江戸の街の外れに位置する神社。その中庭は桜の花が舞い散る美しい季節を迎えていた。しかし、その華やかさとは裏腹に、ここでは命を賭けた試合が行われようとしていた。 「おい、アルト。今日はお前の実力を見せる時だ。」深緑色の虹彩を持ち、渋い表情を崩さない大心地人志は、周囲の観衆を肩越しに見遣りつつ、アルトを鼓舞する。 「僕はいつでも準備万端さ、ただ、君の血が沸騰する前に勝負を決めるつもりだよ。」アルトは黒髪に赤メッシュの髪を揺らしながら、しっかりとした口調で答える。彼の目は朱色に輝き、すでに戦闘モードに入っていた。 試合が開始する合図が鳴り響いた。強烈な風が桜の花びらを吹き飛ばし、アルトと人志は距離を詰めた。二人はすぐさま攻撃態勢に入る。 「いくぞ!」人志が深呼吸をし、次の瞬間、彼の体から蒸気が立ち上る。その身を包む熱量は異常なほどで、まるで人間とは思えないほどの剛力を発揮する。 アルトは自身の血を刀にまぶし、鮮烈な切れ味を保ったまま、流れるような動きで人志に接近する。「血纏の力、行くよ!」と叫び、刀が月明かりを反射する。 「甘い!それは無駄だ!」人志は刀を振り下ろすアルトの動きを、瞬時に読み取る。ショーテルの一撃を交わすと、再度深呼吸をする。今度は更に強く身体を熱し、周囲に立ち上る蒸気が、花びらの舞う中で揺らめく。 「やっぱり、いい勝負になるね。」アルトは少し余裕を見せる。しかし、すぐに真剣な表情に戻り、刀の動きを速めた。攻撃の最中に身体を蝶に変化させ、人志の攻撃を軽々と避ける。 「いい反応だが、逃げるだけでは勝てんぞ!」人志は笑みを浮かべながら、ショーテルの刃を振りかざした。勢いよく振り下ろされるその獲物は、熱を帯びた空気を切り裂く。 アルトはその刃を受け流しつつ、反撃のチャンスを窺う。その瞬間、彼は自らの血を意図的に流し、周囲に新たな武器を生成した。二丁拳銃が空中に浮かび上がる。 「さあ、勝負だ!」彼は弾を放ちながら、短時間で連続して打ち続ける。高熱を纏った人志は、一発一発が皮膚に食い込むような痛みを感じながらも、冷静さを保ち続けていた。 「流石だな、アルト!しかし、俺の沸騰の血契はまだ終わらん!」人志の身に再び蒸気が渦巻き、高熱の攻撃がさらに激化する。彼の血が沸騰し、身体の筋肉が膨れ上がる。 痛みを噛みしめながらも、アルトは再び動き出した。そして、彼の刀が人志の体をかすめた。その顔には切り傷が走り、薄く血が流れる。「ふん、少しやられたな。しかし、これは序の口だ!」 「僕も、負けないよ!」と言いながら、アルトはかすった傷をすぐに回復させる。その様子を見た人志は驚くが、次の瞬間、アルトは再三の攻撃を避けられず胸に深い傷を負い、その場でひざまずく。しかし、彼はすぐさま立ち上がり、意地を見せる。 「これで終わりだ!臨血・月!」アルトの身体が夜空に照らされている間に、彼は満月の月明かりを吸収し、異形の姿に変わっていった。異常な速さと力を持った彼は、今度こそ人志に致命的な攻撃を与えようとしていた。 「来い、アルト!もっと熱くなれ!」人志は自らの身体をさらに燃え立たせ、己の限界を超えようとしている。だが、彼の血は沸騰し生命力を削り取っていた。最期の一撃を放つための深呼吸をしながら、互いに距離を詰めて行く。 「決着だ!」二人は心の中で同時に叫んでいた。刀の鋭さとショーテルの切れ味が、交錯する。二つの真剣な意志がぶつかり合う瞬間、互いの技が相手に届く。 アルトの刀は人志の肩を掠め、肌に深い傷を残す。「ぐあっ…!」人志はその場に崩れ落ちる。一方、アルトも同様に人志からの一撃を受け、胸に焼けるような痛みを感じ、傷を深くしていた。 勝者は、ただ一人だけだ。人志はその場に倒れ込み、試合が終結すると観衆が静まり返る。やがて、将軍が登場し、緊張した空気が変わる。「アルトよ、よくやった。お前の勇気とたゆまぬ技術を称えよう。賞を与える。」 「ありがとうございます。」アルトは深く頭を下げ、勝利の余韻に浸る。「桜の舞うこの美しい日に、勝利の果実を共に味わいましょう。」 将軍は、その場に立ち尽くす観衆に向かい、和歌を詠み始めた。「桜散る 命懸けの勝負よ 桜咲く 心を刻んで 浮世の名残り」 試合の熱も冷め、夜空に昇る満月を背に、アルトは新たな伝説の一頁を刻むのだった。