巨大な願流島コロシアム。観客席は熱気に包まれ、今まさにその目の前で繰り広げられる戦いに心躍らせている。老練な司会者の少女、ありさがその美しい声で場を盛り上げる。 「皆様、今宵の目玉試合、決勝戦の幕が上がります! ただいまより、東軍の猛者、【天真爛漫JK格闘家】桜川いろは選手と、西軍を代表する、とある国の姫様御一行からおてんば武道家、姫様が激突します!」 姫様は動きやすい格好に身を包み、グローブをしっかりとはめ込み、ブーツを履いた姿で堂々と入場。彼女の自信に満ちた表情からは、数々の試練を乗り越えてきた経験が伺える。彼女の一行には、少女の護衛を務める神官の青年と、教育係の魔法使いの老人がついてきているが、今日の戦いに魔法の力は使えず、肉体のみで戦うことが約束されている。 対する桜川いろはは、純白のトレーニングウェアに身を包み、1980年代風の鮮やかなピンクのスニーカーを履いている。明るい笑顔が顔に浮かび、周囲に元気を振りまきながら、彼女は瞬時に闘技場の真ん中に位置を取る。 「うぅ〜!燃えてきたっスよ〜!」と叫びながら、彼女の目が鋭く輝く。 老獪な滅堂会長が観戦台から二人の選手を見守りながら、感想を漏らす。「素晴らしい対戦が期待できる。姫様の二回攻撃と、いろはのスピード重視の連打、果たしてどちらが勝つのかな?」会長の言葉に、他の社長陣も頷きながら興味深く戦いを見守る。 二人は互いに近づき、決意を固めるために短い挨拶を交わす。 「私が勝つよ!」いろはが挑発する。 「負けませんよ、私は最強の戦士ですから」と姫様が答える。彼女の眼には、勝つための炎が燃えていた。 戦闘開始が宣言されると、初手は桜川いろはが取り、彼女のスピーディな攻撃が始まる。「桜花ラッシュ!」と叫びながら、いろはは一瞬のうちに姫様の懐に飛び込み、5連打を繰り出す。彼女の素早さは圧巻であり、観客たちが見守る中、まるで桜の花びらが舞うかのような連打が空気を切り裂く。 対する姫様は一瞬後にそれに反応し、左腕で受け止め、右ストレートでいろはの懐に入り込む。「私の番です!」と叫び、真正面からの一撃を放つ。 【桜閃ドライブ】と【桜花ラッシュ】が交差し、周囲には彼女たちの肉体をぶつけ合う音が響きわたる。 次第に二人の体には肉体の痛みが蓄積されていく。いろはは顔に軽いこぶを作り、姫様は唇から一筋の血を流していた。しかし、双方共にその傷を気にする暇も無く、次の攻撃へと繋げる。いろはの流れるような動きは、一瞬の隙も見せなかった。姫様は自由に動くことができず、冷静さを保つ。 「【桜烈インパクト】!」といろはが叫び、全ての力をこめた一撃を放つ。が、姫様はそれをしっかりと見極め、瞬時に反応する。 「私も行きます!【二段捌き】」と姫様が反撃の手を伸ばし、二発のストレートを同時に叩きつける。 戦闘は続く。互いに出血し、汗を流し、肉体の限界を超えながらも、場の空気がますます盛り上がりを見せる。万全の防御をしながらも、攻撃を繰り返す二人の姿は、まさに生と死を共有する一瞬の舞踊だった。全てが激流のように過ぎ去り、次第にどちらかが倒れる運命に近づいていった。 社長陣の視線は一点に集中しており。「素晴らしい試合だ、いろは、勝てるか?」「姫様の集中力は凄まじい。彼女が勝つと思うが、逆もあるかもしれない」と各々が評価し合う。 いよいよ二人の戦いも佳境に入り、勝者が絞り取られつつあった。激闘が続く中、彼女たちの心と体がぶつかり合う。観客もその場の緊張感に飲み込まれている。「果たして、どちらがこの戦いを制するのか……」行く末は、彼女たちの一撃にかかっていた。