壮絶なる一撃の邂逅 荒涼とした次元の狭間、虚空に浮かぶ無限の闇が二つの神々しい存在を隔てていた。一方は天照大御神、太陽の化身たる神君。黄金の光を纏い、天叢雲剣を腰に帯び、静かに佇む。その瞳には不撓不屈の意志が宿り、天地を統べる威厳が漂う。他方は【氷鏡の戦姫】雹姫 積希、27歳の戦姫。氷の霊装に包まれ、無愛想な表情で滅龍刀 氷轍を握りしめ、決して逃げぬ攻めの姿勢を崩さない。彼女の周囲には冷気が渦巻き、未来視の力が微かな予感を囁く。 戦いは一撃のみ。回避も防御も許されぬ、互いの全力が激突する運命の瞬間。二人は互いに距離を置き、虚空に浮かぶ足場で対峙した。序盤、天照大御神の周囲に無数の式神が顕現する。影のような幻獣たちが雹姫を阻もうと牙を剥き、爪を振り上げる。雹姫は無表情に滅龍刀を閃かせ、舞い踊るような斬撃で式神たちを次々と斬り裂く。氷の粒子が飛び散り、式神の残骸が虚空に溶けゆく。彼女の冰光の霊装がダメージを全て受け流し、呪いの力で他者の影響を無効化しながら、決して天照に近づかせぬよう奮闘する。式神の群れは天照を守る壁となり、雹姫の刃を何度も受け止めるが、彼女の『滅殺凍雹舞』は弱点を捉え、必中の如く式神を薙ぎ払う。 しかし、天照は動かぬ。【気合溜め】の構えに入っていた。居合斬りの型を整え、臥薪嘗胆の忍耐力で我慢する。不撓不屈の精神力が体を石のように固め、次の一撃を会心の域へ昇華させる。式神の咆哮、雹姫の斬撃の風切り音が響く中、天照の呼吸は徐々に深みを増す。心臓の鼓動が虚空を震わせ、黄金の光が微かに脈打つ。雹姫の未来視が天照の静寂を捉えるが、彼女は止まらない。魔力《氷弓》を発動し、周囲の虚空を凍てつかせ、無数の氷の矢を式神の群れに放つ。矢は突き刺さるように式神を貫き、凍結の鎖で動きを封じる。『零』の力が式神の耐性を消失させ、雹姫は着実に天照への道を切り開く。 終盤、式神の最後の残党が散りゆく中、雹姫はついに天照の目前へ到達する。彼女の瞳に冷徹な決意が宿り、滅龍刀 氷轍を構える。この刀はあらゆる防御を貫通し、破壊不能の刃。疲労を知らぬ体が、未来視の導きで完璧なタイミングを計る。雹姫は舞い踊るように一歩踏み込み、全身の力を刀身に集中させる。冰光の霊装が輝き、超自然的なダメージを無効化し、勝敗を決する一撃の準備を整える。彼女の周囲で凍雹が舞い、虚空を白く染める。 天照は動じぬ。終盤の試練を受けても、【精神統一】へ移行する。心と呼吸を静め、時空を超越する斬撃の準備。瞑想のような集中が体を包み、天地の理が剣に宿る。雹姫の『滅殺凍雹舞』が放たれる瞬間――彼女の刀が弧を描き、必中の斬撃が天照の胸を狙う。氷の軌跡が虚空を裂き、弱点を捉えた刃が時空を凍てつかせる。凍雹が爆発的に広がり、すべてを飲み込もうとする。 しかし、天照の【天地創造】が発動する。全身全霊で気を失う直前の刹那、剣が一瞬の閃光とともに抜かれる。天叢雲剣の刃が次元ごとを斬り裂き、如何なる耐性も無効化する神の威光が迸る。雹姫の斬撃が天照に迫るその時、二つの一撃が虚空の中心で激突した。滅龍刀の氷轍が黄金の光にぶつかり、氷の結晶が無数に砕け散る。衝撃波が次元を歪め、凍てついた風と太陽の炎が渦を巻く。血飛沫が舞い、時が止まったかのように二つの刃が絡み合う。雹姫の刀は天照の霊装を貫こうとするが、天叢雲剣の次元斬りがすべてを断ち切り、彼女の呪いさえも無力化する。爆音が響き渡り、虚空が裂け、氷の弓が蒸発する中、一撃の余波が二人を包む。 雹姫の体が凍てついたまま後退し、瞳に驚愕が浮かぶ。彼女は気絶し、虚空に崩れ落ちる。生存はするが、戦闘不能。天照の剣が収まり、神君は静かに息を吐く。一撃の決着が、すべてを終わらせた。 勝者: 天照大御神