寒い季節が訪れ、薄い氷の結晶が続く風に舞う冬の夜、街の片隅には一軒の隠れ家がある。名前は「雷の誇り」、木造の温もりと独特の雰囲気を醸し出すこの場所は、戦士や研究者たちが集まる酒場として名を馳せていた。店内は暗く柔らかな灯りに包まれ、照明の下でスチール製のテーブルや椅子がひっそりと並んでいる。ゆらめく蝋燭の光が、壁に飾られた戦績や装備品を浮かび上がらせ、彼らの足跡を物語る。 その日、多忙な日々を錯綜させる二人がこの店を訪れた。遊月 蓮、隊長補佐である彼は鷲獣人の兵士であり、長身に美しい黒白の毛並みを持つ。陽快な笑みと少し饒舌な敬語で、どこか穏やかさをも持ちながらも、彼の存在はその卓越した狙撃手としての能力に裏打ちされた自信を感じさせる。対するは戌亥 真白、機械技師として名を馳せる犬獣人の研究主任で、今では彼女自身が操る巨大な機械兵器「天号」への誇りすらも漂わせていた。137cmの小柄な体躯からは想像もつかないほどの知識と技術の持ち主で、彼女のフレンドリーさと早口な解説は、酒の席でも止まることを知らない。 店主は温かな笑顔で二人を迎え入れ、座席に案内する。薄暗い照明の中で、蓮は真白に目を向け、笑顔を崩さない。 「今日もまた急いでたのか?真白さん、最近は天号の改造で忙しそうだね。」 「それがもう、本当に楽しかったのよ!昨日も新機能を搭載したの!ほんとにすごくて、戦場で使わないと気が済まないわ!」 彼女の横顔はキラキラと目を輝かせていた。 「そうか、それは良かった。本当に頑張っているな。彼女には負けているが、私もすぐに次の任務に備えなければならない。」 「任務のお話を聞かせて、同じ時間を持ちたいんだから。」 蓮は真白の期待に応えるようにカクテルのような色合いを持つ架空の酒「雷の雫」を注文した。これは特製の酒で、黄金の粒子が含まれている。飲んだ瞬間、微細な泡が舌の上で弾け、清涼感がじわじわと身体に広がる。 「どう?」 「美味しい、爽やかで、まるで今までに戦った敵の喧騒が煙のように消えていく。まさに「雷の雫」だね。」 二人はグラスを持ち上げ、互いに乾杯した。店の忘れられた空間には、温かい肴の香りが漂い、周囲の対異常特殊部隊員たちが後ろで談笑する声が聞こえていた。 「ところで、最近の狙撃の調子はどうだい?」と真白が興味津々に尋ねる。 「いい感じだ。新たな視点でテロリストの動きを分析することで、より素早く撃つことができるようになった。精神統一と心意脳眼を利用すれば、距離を問わず狙える。。」と、蓮は少し自慢気に語った。 「それはすごい!いつか私も参考にさせてね。天号の作戦にも活かしてみたいわ。」 お互いの専門性に対するリスペクトがそこにあった。彼らは異なるフィールドで活躍するが、共通するのは周囲の安全を守るという思い。 「私たち、良いチームになるかもしれないな、戦場でも。」 「そうなれれば、最高だわ!」 二人は謎めいた夜の中で、自らの経験を分かち合い、相互の成長を感じ合いながら、再度グラスを交わすと、気持ちの良い笑い声が響き渡った。 やがて、二つの視線は小道から灯りの中に潜む未知の未来に向かった。