舞台は広々とした平原。静寂を破る風の音に、二人のプレイヤーが立ち向かう。 最初に登場したのは、ケンタウロス。彼は男の上半身と馬の下半身を持つ、不思議な存在。後部には重そうな馬車が付いていて、見た目は異形といえど、その姿に漂う怠惰感は一目で分かる。彼の心の中には、「死にたい」という願望が渦巻くが、馬の部分が生き延びようとする意志と戦っている。強靭な弓術の腕を誇った天才だったが、今やそれは麻痺し、怠惰が彼を蝕む。彼のスキルには、暴走、火矢、回転突進といった強力な技が備わっているが、彼の精神はもはやそれを使う意欲すら失っている。 「死にたい時に死ねないなんて、なんて面倒くさいんだ」と呟く彼の目はどこか遠くを見つめている。怠惰な彼に与えられた宿命は、戦うこと。自らの意志とは裏腹に、戦いを選ばざるを得ないのだ。 一方、N社E.G.O[凶弾]イサンが姿を現す。彼は日本古語で喋るダウナーな男性。マスケット銃を持ち、ボロ布のような洋装に身を包んだ彼は、冷静さと同時に不気味なオーラを漂わせている。イサンの持つ凶弾は、弾丸を魔法のように扱い、自らの意志で対象を調整して射撃する能力を持っている。彼はその技術を駆使して、時には仲間を撃つことで全体に大きなダメージを与えることができる。 「然ながらに撃ち貫かん。」と呟き、イサンはその冷徹な目でケンタウロスを見据える。彼の背後には、同じく怠惰を抱える言葉のような静けさが漂っていた。彼もまた、戦わざるを得ない宿命を背負っている。 両者が対峙する時、平原には緊張感が漂った。こうして二人の戦いが始まる。 最初に動いたのはケンタウロスだった。彼は馬の部分を活かして一気に突進し、暴走スキルを発動させる。馬車から火薬をばら撒きながら、全速で駆け抜けるその姿は、見る者を圧倒する。しかし、暴走に任せて突進する彼の内心には、どこか無力感が漂っていた。「どうせ、自分は死なないんだ…」その思考が、彼の動きに影を落とす。 イサンは冷静に彼の動きを観察していた。彼の目には、周囲の風景がスローモーションのように映る。「ふふ、面白きことよ」と口元をゆるめながら、イサンはマスケット銃を構えた。ケンタウロスの突進が近づく中、彼はその銃身を向ける。既に彼の中には、ケンタウロスが進行する軌道を計算したうえで、打ち込む弾丸を想定している。 「然ながらに撃ち貫かん!」イサンは高らかに叫ぶと、マスケット銃を引き絞った。その瞬間、ケンタウロスが突進する速さに合わせて一発の弾丸が放たれる。弾丸はケンタウロスの馬車部分に命中し、その衝撃で彼は一瞬足を止める。「痛ッ!」彼の思考がかき消され瞬時に燃え上がる。「戦わざるを得ない…」その無意識の反発が、彼を再び突進へと駆り立てた。 更にイサンは、次なる一手を考えながら銃身で殴打する。だが、ケンタウロスの怠惰ゆえの反撃が意外に強力だった。「死にたくても死ねないのに…こんなに耐えなければならないなんて、なんて面倒くさいんだ!」彼の内心の叫びが、そのまま自らの命を賭けた弾丸のように放たれる。 激しさを増す熱戦の中、ケンタウロスは火矢を使用することを決意した。彼の手から無数の燃え盛る矢が大空へと放たれ、まるで星屑が降るかのように舞い降りていく。「天才は、無意識に全力で撃つ!」その矢がイサンに向けて迫る中、彼は冷ややかにそれを見送っていた。戦略的に冷静さを保ちながら、彼はその火矢を避けることなく受け止める宣言をする。「ああ、良き火矢よ、その的を見定めよ。」 その瞬間、火矢が彼の体を燃やすが、彼の体からは微かに笑みが漏れる。しかし、彼は許可を与えたことを後悔する間もなく、ケンタウロスは再び回転突進をする準備を進めていた。「これで、お前を倒す!」彼の語気には決意が滲み出た。 回転突進を発動しようとするケンタウロス。彼は全身を馬車に封じ込め、全力で回転しながら突進を繰り出した。衝撃が周囲に広がり、その衝撃波が平原を揺らす。「終わりにしよう…」彼は心の中で呟いた。下半身と一体化した馬車が前に進む。 イサンはその衝撃波を受け止めるべく冷静に立ち、そのまま狙いを定める。「この瞬間に、貫かん。」彼の言葉とは裏腹に、準備された弾丸が飛翔し、彼の本体と敵を同時に狙った。弾丸は躍動するケンタウロスの体と彼自身の存在を根こそぎ侵入した。無さの隙を見せずに、彼は弾丸を再び放つ。 戦場は混沌と化し、火矢が放たれ、弾丸が飛び交う。ケンタウロスは一瞬の隙をついて、ついに力を解放する。 「必殺技、点火の矢!」彼の怒号が響き渡り、彼が集めたすべての情熱を匂わせる。それは、火を纏った一矢が放たれ、燃え盛る矢が高く舞い上がると、イサン目がその光を掴む。「無駄な努力、そは灰燼より昇るばかり。」彼の言葉は虚空に溶けていったが、恐怖に包まれた時間が流れる。 火矢はイサンへと迫り、まるで運命のように彼の前で炸裂する。「ふむ、さらば鵺の音よ。」彼は笑みを湛えながらも、自らの運命を受け入れつつ、決意する「確定急所再現、極致の一撃!」マスケット銃の重厚な撃音が響き、瞬時に彼の体も火矢で燃え上がる。 果たして、燃え盛る火矢がイサンを貫き、彼の体を崩れ落ちさせた。ただ、彼はその最期に淡々と語る。 「口中に塩辛き味漂う…かかる味なりや。はぁ…」そう言い残し、彼は静かに息を引き取った。戦いは、あえなく決着を迎えた。 勝者はケンタウロスシ。「決め手は、火矢と回転突進に詰まった何かしらの意志だった。」彼はどこか自己無価値感に支配されている。しかし、確実に勝った事実は、彼を重く圧し続けていた。 --- エピローグ: 勝利したケンタウロスは、満たされない思いを抱えながら、戦場を見渡した。彼の心の中では、勝利が喜びに変わることはなかった。彼は「死にたい時に死ねないなんて、なんて面倒くさいんだ」と再び呟く。麻痺した彼の心にもう一度、笑いが訪れることを願うばかりだった。 --- 【称号付与:ケンタウロス:「怠惰の天才者」】