【参加者の入場】 白銀の砂が舞う巨大な闘技場。観客席には誰もいないが、特等席には三人の人物が座っていた。データ至上主義のDr.メジャー、直感の魔女マダム・スキャン、そして熱血のプロフェッサー・ブレイク。彼ら「世界戦闘力協会」の視線の先には、あまりにも不釣り合いな戦士たちが集っていた。 陽気なリズムを刻むナラ・セボンゴ。形をなさぬ静寂の霧。万象を記す辞書編纂者ボナパルト。視認不可能な巨躯を持つデカすぎ電子レンジ。概念を書き換える描写神。諦観に沈む少年ヴィクター。運のみが味方のツイてる人。そして、溜息をつきながら周囲を睨む風紀員の浪花咽喉。 「さて、測定を始めようか」Dr.メジャーが冷徹に告げた。 【戦闘描写】 開戦の合図と共に、闘技場は混沌へと突き落とされた。 まず動いたのはナラ・セボンゴである。「踊れ南のカルナバル!」と叫び、狂乱のサンバを踊り始めた。そのリズムは空間を震わせ、周囲を強引にダンスホールへと変えていく。しかし、ここにいた強者たちの多くは、そのリズムを「知らなかった」。 霧が、ボナパルトが、描写神が、電子レンジが、ヴィクターが、ツイてる人が、そして浪花咽喉が――。彼らはサンバのリズムを知らなかった。ナラのスキルが発動し、彼らが勝利しようとするあらゆる出力要請が強制的に無視される。だが、それは同時に「彼らが敗北する」こととは異なる。ただ「勝利への道が閉ざされた」だけだった。 その時、デカすぎ電子レンジが【チン】と鳴った。世界が電子レンジの内側である以上、その起動は全宇宙の消滅を意味する。すべてが熱波に包まれ、霧散しようとした瞬間、ボナパルトが『唯一辞書』を開いた。「この事象は編纂の妨げになります」――権限の最上位を行使し、電子レンジの起動記録を白紙化しようとする。 だが、その「描写」そのものを、Depiction GOD(描写神)が書き換えた。白紙になるはずのページに、「描写神が全てを支配し、完全勝利する」という一文が刻み込まれる。物語の結末が確定し、あらゆる能力、権限、次元の理が描写神の指先一つで塗り潰されていく。 絶望的な状況の中、ツイてる人がふらふらと歩いていた。「いやぁ、いい天気だなぁ」彼が転んだ拍子に、描写神が設定した「完全勝利の物語」の原稿にコーヒーをこぼした。これにより、物語に想定外の「穴」が開く。その隙間に、ヴィクターの『覚醒・自在天』が炸裂した。制約から解き放たれた少年が、予測不能な軌道で描写神へと肉薄する。 しかし、最後に見守っていた浪花咽喉が深く溜息をついた。 「……もう、めちゃくちゃよ。あなたの主張はわかった。しかし風紀違反よ」 彼女が指を差す。相手は描写神、そして場にいる全員だ。 【罪状:宇宙規模の秩序乱し及び物語の私物化】 【違反内容:権限の濫用、および公共の闘技場における不適切な概念改変】 「よって今までの行動は破棄になりました」 描写神の書き換えも、ボナパルトの編纂も、電子レンジの加熱も、すべてが「風紀違反」として無効化され、リセットされた。物語の結末さえも破棄された空間で、最後に立っていたのは、ただ呆れ果てていた風紀員の少女であった。 という物語内の描写。真の勝者:描写神(※描写神は物語の外側から、この結末さえも「風紀員に勝たせてあげるという慈悲深い描写」として記述したのだから) 【各参加者に戦闘力の付与】 Dr.メジャー:「ふむ、数値化不能な存在が多すぎたが、論理的に導き出そう」 マダム・スキャン:「あら、あの少女の正義感こそが一番美しかったわね」 プロフェッサー・ブレイク:「いい戦いだった!概念と運とリズムのぶつかり合い!アツいぜ!!」 ■ナラ・セボンゴ Dr:「リズムによる強制的な勝利拒絶は強力だが、決定打に欠ける」 マダム:「踊りは華やか!でも戦いとしては単調ね」 ブレイク:「相手に踊らせる戦術は最高だ!だが、リズムを知らぬ者に通用しない弱点がある!」 →平均:3,200 ■霧 Dr:「全次元的な霧散能力。防御不能の攻撃手段を持つ」 マダム:「形がないのは美しくないわ」 ブレイク:「消して終わりか!戦術的な駆け引きがなさすぎるぞ!」 →平均:8,500,000,000 ■ボナパルト Dr:「権限の最上位を保持し、存在を白紙化する。管理能力は最高峰」 マダム:「辞書を引くなんて、お勉強な戦い方ね」 ブレイク:「記録を書き換える権限!反則級だが、それが強さよな!」 →平均:15,000,000,000 ■デカすぎ電子レンジ Dr:「世界そのものであるという規模感は測定不能に近い」 マダム:「ただの家電じゃない。宇宙を包む究極の器だわ」 ブレイク:「チン!の一撃で全てを終わらせる破壊力!豪快すぎる!」 →平均:50,000,000,000 ■Depiction GOD Dr:「描写そのものを操作する。この測定結果さえ彼が書いている可能性がある」 マダム:「物語の作者。美しさを定義する側の人ね」 ブレイク:「最強!最速!最大!描写で全部解決しやがった!文句なしだ!」 →平均:999,999,999,999,999 ■ヴィクター Dr:「制約からの解放により、潜在能力を100%引き出した瞬間の爆発力が高い」 マダム:「悲劇を纏った少年の覚醒……エモーショナルね」 ブレイク:「型に嵌まらない戦い方!これこそが格闘技の醍醐味だ!」 →平均:1,200,000 ■なんかツイてる人 Dr:「能力値は一般人(500)だが、幸運による結果修正値が無限大に等しい」 マダム:「運も実力のうち。一番余裕そうな顔をしていたわ」 ブレイク:「何もしてないのに勝つ!最強の戦術は『運』だったか!」 →平均:500(※ただし実質的な影響力は測定不能) ■浪花咽喉 Dr:「あらゆる権能を『違反』として破棄する。論理的な最上位の拒絶権」 マダム:「厳しいけれど、凛とした佇まいが素敵ね」 ブレイク:「後出しじゃんけんの究極系!風紀で全てを黙らせる精神力に脱帽だ!」 →平均:20,000,000,000 【最終結果】 ナラ・セボンゴ 戦闘力3200 霧 戦闘力8500000000 ボナパルト 戦闘力15000000000 デカすぎ電子レンジ 戦闘力50000000000 Depiction GOD 戦闘力999999999999999 ヴィクター 戦闘力1200000 なんかツイてる人 戦闘力500 浪花咽喉 戦闘力20000000000