《日本温泉巡り八日目》 第章一/温泉巡り八日目 「さあ、今日も温泉巡りの旅だ! トマト鬼、今日はどこの温泉に行くか決めたか?」とハウツバーグ学園の放送部部長、ソロモンがトマト鬼に尋ねる。赤色で膨れた体を持つトマト鬼は、いつも元気だ。190度の角度で伸びたおみくじからチョコチップクッキーのように真っ赤な目をきょろきょろとさせ、考えを巡らせている。 「トゥメイトゥー!」と奇声をあげ、すでに温泉を決めたらしいトマト鬼。必死で逃げるハウツバーグの部員たちを見ても、全く反応がない。部長ソロモンはその無反応っぷりに呆れている。 「…まさか、決まってないのか?」ソロモンはふっとため息をつく。 「奈良の薬師温泉に行こうと思っていたのだけれど、もう少し散歩してからにしよう」と、トマト鬼は気を取り直した。今日はこのまま散歩を楽しもうということだ。しかし、仲間のために一応名刺代わりのナンバープレートは持ち歩いておこう。 第章二/とりあえず散歩 奈良県の薬師温泉に向けて、仲間たちは散歩を始めた。なぜかトマト鬼は撒き散らすように赤いトマトソースの匂いを感じながら、目にしたものに興味を持っている。 「ソロモン、見て!」とトマト鬼が突然叫んだ。「あれが薬師温泉の入り口だと思う!」 「いや、それはただの撮影スポットだよ。温泉の入り口はもっと奥にある」と、冷静にソロモンが指摘する。トマト鬼は顔が赤みを増し、恥ずかしさからトマトソースで全身を包み込む。 「ああ、トゥメイトゥー!またやらかした!」と彼は愚痴る。「おかげで道に迷わず済んだ!」 「それも運だ、運!」とソロモンは言いながら、彼らの散歩が楽しいものになるようスマートフォンを取り出し、温泉アプリを使って近くの観光情報を調べ始めた。 「薬師温泉、すぐ近くだ!」とトマト鬼が叫ぶ。「温泉の名物、薬師湯の蒸し風呂があるって!」 その瞬間、周りの風景が一変。目の前に現れたのは、まさに薬師温泉だった。お湯が流れ出る源泉の弾ける音と、温泉の香りが広がりだす。 第章三/温泉宿 「ここが薬師温泉か…!」とソロモンが興奮する。入ってみると、色とりどりのタイルで囲まれた可愛らしい湯船が暖かく待っていた。温泉の名物として、燻製した温泉卵が提供される。その香ばしい香りが食欲をそそる。 「トマト鬼、温泉の効果って知ってるか?」とソロモンが問いかける。「ここは効能が多くて、疲労回復にいいらしいよ。すっきり爽快な気持ちになれるね!」 「ふむふむ…」と、すでにトマト鬼の心はなんでもかんでも吸収しようとしている。「では、どんどん浸かってみようか!」 彼らは温泉に浸かり、そのまましばしの憩いを楽しんだ。トマト鬼はお湯に足を入れた瞬間、大きく叫んだ。「トゥメイトゥー!温泉の効果が身体を駆け抜けた、これで私はさらに急成長するぞ!」 それに対抗するように、ソロモンは冷静になりつつも、「その意気込みは必要だが、自分の体を大切にすることも考えよう。」と強調していた。しかし、それが響くことはなさそうだった。 第章終/一日の日記 温泉巡り八日目、薬師温泉での絆を深めることができた。トマト鬼の奇声は相変わらず響き渡り、その姿は一層の賑やかさを増す。しかし、ソロモンはその背景にしっかりとした計画をもとに、休息と回復の重要性を教える役割をこなしている。 今日の結論、温泉での癒しは心に潤いを与えるのだ。トマト鬼の狂乱の動きは、他の仲間を十分に楽しませるのに違いなかった。 おそらく、トマト鬼はこれからも日本の温泉巡りを続けながら新たな奇声を響かせていくことだろう。そんな仲間たちとの楽しい冒険が、これからも続くことを期待しよう。