①世界を滅ぼす日 高い空に覆われた灰色の雲、いつもとは違う重苦しい空気が街を包んでいた。人々は不安に駆られ、何か大きなことが起ころうとしていることを感じていた。しかし、その瞬間、珍しい現象が起こったことを知る者は少なかった。 【不死の刑罰】永遠なるネイシャンは、彼女を隔離するバリア球の中での観測に慣れていた。この球の中で見た、無数の世界の終焉が彼女の心を覆っていく。彼女は何十年もその景色を見続け、どうしようもない絶望感に沈んでいた。 「どうして、私はここにいるのか…？」ネイシャンは呻くように呟いた。彼女の緑色の瞳は、無に吸い込まれそうなほど深い。バリアから放出されるエネルギー塊は、様々な災厄を伴い、世界に置き換えて考えると、まさに死のスパークそのものであった。 そんなある日、彼女の元に【ネイシャンの使徒】が降り立った。その独鈷型の兵器は、周囲の空間を歪めながら、彌勒的な威圧感を放っていた。 「すべてを終わらせろ…。」ネイシャンは心の中で、命じた。彼女がこの命令を出すのを待っていた使徒たちは、世界中にその破滅波動を広げると、次々に崩壊していった。 その様子が画面越しに伝わり、ウェザエモンはうなだれた。彼は妻を失い、その墓を守り続けていた。この世界が滅びゆく様子を見ているのは、彼にとって苦痛でしかなかった。 「我が愛は、どこにいるのか…？」彼は太刀を握りしめ、無意識に自らの心の中の怒りと悲しみを刃に込めていた。そして周囲の影響を振り切り、全力でその場を去る決意をした。 ウェザエモンは、天空へと飛び立っていった。 二人の運命が交差し、世界はどんどん崩れ落ちていく。彼は善悪を超えて、愛するものを失うことを恐れ、すでに自身の存在が何かを変えるのではないかと感じ始めていた。その間にも、世界の終焉は進行していた。 ②終焉の後 焼け焦げた大地、廃墟となった都市。災厄によって無数の生命が失われた後、静寂が広がっていた。 ネイシャンは、かつての自分と自身が重なり合わさるような感覚に捕らわれていた。彼女は、ようやく球の外で見える地面を見た。 「これが私の望んだ世界の姿…？それとも、誤りだったのだろうか。」彼女は言葉を失った。 そんなとき、ウェザエモンが彼女の前に姿を現した。彼は、しっかりと太刀を持ち、青白い炎を身に纏っていた。 「私は、この世界を守れなかった。」彼は悲しみに沈んでいた。「しかし…守りたかった気持ちが、今の私を突き動かしている。」 ネイシャンは、その言葉を噛み締めた。「私も、人々には何の罪もなかったと思う。だが、この世界の終焉は過ぎ去ってしまった。」 二人の瞳には、かつての愛や悲しみ、そして未来に向かう希望と共に、それぞれの決意が見えた。 「私たちは、新たな道を作る必要がある。生まれ変わることができるのかは分からないが、私たちの思いが未来を形作っていく。」ウェザエモンは、太刀を地面に突き立てた。 「信じられないかもしれない。しかし、我が愛のために戦うことは続ける。」 ネイシャンは静かな笑みを浮かべた。「私も一緒にいる。未来に向かって歩いていきましょう。」 その時、彼女の身の回りに迫る障害や新たな運命が、二人の心を束ねる絆となっていくのだった。 彼らの心が再生できる場所を探し、果てしない旅が始まる。 世界の終焉から、彼らの新たな物語が始まろうとしていた。