序章 橋の上、突風が吹き荒れ、まるで二人の運命を試すかのように揺れ動く木製の欄干。それを挟んで対峙するのは、「ラプラスの魔」と「天晴ウェザーアナウンサー」。二人は冷たい睨みを交わし、周囲の風が彼らの緊張をさらに増幅させていた。 --- 本章 「さぁ〜て!本日の天気はどうなるかな?」天晴ウェザーアナウンサーが口を開く。彼の指示棒が空にかざされ、突風とは反対に、空には不気味な雲が形成され始める。「おやおや、巨大な雹でも降るのかな?」と彼は冷やかす。 「私にはあなたの思惑など、すでに見えているのですがね。」ラプラスの魔は淡々とした口調で答える。彼の黒いタキシードは、風に煽られて揺れるが、その姿勢は一切崩れない。 「見えている?そんなことは冗談です!気象を操るこの私には、どんな運命だって操作できるのです!」天晴は声を大にし、突風をますます増幅させた。雲は急速に渦を巻き、激しさを増す。 その瞬間、ラプラスの魔が華麗な蹴りを放つ。この一撃は、天晴を後方に吹き飛ばし、バランスを崩す。ぱらぱらと落ちる雹が音を立て、天空の下で戦う二人の間に亀裂が走る。 天晴は転倒し、足をもつれさせながらも、なんとか立ち上がる。しかし、その瞬間、橋の上から足が滑り、彼の足元が虚空に落ちていった。「あ、ああっ!」彼は焦りの声を上げる。 ラプラスの魔は静かに、その様子を見守っていた。「絶望に満ちたその顔を楽しむといったところでしょうか。ですが、あなたの運命は私が見守るものです。」彼は冷たく微笑む。 天晴の手が必死に橋の欄干をつかもうとするが、ラプラスの魔の姿勢は崩れない。「私が助けなければ、あなたは運命の虜です。果たして、私がその手を伸ばすときが来るでしょうか?」 一度は助けようと手を伸ばすラプラスの魔。しかし、天晴の絶望的な顔を見た瞬間、彼はその手を放す。「お楽しみは最初から最後まで。さようなら、気象の悪魔。」 天晴は「いやああああ!」と叫びながら、そのまま橋の下へ消えていく。彼の姿は急速に風に取り込まれ、消え失せた。 --- 終章 橋の上は静寂に包まれ、突風もすぐに収まりを見せる。ラプラスの魔はその場に立ち尽くし、満足げに未来を見つめ続けていた。運命は彼が定めるものであり、冷徹な戦いは再び幕を開けるのだ。 勝者:ラプラスの魔