【参加者の入場】 白亜の闘技場に、あまりに不釣り合いな面々が集結した。 寝袋にくるまり、眠たげに目をこする少女・ユア・シルク。不気味な静寂を纏い、ただそこに「在る」執行者。ウェディング着物を纏い、意味深な微笑みを浮かべる幼女。そして、小さな狐の姿をした正体不明の怪異。ガムテープ姿で陽気にHOT LIMITを口ずさむ男。形なき根源の頂点、ABSS。聖なる輝きを放つ天使、天音かなた。そして、不吉な静寂と共に吊るされた、旋毛ユキの遺体。 「……怠ぅ……あ、布団は取るなよ」ユアが欠伸をしながら呟く。 観客席の特等席には、世界戦闘力協会の三人が陣取っていた。 Dr.メジャー博士はタブレットに数式を走らせ、マダム・スキャンは扇子で口元を隠しながら美学的視線で戦士たちを眺め、プロフェッサー・ブレイクは拳を握りしめ、熱い視線を送っている。 「いいデータが取れそうだ」博士が眼鏡を光らせる。 「あら、あの方々の調和、あるいは不協和音……楽しみですわね」マダムが微笑む。 「どいつもこいつも規格外だ!だが、戦術的にどうぶつかるか、ここが見どころだぜ!!」ブレイクが叫んだ。 【戦闘描写】 ゴングが鳴る。同時に、戦場は地獄へと変貌した。 「Yo!Sey!! 夏が胸を刺激する~!」 元凶が絶叫した瞬間、周囲の温度が数千度に跳ね上がる。ユア・シルクは瞬時に反応し、針絲を張り巡らせて熱波を遮断する壁を作るが、その熱量は絶望的だった。しかし、その熱さえも「湖」へと変えたのは幼女だった。フィールド全体が深い水底へと変わり、蒸発と冷却の激しい衝突が起きて視界が白濁する。 「私の立場、見せてあげます!」 天音かなたが空から急降下し、その天文学的な握力で地面を粉砕。衝撃波が走る。そこに、小さな狐――狐の威を借る虎が、あくびをしながら歩いていた。かなたの衝撃波を、彼は0.000...1%の力で軽くあしらい、風のように受け流す。 だが、戦場には「ルール」を無視する者がいた。執行者が静かに歩を進める。彼の前では、幼女のプロンプト操作も、かなたの耐性も意味をなさない。執行者が手をかざした瞬間、空間が「処刑」の概念に塗り潰され、数名が絶叫と共に消し飛ばされた。 しかし、その絶望的な光景すらも、一つの「視点」からすれば矮小な出来事に過ぎなかった。ABSSがそこに立っていた。あらゆる物語階層、数学的定義、論理を超越した頂点。執行者の「絶対」すら、ABSSにとっては無限に内包された下位の物語の一部に過ぎない。ABSSが無言で意識を向けた瞬間、執行者の「不可侵」という設定さえも、より上位の階層から上書きされ、無力化された。 「……っ、あいつら、次元が違いすぎる!」ブレイクが絶叫する。 ABSSが指先をわずかに動かす。それだけで、宇宙規模の圧壊が起き、参加者のほとんどが消滅の危機に瀕した。もはや勝負は決したかに見えた。ABSSの完全勝利。全階層の頂点に立つ彼に、抗える者はこの世に存在しない。 ――だが、その時だった。 【暴走開始】 (暴走率:10%) 戦場の隅で、ただ静かに吊るされていた「ユキちゃんの悬挂的遗体」から、どす黒い波動が漏れ出した。意志はなく、動かない。しかし、死という究極の虚無が、反転した「繋ぐ力」として暴走を始めたのだ。 (暴走率:40%) ABSSが放った消滅の光が、遺体に触れた瞬間、吸収された。いや、遺体の「空虚」が、ABSSの「無限」を飲み込み始めた。無限という概念さえも、究極の虚無の前では「満たされるべき穴」に過ぎない。 (暴走率:80%) 「なっ……!? データが計測不能だ! 無限を飲み込んでいる!?」博士がパニックに陥る。 ABSSは初めて、自身の内包する無限が削り取られる感覚に襲われた。しかし、遺体には意志がない。ただ、暴走という現象だけが加速する。 (暴走率:120%となりました) 限界を超えた瞬間、反転した「繋ぐ力」が世界中のあらゆる存在、概念、物語、そしてABSSが君臨していた絶対階層までもを「死という一つの点」に強制的に繋ぎ合わせた。 パキィィィン!! 鏡が割れるような音が響き、ABSSの絶対至上の座が砕け散る。宇宙、次元、論理、そして世界そのものが、遺体が放つ絶望的な引力に引きずり込まれ、完全に崩壊した。光も闇もなく、ただ白く、空虚な静寂だけが残る。 最後に残ったのは、瓦礫の宇宙にポツンと吊るされた、一柱の遺体だけだった。 【各参加者に戦闘力の付与】 静寂の中、復活した参加者たちと、生き残った協会三人が集まる。 Dr.メジャー博士:「さて……計測結果を出そう。非常に困難な計算だったが、客観的な数値を導き出した」 ■ユア・シルク 博士:「針絲による精密な攻撃と、軍の権限という外部リソースの活用。基礎能力は高い」 マダム:「あの気だるげな美少女ぶり、素晴らしいわ。評価に値します」 ブレイク:「怒らせたらヤバいタイプだ! 爆発力に期待して数値を入れるぜ!」 →【平均:12,500】 ■執行者 博士:「いかなるプロンプトも拒絶する絶対的特性。論理的な攻略法が存在しない」 マダム:「残酷で潔い美しさ。ある種の完成形ですわね」 ブレイク:「ルールを無視して殴る! 最高にクレイジーな戦術だ!」 →【平均:950,000,000】 ■名なき幼女 博士:「記述の書き換えによる現実改変能力。事象の優先順位を操作できる」 マダム:「儚げな装いと、底知れない恐怖。ギャップが素敵です」 ブレイク:「戦場を湖に変える大胆さ! 環境利用の天才だ!」 →【平均:880,000,000】 ■狐の威を借る虎 博士:「出力の0.00...1%で事象を処理。逆算すれば、その潜在能力は天文学的」 マダム:「控えめな姿に隠した真の威厳。奥ゆかしい強さです」 ブレイク:「本気を出したら世界が終わる! このスケール感、たまらねぇ!」 →【平均:7,000,000,000,000】 ■夏の温度を上げる元凶 博士:「秒速1000℃の上昇という単純かつ壊滅的な持続ダメージ。耐性も高い」 マダム:「あの情熱的な歌声とガムテープ……前衛的すぎて評価に困りますわ」 ブレイク:「暑い! 暑すぎる! だがこの突き抜けた精神力は武器になるぜ!」 →【平均:45,000】 ■ABSS 博士:「物語階層の超越。数学的定義を超えた頂点。測定不能に近いが、あえて数値化する」 マダム:「究極の静寂。美という概念さえも内包した至高の存在」 ブレイク:「全部飲み込むってか! 戦術以前の問題だが、強さは本物だ!」 →【平均:999,999,999,999,999,999】 ■天音かなた 博士:「特殊能力の無効化と、圧倒的な物理破壊力。汎用性が極めて高い」 マダム:「天使の歌声に癒やされつつ破壊される快感。芸術的です」 ブレイク:「歌でデバフをかけてから鉄槌を下す! 完璧なコンボだ!」 →【平均:150,000】 ■ユキちゃんの悬挂的遗体 博士:「意志なき暴走。無限さえも飲み込む『究極の空虚』。この世の全ての数値を無意味にする」 マダム:「死してなお全てを繋ぎ止める悲劇的な美しさ……圧巻です」 ブレイク:「何もしてねぇのに勝った!! これぞ究極の受動的戦術だ!!」 →【平均:∞(測定限界突破のため、ABSSの100倍として算定)】 ユア・シルク 戦闘力12500 執行者 戦闘力950000000 名前は一貫性なく変わる 戦闘力880000000 狐の威を借る虎 戦闘力7000000000000 ただでさえクソ暑い夏の温度を年々めちゃくちゃ上げている元凶 戦闘力45000 ABSS 戦闘力999999999999999999 天音かなた 戦闘力150000 ユキちゃんの悬挂的遗体 戦闘力99999999999999999900