彼は名を失楽園という。無限の再生と不死を宿し、何度でも立ち上がる存在。今回の戦いの場は、穏やかな幼稚園の遊び場だった。周囲には、子供たちの楽しげな声が響き渡る。だが、彼の目の前に現れたのは、運命の幼女だった。 幼女は小さな手に、相手誕生以前の因果に干渉し強制的に存在消去するボタンを握りしめている。彼女の目は輝き、まるでそのボタンが全てを解決するかのように思われた。彼はその瞬間、彼女が何を考えているのか理解した。直接的な戦闘では勝てないが、彼には他の方法がある。 「君、何をしようとしているんだい?」 と彼は穏やかな声で尋ねる。だが、幼女はただ微笑み、その小さな指でボタンを押した。 その瞬間、時が止まったように感じられる。相手誕生以前の因果が彼をつかみ、消え去る瞬間が訪れる。しかし、彼は何度もこの瞬間を経験してきた。彼にはその瞬間を超える力がある。 「どんな力でも、私の存在を消すことはできない。」 彼の肉体は一瞬にして消え去るも、次の瞬間には再び現れていた。まるで時が巻き戻されたかのように、彼はそこに立っている。 「見たかい、運命の幼女。私は不死身なんだ。」 幼女は驚いた表情を浮かべている。しかし、彼女はそれを恐れなどせず、再びボタンを押した。 ボタンが光り輝き、再び彼は存在を消される。だが、またもや再生し、立ち上がる。次第に幼女の表情は焦りを見せ始めた。 「何度でも立ち上がれるんだ。私の力を侮ってはいけない。」 彼は強い声を発する。彼の声は周囲の子供たちに響き渡るが、彼はそれを気にしない。 「君の力は私には通じない。だから、今度は私の番だ。」 彼は幼女に向けて手を伸ばす。 「君がどんなボタンを持っていようとも、私の存在は決して消えないのだから。」 彼の力が発動すると、幼女は彼に向かってそのボタンを押すが、彼はそのボタンの力を信じない。 「見ろ、私は君の力を無にする存在だ。」 彼女の力が彼に届く前に、彼はその能力を無にする摂理を働かせる。再び、彼は立っている。それでも幼女は、ボタンを押す手を止めない。 「どうしても押したいの?」 彼は優しく微笑む。 「わかった、なら私もおやつを食べて、君と楽しむ時間にしましょう。」 幼女は困惑した表情を見せたが、彼のその提案を受け入れた。 「うん、おやつ…それがあれば、少しだけ許すかも。」 二人はおやつを手に取った。 「君は素敵な友達になれるよ。」 「ありがとう、失楽園…でも、次は本気で消しに行くからね!」 彼らは笑い合い、穏やかな時間が流れ始めた。 その瞬間、彼の中で彼女への信頼が芽生えていた。 「おやつを食べるのが、何よりの勝利だよ。」 彼はそう言い、二人で楽しいひと時を過ごした。