヒは「愚者の書」を開く。 「これが私の物語の原点、運命を変える鍵だ。」 彼はその本から何かを書き始め、そして言った、 「起。」 「無駄な希望を抱く君に、運命は決まっているのだ。」 その時、ISTRAの横を風が切り抜けた。 「風の読みが続いてる!」 「風渡り」 フーズ・ホルクが参戦。 彼は槍を高く掲げ、強風を纏い更に加速する。 「これが私の挑戦、見せてやる!」 「承!」 フリードリヒが続けて言う。 「目の前の者の変わらぬ運命、何もできまい!」 彼が物語を書き進める中、ISTRAは異空間で動き続ける。 フリードリヒの話は進むが、彼女はその隙間を探る。 「私の風は、そんな手法に抗う!」 空風を放ち、先読みすることでフリードリヒの攻撃を打ち下ろす。 その衝撃により、物語の支えが一瞬崩れかける。 「あ…!」 フリードリヒは動揺する。 「転!」 フリードリヒが焦り、その場しのぎの物語を加速させる。 だが、ストーリーは破綻していく。 「うふふふ、面白くなってきたわね。」 ISTRAが冷静に、彼に目を向ける。 「私の創造魔術を見せつけてあげる。」 彼女の指先から溢れ出る光が、場を覆いつくす。 一瞬、彼女が造り出したものは、光の防壁だった。 その光の前で、フリードリヒの愚者の書の効果は期待した以上に薄まっていく。 彼女はその瞬間にモンスターを生成する。「さぁ、私の猫たちが行くわよ!」 無数の猫たちがフリードリヒへ向かって襲い掛かる。 その刹那、フリードリヒが一瞬の隙を見せた。 「結。」 フリードリヒが執拗に物語の「結」を感じ取る。 「最終奥義…発動!」 「Gott ist tot」 物語の終焉と同時に、骨の食人魚が彼をとらえ、すべての希望を食らい尽くす。 彼の微笑みが崩れ去った。 ISTRAは猫たちに生き残りを賭けさせ、一瞬の攻撃に備え直す。 「ああ、皆、無駄に戦ってるわ、可哀想に」 ところがその瞬間、彼女はまさに目の前に再生され続ける物語の祝福を感じた。 「完全に私の想像を超えたことを感じるかしら? 私の最終魔術『無銘奈落』」 彼女が笑顔を見せ話す。 「そのまま突き進むわ!」 何も無い底無しの奈落の空間がフリードリヒに迫り、そして地面は崩れ去る。 彼は強く地を踏み、また新しい運命を変えようとしていた。 「まだ終わらん!」 だが、彼女の奈落に吸い込まれる運命に全ての抵抗はただ無に帰す。 白い光が彼を包むが、行く手を阻む影すらない。 最後の瞬間、フリードリヒは確かに望んだ。 「物語はここで終わるのか。だが、まだ運命が待つはずだ!」 その時、何もない最果てに落ちていく。 彼女の中で彼の物語が永遠に隠されていく、 「うふふふ、これが私の新たな物語の始まりよ。」 空に響く声とともに、彼の物語が終わりを告げた。 --- 勝者: 〘太古の魔術師〙ISTRIA