ある日、次元の狭間に発生した「特異点」の奔流が、場違いな三人の戦士を飲み込んだ。その奔流は彼らの本質を増幅させ、既存の能力を遥かに超越した「神域の力」をそれぞれの魂に刻み込んだ。 トイレの神は、理不尽に耐え続けた忍耐が昇華し、あらゆる絶望を浄化し力に変える能力『不浄浄化・黄金の聖域(ホーリー・クリンネス)』を獲得した。ヘビーマスクドフォームは、世界が応える願いが極限まで高まり、因果さえも書き換える一撃『絶対完結・天墜の裁断(ゼニス・エンド)』を手にいれた。そしてイトロ・イリュースは、糸の操作が概念レベルにまで達し、運命の糸さえも縫い合わせる『因果縫合・万象綴じ(コスモ・ステッチ)』を覚醒させたのである。 戦場は荒野。三者は互いの気配を察し、同時に激突した。 「フフン、旅の途中にこんな面白い喧嘩が始まるなんてね」 イトロが指先を踊らせると、不可視の鋼糸が網のように空間を覆う。同時にヘビーマスクドフォームが地を蹴った。100tのキック力を乗せた突撃が空気を切り裂く。だが、イトロの糸が彼の動きを精密に拘束しようと絡みつく。しかし、ヘビーマスクドフォームは天才的な戦闘センスでそれを最小限の動きで回避し、カブトクナイガンをガンモードで展開。至近距離から猛烈な銃撃を浴びせた。 「ぬうっ! 控えよ、小娘! 貴殿らの喧嘩に付き合うのは御免だが、神としての矜持を見せてくれよう!」 轟音と共に割り込んだのはトイレの神だ。筋骨隆々の肉体が銃弾を真っ向から受け止める。本来なら身体が砕ける衝撃だが、彼は不敵に笑った。新能力『不浄浄化・黄金の聖域』が発動し、受けた衝撃という「不浄な負荷」を即座に純粋なエネルギーへ変換。黄金のオーラを纏った拳が、ヘビーマスクドフォームの分厚い装甲を殴り飛ばした。 「ぐあぁっ!」 後方に吹き飛ばされたヘビーマスクドフォームだったが、空中で姿勢を立て直す。彼は悟った。正面突破ではこの神の耐久力と回復力に勝てない。彼はカブトクナイガンをアックスモードに切り替え、全存在を賭けて願った。世界よ、応えよ。敵を屠る一撃を! 「これで終わりだ! 『絶対完結・天墜の裁断』!!」 次元を裂くほどの一撃が振り下ろされる。それは回避不能の確定的な勝利を導く一撃。同時にイトロもまた、指先で空間を縫い合わせ、ヘビーマスクドフォームの攻撃軌道を強引に書き換えようと『因果縫合・万象綴じ』を展開した。 激突の瞬間、世界が白光に包まれる。しかし、その中心にいたトイレの神が、静かに目を閉じた。彼はこれまで数多の神殺しにボコボコにされ、泥を啜り、それでも耐えてきた。その「耐える力」こそが、最強の武器となった。彼は全エネルギーを一点に集中させ、黄金の光の柱となって二人を包み込んだ。 「神とは、耐える者のことよ……!」 聖域の力が、ヘビーマスクドフォームの因果的な攻撃を「汚れ」として浄化し、イトロの運命の糸を「綻び」として解いた。圧倒的な浄化の奔流が二人を優しく、しかし抗いようのない力で場外へと弾き飛ばしたのである。 静寂が戻った荒野に、ただ一人の筋骨隆々の神が、荘厳に佇んでいた。 【勝者:トイレの神】 【理由:他二人の攻撃が「破壊」や「操作」という攻撃的な性質を持っていたため、それら全てを「不浄」として浄化し、自身の力に変換する新能力との相性が完璧に合致したため。理不尽な攻撃を受ければ受けるほど強くなるという特性が、最強格の二人による激突を最大のエネルギー源へと変えた。】