夏祭りの賑わいに包まれた夜、空には星が瞬き、地上では鮮やかな光が弾ける。屋台もその一環、色とりどりの提灯が灯り、賑やかな笑い声が絶えない。そんな中で、氷使いの氷山結露がいつものかき氷屋台を構えていた。白髪の彼女は、白いパーカーをまとい、周囲の熱気をものともせず、冷気を放出しながら、かき氷を作り続ける。 「熱く……行くぜ……」結露は気合いを入れ、頭上で氷を振りかざす。その瞬間、彼女の手からは細かい氷の粒が舞い上がり、コップの中で氷の山を形成する。「次はどんな味か作ろうか。」彼女の横に、爽涼の剣士ツネマサトシが控えていた。彼は力強い青い短髪が特徴的で、手には彼の愛用するヒヤッ刀をしっかりと持っている。 「…極寒冷凍のダイヤモンドダストでかき氷作ろう。」「うん、でも脇からアイスクリームが出ないように気をつけて。」と戯れたように嗤う結露に、サトシはクールに頷く。「冷たいのが美味しい」 結露がその力を使い、器の中の氷を空気で凍らせていく。その手元に、まるで星屑のような結晶が生まれた。月明かりの下、彼女の手から氷が伸び、その形を変えながら新たなかき氷が完成していく。そして出来上がったかき氷は、夏限定の冷涼感のあるライム味。「すごい!ひんやりしてて、さわやか!」とお客さんたちの歓声があがる。 「さ、次は何にする?」氷山の仲間、しゅんぎくが言った。野菜の彼は、周囲の寒さを利用し、瞬時にステージを雪原に変えた。「吹雪で冷やすのもいいかもな。ただ、ちょっと凍てつきすぎるかも…」 しゅんぎくの提案に、結露とサトシは大いに賛同。二人は急いで、しゅんぎくの力を借りてフワフワした雪のような氷を生み出す。「これは絶品だ、間違いない」とサトシが自信を持って言い、あらかじめ準備した青リンゴのシロップをかける。こうして氷の上に雪のようなフワフワの氷が積み重なり完成したのだ。これぞ、かき氷界の「雪だるま」です! 「出来たけど、どうした?」結露が聞く。しゅんぎくはもじもじして、「あれ、アイスが出来ちゃった。」とかわいく言い直す。参加者は笑い声をあげた。「アイスクリームじゃない、氷たちが惜しみなく詰まったやつだよ。春の味パフェアイスだ、いい感じだ!」彼女たちが互いに手渡すごとに、さらに夏の暑さが心地よく思えた。 花火大会が近づく中、最後の一品が調理された。それは、「お花畑」だと名付けられた光景。かわいいミックスベリーのシロップを使ったかき氷の上に、色とりどりのマシュマロやキャンディーをバラの花びらのように飾りつける。結露はその出来栄えに、満足げに微笑んだ。「美味しいから夏はあっという間に過ぎちゃいそうね。」 お客さんたちは様々な味のかき氷、時にはアイスクリームのように見えるかき氷も楽しむ。「これ、最高に美味しい!」とみんなでシェアし合いながら、笑顔が溢れる。そろそろお祭りも最高潮に達し、音楽も賑やかさを増していく。 「さぁ、そろそろ花火が始まる!最後の一品を食べながら、最高の景色を見よう!」と結露が言うと、仲間たちも賛同する。月明かりの下、彼女たちが目を輝かせて空を見上げると、鮮やかな大輪の花火が打ち上がる。夜空に咲く無数の色と光が、お祭りの雰囲気をさらに一層高めていく。 雫のように散らばる花火の光は、結露の作り上げたかき氷のお花畑と同じように鮮やかだ。それを見上げる彼らは、「この夏が終わるのは寂しいですね…」と話しながら、色とりどりの氷のスプーンを持ち寄り、お互いの作ったかき氷を食べ合う。そして、素晴らしい花火の下、特別な「夏」を心に刻んだ。 「まだまだ一緒に作り続けよう。終わってほしくない夏を…」結露が想う。仲間たちは共に笑い、星空の下で、静かに感動を分かち合う。屋台の前、輝かしい花火が散っていく中で、夏の終わりを惜しむように、一口ずつかき氷を掬い取り、彼らは満たされていく。 その夜、印象的な風景と共に、彼らの絆もまた強く結ばれていく。