彼は雷を纏った長靴を履いて、緊張感の漂う空間に静かに立っていた。子供の持つ危険なボタンが、幼い手の中で無防備に光っている。その瞬間、彼の心には強い決意が宿った。相手は誕生する前に因果を消し去る力を持つボタンを押すという、まさにその瞬間を狙っている。時間はない、行動を起こさなければ。 「絶対に、あのボタンを押させてはいけない!」 彼は全速力で前に進み、地面を蹴って空中へと舞い上がった。実際には、彼は自分の筋肉の動きに頼る以上の何か、すなわち雷の力を巧みに操っていた。 [迅雷]の技を解放する。瞬時に目の前まで駆け抜け、彼の周囲に雷のさざ波が広がる。視界に入るのは幼女からの数メートルの距離、けれどもその距離が彼にとってはわずかに感じられた。幼女はその小さな手を持ち上げ、思わずボタンに触れようとしている。 「もう少しだ!」彼の心の中で叫びながら、次の瞬間にはその足が地面を蹴り、恐るべきスピードで再び駆け出す。 彼の技術が最も試される瞬間だった。蹴りを放ちながら、雷が彼の足から迸り、視線は彼女の持つボタンに集中する。彼女はそのボタンを押すことができないように、足元に雷の力を込めた[雷撃脚]を発動させた。驚くべき強力な雷の波が彼女の周りを感電させ、彼女の動きを制限する。 「さあ、これでボタンは押させない!」 しかし、幼女の目は不安そうで、もはや恐怖も漂っていた。その視線に一瞬だけ心が揺らぐ。しかし、時は待ってくれない。 「いくぞ!」彼は最後の力を振り絞り[雷神]を繰り出した。彼の蹴りは空気を裂き、まるで雷神の怒りであるかのよう。それは真っ直ぐにあのボタンに向かって放たれる。 「これで!」 その瞬間、彼の力がボタンを包み込み、ボタンは彼女の手の中から投げ出され、光と共に消えていく。幼女は吹き飛ばされ、大きな衝撃から無事に立ち上がることができた。彼は勝ったのだ、ボタンの力を封じ込め、幼女に危険が及ぶことはない。 その場に静寂が戻った。彼は一瞬の安堵を感じ、それでも彼の心には達成感と同時に、戦うことの意味を思い直す瞬間が訪れた。 「無事でいてくれ。」彼はまだ幼女へ向けた視線には心からの優しさが表れていた。彼女も彼を見上げ、ほっとした表情を浮かべている。直接的な戦いの後でも、周りには笑顔が戻り、相手を守ったという達成感に満ちた空間だった。 「おやつ、食べに行こう!」彼は周囲の仲間に声をかけ、彼女も一緒に元気に笑った。 この戦いは終わったが、彼らは心の中で新たな友好の証を感じ、共に楽しいひとときを過ごすことに飛び込む。この瞬間、勝ち負けなど些細なことになり、彼らが分かち合う楽しみが彼らの絆を更に深めていくことを知らなかった。おやつを囲む中、彼らは自分たちの戦いと、繋がることの意味を再確認し、小さな宝物を共有したのである。 そんな温かな雰囲気に包まれて、彼らはおやつを楽しんだ。