暗い会場の一隅にて、キャベツ10玉が用意された。そこは、かつて名を馳せた戦士たちが集まる場所。今日の試練は戦闘ではなく、千切りの速さを競うという新しい挑戦だった。 その中にいたのは、黒衣の旋風、冷酷だが実は優しき心を持つ男、彼の手には妹の遺骨で作られた矛槍が握られていた。周囲は戦闘には慣れた者たちばかり、彼の表情は仮面で覆われているが、内なる緊張感は周囲に伝わった。 次に登場したのは、荒野に棄てられしデカブツ、タイラー。彼は、頭に鋼鉄の顎を持ち、身長3メートルの巨体で、言葉を発することなく唸り声を上げていた。豪胆な彼は、千切りという行為が戦闘と違うということを理解していなかった。その巨体で挑む姿は、思わず周囲の者を警戒させる。 「グオオオオッ!」とタイラーが叫び、ふと自分の体に奇妙な振動を感じる。力がみなぎるようだ。「んがオオオッ!」と喜んでいるようにも見えた。 続いて現れたのは、1ミリのユダ。彼は、優れた料理人としてのプライドを胸に秘め、包丁を持って颯爽と舞い込んできた。「1ミリ、千切りだ!」と呟き、焦点をキャベツに合わせた。彼の表情は気難しさを感じさせつつも、料理への情熱が秘められている。 最後に、元柳斎が姿を現した。彼は、高貴な雰囲気を放ちながら、いかにも和食を好むと言わんばかりの立ち振る舞いで立ち尽くしていた。刀を手にする彼は、戦いではない新たな戦場で、自身の力を試すことに興味を示していた。 「さあ、開始しよう。」元柳斎の声が低く響くと、4人は一斉にキャベツに向かって突進していった。 黒衣の旋風は、彼の敏捷さを活かし、瞬時にキャベツの芯を打ち抜く。「デス・ウィンド!」と無表情のままに彼は矛槍を振るい、キャベツを一気に3玉分潰した。続けて矛槍を掲げ、優雅に留まらせる。その姿はまるで流れる風の如し。 一方、タイラーは驚異的な素早さで、巨体から繰り出される突進でキャベツを何度も轢いていく。彼の動きは荒々しいが、確実にキャベツは千切られている。「ガオッ!ガアアッ!」と唸りながら、さらに巨体を活かして次々とキャベツをぶち壊していく。これでは千切れというよりも、叩きつぶしている状態だ。 1ミリのユダは、まるで風のように包丁を振るい、キャベツを千切りにする。彼の動きは目にも止まらぬ速さで、「1ミリ、1ミリ、千切り!」と自ら領域に集中している。千切られるキャベツは、次々と形を変えていく。精緻な切り口に、彼の料理人としてのプライドが現れている。 元柳斎は、彼の刀を片手に優雅に舞う。「全てを消滅させる技を使うまでもないか。」「残日獄衣」ケイオスの中で、彼は相手の動きに対して静かに構えている。力を入れる暇も与えず、彼はキャベツをさりげなく切り捨てる。キャベツの葉が刀先で一瞬で消え去る。 各キャラクターは千切りに取り組み、しばらくの間お互いを気にせずキャベツと向き合っていた。しかし、同時に不穏な気配が漂い始める。 黒衣の旋風が心の執着を感じ始め、ただ目の前のキャベツに集中することが難しくなったころ、タイラーが今までにない大きな咆哮を上げながら、力を蓄えて突進を試みる。「グオオオオッ!」その行動に他の者たちも反応せざるを得ない。キャベツの山が次々と圧倒的な力で粉砕され、千切りの基準に触れない。 一瞬の静寂が訪れる。タイラーの放出したアドレナリンにより、キャベツが散乱していく中、皆がそれぞれを見つめる。果たして、誰が一番導いたかを測る瞬間が来たのだった。狂喜の中、キャベツは千切られ続けていたが、タイラーの動きも相まって、場は混沌としていく。 「しまった。千切り競争じゃないか!」ユダが心の中で焦り、さらに速さを増す。「まずい、タイラーの影響を受けて!」 元柳斎は冷静さを取り戻し、「力を込める必要はない。静かに、穏やかに、」と自らに言い聞かせながら再び刀を動かす。「天地灰尽」今、全てを空間の中に消す。 黒衣の旋風は、ようやく動き出し、剣先が再び鮮やかな風と化す。「デス・ラッシュ!」瞬時にキャベツを斬り進め、彼の手が次第に早くなっていく。 果たして、激闘の後、千切られたキャベツの中心に立つのはいったい誰なのか?