暗い廃墟の決闘 序盤:幽玄の邂逅 暗い廃墟の空気は冷たく、重く、崩れかけた石壁が月光を反射してぼんやりと浮かび上がっていた。中世の城塞を思わせるその場所は、長い年月を経て朽ち果て、風が通り抜けるたびに埃が舞い上がる。デレニア・ヘレネイドは、黒い革ジャンを羽織り、白いシャツの袖をまくり上げて立っていた。紅い瞳が鋭く周囲を捉え、腰に差した霊焔怪刀『灰陣』の柄に手をかける。彼女の黒い短髪が微かな風に揺れ、冷静な表情の下で、心は恩人への忠義を静かに燃やしていた。 対峙するのは、白騎士。白髪の長髪が青い外套の下で優雅に流れ、白仮面の下から覗く視線は冷徹で貫禄に満ちている。白鎧が月光を浴びて輝き、玉座に腰掛けたままの姿は、まるでこの廃墟の王そのもの。彼女の手には聖剣が握られ、静かに構えられている。白騎士は人知れず微笑み、旅人として現れた少女を観察していた。「…始めましょうか。」その声は低く、抑揚を抑えたものだった。 突然、廃墟の中央に異変が起きた。宙に浮かぶ一つの影――騎士の鎧と大剣だけが、主人を失った亡霊のように動き始めた。生前の凄腕を思わせる流れるような動作で、大剣が空を切り裂く。デレニアは即座に身を低くし、体技【煤払い】を発動させた。不気味な体捌きでぬるりと暗闇に溶け込み、鎧の突進をかわす。「ここで会えたのも、何かの縁なんだね。でも、邪魔はさせないよ。」彼女の声は淡白で中性的、しかし決意に満ちていた。 白騎士は玉座から動かず、聖剣を軽く振るう。赫仙斬――赤き一刀が、様々な方向から放たれる力強い斬撃の嵐となって『決死の大剣』を襲う。鎧は大剣を盾に受け止め、反撃の隙を狙うが、白騎士の動きは流れるようで、無駄がない。デレニアは影から飛び出し、霊焔怪刀『灰陣』を抜刀。紅く揺らぐ黄泉の霊焔が刀身を包み、恩人への忠義を胸に斬撃を刻み付ける。鎧の肩に浅い傷が走るが、それはすぐに修復されるかのように動きが鋭さを増す。時間経過で生まれる「剣のさび」の強化が、徐々にその脅威を高めていく。 三者の視線が交錯する中、廃墟に金属の響きがこだまする。デレニアの冷静沈着な判断が、白騎士の寡黙な貫禄が、『決死の大剣』の無言の猛攻が、序盤の均衡を保っていた。 中盤:激化の渦 廃墟の空気が熱を帯び始め、石畳に亀裂が走る。『決死の大剣』の動きは時間とともに洗練され、大剣の刃が錆びた輝きを増してくる。鎧は宙を舞い、デレニアと白騎士の両方を同時に狙う。デレニアは【煤払い】を繰り返し、暗闇を味方につけて回避するが、霊焔怪刀の斬撃が鎧の胸に命中するたび、霊焔が一瞬だけその動きを鈍らせる。「この鎧、ただの亡霊じゃないね。生前の技量が、こんなにも残ってるなんて。」デレニアの紅瞳が細められ、黒い短髪に汗が光る。 白騎士は玉座から立ち上がり、青い外套を翻す。蒼極斬――青き一刀が、不規則な動作で放たれ、浄化の炎を纏った絶大な一振りが『決死の大剣』を捉える。鎧は大剣を振り回して防ぐが、炎が鎧の継ぎ目を焦がし、一時的に動きが止まる。白騎士の白仮面の下で、かすかな微笑みが浮かぶ。彼女にとって、この戦いは愉快な試練。幾千年の王座を守るための、強者を求める闘いだ。「…ふむ。面白い。」その言葉は静かだが、戦場の女神らしい威厳に満ちている。 デレニアと白騎士の連携が自然と生まれる。敵対しない二人は、互いの動きを尊重しつつ、『決死の大剣』を挟み撃ちにする。デレニアの忠義の斬撃が鎧の脚を狙い、白騎士の聖剣が上段から叩きつける。鎧は巧みにいなし、大剣で反撃を加えるが、二人の技量がそれを上回る。廃墟の柱が斬り裂かれ、崩れ落ちる音が響く中、『決死の大剣』の強化は頂点に近づいていた。時間経過の「剣のさび」が、鎧の動きをより予測不能に、鋭く変えていく。 デレニアの息が少し乱れ、白騎士の白鎧にも微かな埃がつく。だが、二人は冷静を失わない。恩人を守る少女の決意と、王座の守護者の貫禄が、廃墟を震わせる。 終盤:決着の宣告 廃墟の闇が深まり、月光が薄れる頃、『決死の大剣』は変貌を遂げた。鎧の動きが一瞬止まり、大剣が低く唸る。終盤の兆し――突然、デレニアに向かって「決闘宣布」が放たれる。見えない力が彼女を標的に定め、鎧の視線が彼女一人に集中する。デレニアの紅瞳がわずかに見開く。「これは……私だけを狙ってる。縁が、こんな形で訪れるなんて。」彼女は霊焔怪刀を構え直し、体技で距離を取る。 『決死の大剣』は大技「決死の一撃」を繰り出す。宙を舞う鎧が大剣を振り上げ、全身の力を込めた一撃がデレニアを襲う。成功すれば戦闘不能に陥れる威力だ。デレニアはぬるりと暗闇に溶け込み、いなしにかかるが、攻撃の隙が大きい。白騎士は傍観を強いられ、聖剣を握りしめるが、決闘の掟が彼女を遠ざける。「…耐え抜け、旅人。」白騎士の声が静かに響く。 デレニアは恩人の笑顔を思い浮かべ、終奥義【灰燼に手を伸ばして】を発動する。過去との決別を告げる一閃――紅く燃え盛る霊焔が刀身を包み、決意の炎が彼女を駆り立てる。いなされた大剣の隙を突き、斬撃が鎧の核を捉える。鎧が震え、大剣が地面に落ちる。『決死の大剣』は動きを止め、廃墟に静寂が戻る。デレニアの攻撃が成功し、標的の鎧を戦闘不能に陥れたのだ。 白騎士は玉座に戻り、寡黙に頷く。デレニアは刀を収め、息を整える。「これで、守れたね。」二人は互いに視線を交わし、廃墟の闇に溶け込むように去っていった。 戦闘の終了要因: 『決死の大剣』の戦闘不能