市立図書館の静寂を破るように、誤動作した火災報知器が鳴り響く。 「火事です!火事です!火事です!」その大音量が書架の間を駆け巡ると、他の参加者たちも状況を把握し始めた。最初に反応したのは、未来心(元パピヨン)ことミライだった。 「何が火事だ、これはただの騒音だワン!」彼女は周囲の静けさを求めるべく、怒って火災報知器に向かって走り始めた。ミライは動きが迅速かつ敏捷で、攻撃的な眼差しを報知器に向ける。「火事なんてお前には関係ないだろ、触るな!クソッタレ!」 火災報知器が「火事です!」と連呼する中で、舌足らずの魔術師が呪文を唱えようと必死になっていた。「あっ、あやや、えっとガイコツの、火力の…いや、あれは違った!」彼は緊張から少し噛んでしまい、変な動きで呪文を無理に続ける。周囲にはすでに動揺が広がっていた。 「おい、あのままで大丈夫なのか?」田中勘太郎が静かに呟く。彼は腕を組み、魔術師の混乱を観察していた。「あれじゃ、全然魔法にならねぇ。やっぱり慣性の法則、解いてやらなきゃな。」 その瞬間、勘太郎はふらっと立ち上がり、周囲の空気を変えるかのようにポーズを決めた。「お前の慣性は解除された!」 彼の声が高々と響くと、目の前にいた舌足らずの魔術師は一瞬うろたえた。どんどん混乱し、彼が唱えた呪文は「火の…がいことす、うん…動きの源!」 その途端、空中に突然「水の…スパーキング…たちっ、ひややの!」という雑音が生まれた。 ミライはその横で、さっきの火災報知器に急接近し、狂ったように噛みつき始める。「触るな、クソッタレ!」彼女は自分の命令がよく効く結果に満足したものの、周囲をしっかりと見回す余裕はなかった。 「火事だ!逃げろ!」と叫ぶ火災報知器に、舌足らずの魔術師はもう一度呪文を唱えようとするが、「あぁ!そのまま…側に近づくと、スパークリングの雨、来ちゃう!」と間違った言葉が飛び出し、実際の効果が全く逆のものに。無意味な水の魔法が駄目押しのように舞い上がっていく。 「うわぁぁ!」とビビった未来心が避けようとした瞬間、攻撃が地面に当たる。そして、周囲の静寂が一瞬破られた。混乱が続くなか、報知器は脅えたように火事だと繰り返していた。「火事です!」と半ば恐怖で叫ぶ。 「何でこんなところで戦ってるんだ?」と勘太郎が元気なく呟く。もちろん、彼はその状況を冷静に見ているつもりだったが、目の前で展開される騒動は彼自身にいつでも降りかかりかねない。 その時、突然、図書館の「館長」が現れる。「静かに!ここは図書館だ!」 館長の怒号に、すべての戦闘が一斉に静止した。一切の音が消え、みんなありがとうと心の中で叫びながら、火災報知器の雑音も一緒に消え去ってしまった。 「火事です!火事です!」と叫んでいた火災報知器は、館長の存在感に不安でたまらない様子を見せた。対し、ミライと舌足らずの魔術師、そして勘太郎は、その場から逃げようと動くが、全てが終わってしまった。「お前がダメだったからだ!」とミライが舌足らずの魔術師に文句を言うが、彼は「アウ、アウ、まったく…変なことになった!」と怒る。 最終的に、図書館から追放されたのは、火災報知器だった。館長は口頭で解説してくれた。「その大声が許せない…勝者として、他の三名には『図書カード』を贈呈します。」 そう言って、館長は闘い終わった参加者たちにそれぞれ一枚ずつの素敵な図書カードを手渡した。彼らは困惑しつつも不思議な笑顔を見せたのだった。