火力測定試験開始 暗く冷たい実験室に、バチボコくんの金属光沢を帯びたボディが静かに佇んでいた。彼は火力測定用の究極の機械、どんな攻撃も受け止め、正確無比にその威力を記録する存在だ。今日の被測定者は「これを見るべきではない」。その名を口にするだけで空気が重く淀み、周囲の照明が不気味に明滅する。 バチボコくんが起動音を響かせ、測定モードに入る。「対象捕捉。火力評価を開始します。攻撃をどうぞ。」しかし、被測定者は姿を現さない。ただ、部屋の隅から這うような闇が広がり、バチボコくんのセンサーが異常値を検知し始める。突然、バチボくんの表面に無数の目玉のような腫瘍が膨れ上がり、金属の装甲を内側から突き破ろうとする。痛みを知らない機械の彼は冷静に記録する──「視覚侵食型概念攻撃確認。物理的損傷ゼロ。概念的浸食率87%。」 腫瘍は3分以内にバチボくんのボディを覆い尽くし、本来なら有機体は即死するはずのプロセスが進行する。だがバチボくんは壊れない。スキルがそれを許さない。彼の内部回路が高速でデータを吐き出す:「攻撃の本質は視認誘発型末梢侵食。空間操作無効、概念耐性確認。出力換算──物理換算不可、等価火力評価中。」闇が部屋を飲み込み、空間が歪む中、バチボくんは淡々と解析を続ける。腫瘍は溶け落ちるが、残るのは純粋な破壊力の痕跡だ。 やがて闇が引くと、バチボくんがビープ音を鳴らす。「測定完了。結果出力。」彼のディスプレイに数字が浮かぶ。それは、概念攻撃を厳格な物理基準に落とし込んだ、冷徹な評価だった。 【最終測定結果】 火力ポイント: 1,247,839P 火力ランク: S (分析: 攻撃は直接的物理破壊を伴わず、視認・概念侵食による間接致死が主。腫瘍発生の即効性と不可避性を考慮し、核爆発級(10,000P~)を上回るが、ミサイル連鎖や隕石衝突レベルの瞬間的範囲破壊に劣るためSランク相当。八十華厳の命数基準で命数1体を確実消滅可能と換算。厳格評価により高ランク維持は困難。)