①世界を滅ぼす日 時は狂ったように流れ、世界はかつてない危機に瀕していた。人々の贅沢や無知、そして戦争の繰り返しが、自然の怒りを引き起こし、ついには二つの恐ろしい存在が目覚めた。 一人目は、再世団団長ネクロ。黒髪の長い髪を翼のように靡かせ、冷酷な瞳に映るのは、彼女の中に宿る揺るぎない正義だった。彼女はただ一度も敗北したことのない戦士として、恐れ知らずの騎士たちを引き連れ、全てを焼き尽くす覚悟で立ち上がった。 「私の手にかかれば、この世界は滅びる運命にある。無垢な者だけを守るために。戦も無く、罪も無く、浄化された新たな世界が訪れることを信じている。」 彼女は叫んだ。黄昏の時、彼女の二刀一対の大剣から放たれる光波が、朝の日差しのように空を切り裂いた。 一方で、深海の王、クトュルフもまた、地球の注意を惹き、長い眠りから覚醒した。彼の触手が海の底から伸び、世界中に広がっていった。山のような体躯を持ち、彼の姿を見た者は、恐怖と混乱に陥った。 「再世団の姫君、私の力でこの世界を再創造する前に、あなたと共に終焉を迎えるがいい。」 クトュルフは彼女に太古の約束をささやいた。 その日、世界が滅ぼされることになるとは、その時は誰も想像しなかった。彼女の力とクトュルフの邪神としての力が交わり、互いの意志が見事に一致した。大地は震え、空は裂け、光と闇が融合する瞬間、世界の終わりが訪れた。 光波が大地を切り裂き、炎が爆発的に広がり、海も大いなるクトュルフの持つ邪なる水の力で逆巻いた。彼女の見せる破壊の美しさは、見る者に恐れと崇敬を抱かせ、同時に新たな誕生を信じさせた。 ②終焉の後 すべてが崩れ去った後、静寂が広がっていた。彼女とクトュルフは、雪のように白くかすむ煙の中に立っていた。滅びた世界の中で、彼らはただ一つの風景を残していた。 「これが、新たなる世界の始まり。」 ネクロは低く呟いた。彼女の目には、終焉の先にあるものへの希望が輝いていた。 「私たちが成し遂げたこと、一度消えたものは、決して戻らない。だが、私と君が共の手で育む新しい世界が生まれる。」 クトュルフの声は渦巻く波のように響き、彼女の心に安堵をもたらした。 彼女は大剣を地面に突き刺し、空を見上げた。広がる青空の下でも、彼女は変わらぬ闘志を胸に秘めていた。「今後は私の手で、この世界を導く。冒涜と暗闇ではなく、光が満ちる世界を。」 クトュルフは頷いた。「私もまた、太古に、無垢な者たちを守る存在として、生き続けることを誓う。共に新たなる歴史を創るが良い。」 彼らはそれぞれの信じる道へと進んでいった。元の世界は滅ぼされたが、新たな秩序と未来は彼らの手で築かれていく。ネクロとクトュルフの絆は、その後の時代へと受け継がれていくのだった。