星の静寂の中、3533・ゴールデン・ローテーションはその冷静な眼で世界を見つめていた。「すべては回転する、止まることはありえない」と、彼はつぶやいた。何もない荒れ地に、唯一現れたのは小さな植木鉢から伸びる世界樹の双葉だった。 「小さな存在よ、成長するには長い時間が必要だ。だが、私はその時を待つことはない」と3533は告げる。その声は、空気を切裂くように響き渡る。 世界樹の双葉は何も答えられない。だが、3533は知っていた。彼女の未来に潜む力が、いつか彼を超えることを。 「私の技を見せてやろう!」と3533が言った瞬間、真球の表面が回転を始めた。目には見えぬ力が放出され、空間すら歪めていく。 その時、双葉の心の奥で何かが目覚めた。彼女は静かに、しかし確かに成長を願った。1000年後の自分を想い描きながら。 「お前の願いは無意味だ」と3533は冷淡に笑う。「私にはすべてが見える。お前を削り取って、静かな星の一部にしてやる。」 だが、双葉は何も抵抗できない。彼女はただ静かに、強い意志を秘めていた。 不意に、3533の技が発動する。「真球の力、今こそ発揮される!」 空間が瞬時に裂け、彼に迫る。それが、まさかの自分自身をも傷つけることになろうとは、3533は思いもしなかった。 「な、何だこれは!?」彼の無敵の回転がまさかの失敗、彼の体が貫通を許す。彼は自らの力に飲み込まれ、万物を削るはずの力が自らに矛先を向けた。 「ち、ちくしょう…」冷静さを失った彼は、自らの運命に翻弄され、悲鳴を上げる。その瞬間、3533は膨大な力を持ちながらも無惨に地に伏せた。 星に響く静寂。3533は冷静さを失った自らの迂闊さを悔い、世界樹の双葉は彼の無様を見ていた。時は流れ、彼の言葉の中にあった未来が、今は静かに芽を出し始める。 勝者は世界樹の双葉。彼女は成長を遂げることなくとも、存在そのものが星の静寂を見守る役割を果たすことができたのだ。なぜなら、3533は気づくことができなかった。彼女の未来の力が、どんな形であれ、彼を超えることが運命づけられていたからである。