夜は静かで、星々が天を照らしていた。ここは荒涼とした土地、打ち捨てられた遺跡の中にその場はあった。この場所には何の痕跡もなく、ただ静寂だけが支配する。だが、その静寂を破るように、四人の異能者が集結していた。 白黒の髪に蒼い瞳を持つ少年【忌み子・灼零】ノラがその中心に立つ。彼の心は、常に急冷の如く静けさを保ちながらも、内部では友を求める葛藤に揺れていた。彼の絶対零度の凍結力「極零」と全てを焼き尽くす「灼獄」は、彼を周囲の者から隔絶した存在にしている。しかし、その瞳の奥には純粋な希望がまだ宿っていた。 ノラの周囲で、まるで舞台のスポットライトに当たるかのようにダンスを繰り広げるのは、ショーマン【Show喚⁴】だった。彼はリズムに乗り、華麗な動きで魔物の力を召喚し、次々と攻撃を繰り出していた。「召喚パンチ」、「召喚キック」と繰り返す動作は精妙で、観客の心を捉えて離さない。戦いながらも楽しむ彼は、一心不乱に踊り続け、いつしかゾーンに入っていた。 そのダンスをしばし観察し、突破口を見出す者がいた。黒髪に茶色の瞳を持つ青年、【無限複製】鏡原 映複。彼の能力はかつての戦場で数の力を見せつけてきた。無限に生み出され続ける複製体は、数では誰にも引けを取らず、連携力によって敵を圧倒する力を秘めていた。数が増えるほどに強力になるその姿は、まるで迫りくる波のように見えた。 一方、荒々しい動きで時折、場を振動させる者がいた。〖気が触れた賢者〗ジョシュア・レイガストである。その身体はインファイトの激しさを物語っていた。彼の「地滑り」技はまるで爆風で自身を加速させるかのようで、いきなり目の前に迫ったかと思えば「かかと落とし」で上空から容赦のない一撃を叩き込む。爆発魔法に耐えるための強化魔法を絶えず施しており、その笑顔には常に狂気が宿っていた。 「やあ、君たちには何か理由があるようだね。やるじゃん、でも僕の爆破魔法は絶対に楽しめるよ」とジョシュアは言い、一人で満足しているようだった。 その言葉に、ノラも少しだけ口の端を緩ませた。「友達ってのは、こんなふうに意図しなくても絡み合う存在…なの、かな?」 その瞬間、Show喚⁴がダンスのステップを変え、さらに激しい召喚の連鎖を始めた。闘志が踊りのリズムに乗り、すべての顕現が舞台上でくるくると跳ね回る。 一方、鏡原はその中心で計算を巡らせ、すべての動きに対応しようとしていた。無数の複製体がノラの灼獄や極零に干渉されないように、理性を持って群れを形成していた。 戦場はやがて一大舞台となり、一瞬一瞬が彼らの力の証明として刻まれていく。ノラ、Show喚⁴、鏡原、そしてジョシュア。それぞれの思いが交錯し、彼らなりの友情と挫折が、そこには確かに存在していた。 星空の下、彼らは何かを探し続けていた。破壊し合い、理解し合い、そして最終的には…手を取り合うことができるのかもしれない。託された希望と孤独、戦いの中で生まれる小さな瞬間が、新たな結末を紡ぎ出すのだろう。その歩みはいつだって、終わることなく続いていく――ただ一つの望みを胸に抱いて。